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その2006年12月号のはじめに。初代内閣広報官の宮脇磊介さんのつぎのような文章があり、私はびっくりしました。少し紹介します。
13億人の人口を抱える中国の国土が、人間の住めるところでなくなってきている。
中国のSO₂の排出量は世界最大、CO₂は米国に次いで2位、NO₂もモータリゼーションに伴って急速に増加。すでに都市部の5分の1が深刻な大気汚染の中で生活している。中国人一人当たりの水資源は2,300㎥で国際平均の4分の1。特に、長江以北では500㎥。北京市街地の約70kmまで砂漠が迫り、年間20〜30mの速度で北京に接近。経済の急発展が水資源不足に追打ちをかけている。政府は長江の水を涸渇している黄河に向けて引く三本の運河を建設する「南水北調」計画を進めている。だが、その水が汚染されているのだ。都市を流れる河川の約90%が重大な汚染状態にあり、75%の湖が酸欠状態である。全国の地下水の35%が不合格で、平原地区の54%の地下水が生活用水としての基準に達しておらず、半数以上の都市の市内地下水が深刻な汚染状態にある。国民の半数以上7億人が汚染された水を飲んでいる。農薬、重金属、その他の化学物質による奇病やガンの特定地域での集団発生が随所に出現する。乳幼児の頭が大人並みの大きさになる奇病は、安徽省阜陽の農村で最初に発症し、その直後に山西省で発生、湖南省でも昨年発生、拡大中である。中国を訪れて、中国料理の野菜も魚も火を通してあるから安心というわけにはいかなくなった。米国に次いで生産量が世界第2位となった中国産ビールが必要としているおびただしい量の水の品質基準はどうなっているのであろうか、どうしても気になってしまう。
共産党一党支配の中国は、その特徴として意思決定の不透明さとあわせて都合のよい統計数字しか発表しないことにある。しかしながらここに挙げた数字は、いずれも中国政府が発表したものばかりなのである。なりふりかまっていられない、よくよくの事情があるのであろう。じつは、ほかにも本来なら公表したくはない統計を、中国政府は発表するようになっている。中国には都市戸籍と農村戸籍との二つの身分があって、農村戸籍を持つ人民は社会保障の恩恵が乏しく、上級学校への進学もままならない。都市部に職を求めて流入する者は「(農)民工」と呼ばれている。その数は1億7千万人にのぼり、うち47%が給料の欠配遅配状態にある、などの統計発表。また、地方の党幹部、役人の腐敗や農民の土地の恣意的売却などに基因する暴動が、2004年に74,000件、昨年は87,000件との発表までなされている。
2008年に開催される北京オリンピックがカウントダウンに入っている。黄河の水位は年々下がり、砂漠が接近中の北京に、水や電力を日常生活に大量に使う欧米などからの観光客が百万人もやってくる。まぶしい太陽や澄んだ青空も昔話しになりかけてきた。
交通渋滞は激化し、地方から北京政府へ直訴に来る人々や、いつ暴徒化しかねない民工の集落、等々、悩みは大きい筈である(転載ここまで)。
これを読み、私は先週、中国通の識者たちにこれらの事情を確かめました。
宮脇さんの文章内容は事実と言えそうです。
2008年の北京オリンピックや2010年の上海万博は、中国政府の体面上からも表面的には、なんとかのりきるでしょうが、この環境汚染と暴動の多発は、日本にも多大な影響を与えるでしょう。人ごとではありません。
われわれは真剣に隣国である中国の実態を知り、いそいで中国だけでなく日本のためにも対策を立てねばならないようです。びっくりしているだけではすませられないと思います。
=以上=
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