“超プロ”K氏の金融講座

このページは、船井幸雄が当サイトの『船井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介している経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。

2009.03
アメリカン・エキスプレスのキャンペーン

 米アメリカン・エキスプレス(アメックス)が、前代未聞のキャンペーンを始めます。
 4月末までにカードローンの残高をゼロにした顧客に300ドル分の商品券をプレゼントするというものです。普通はカードローンを新しく借りてくれる人に、キャンペーンとして、粗品なりサービス券を供与して、販売の拡張を目指すのが当たり前なのに、全く逆に、お金を返してくれた人に商品券をプレゼントするとはどういう意図があるのでしょうか? そんなことで商売が成り立つのでしょうか?

アメックスのキャンペーンの狙いとは?
 300ドル、約3万円のサービスは、少額のお金を借りている人にとっては、魅力的な額に違いありません。また、アメックスにとっては大きな出資です。まさに商売を度外視したこの政策の真の狙いは? ずばり、債権回収です。
 「3万円あげるから、他から借りてきて、うちの会社で借りたお金、返してくれない?」というお願いなのです。アメックスは消費者ローン、クレジットの会社ですから、今の状況はただならぬ事態と察しているに違いありません。ここは商売縮小どころか、もっと積極的に回収する必要がある。あるいは、どうしても資金繰りのために目先に現金が必要になっているということでしょう。思いきった決断をするものと思いますが、現場としてはこの現状をみる限り、回収は早いもの勝ちとの判断と思います。そしてその判断は間違っていないでしょう。
 むしろ個人向けのクレジット会社だからこそ、どこよりもこの事態の深刻さがわかっているに違いありません。もうなりふり構わず、生き残りのために常軌を逸した政策を打っていくしかないということと思われます。

 3月6日に米労働省は雇用統計を発表しました。
 失業率は前月より0.5ポイント高い8.1%まで急伸、2月の非農業部門の雇用者数は651,000人の減少、昨年12月が681,000人減に修正され、59年ぶりの大幅な落ち込みも明らかになりました。雇用減は昨年1月からの合計で約440万人に達しました。強烈な信用収縮が始まるのはこれからなのです。
 スタンダード・アンド・プアーズ(=アメリカに本社を置く投資情報会社)は、信用収縮は初期段階というレポートを出しました。これから、つるべ落としの経済の悪化が個人の財布を直撃するのです。そしてそれは連鎖的に広がっていきます。景気回復どころか、これからが悪化の本番です。
 こんな苦しい時に銀行がお金を貸してくれない、今、銀行は世間から一斉の非難の波に晒(さら)されています。「苦しい時には助けてくれない! 晴れた日には傘を貸し、土砂降りになったら傘を取りあげるのが銀行だ!」
 しかし銀行には銀行の言い分もあるようなのです。「冗談じゃない、我々にとって一番大切なことは銀行を潰さず、預金者のお金を守ることだ。預金を預金者に返すことこそ社会的使命だ!」今や、銀行は火の車、とても顧客を思いやる余裕はないようです。それどころか自らが倒産しないように必死になっているのです。アメックスを見習わなければ、と感じていることでしょう。

バックナンバー
17/02

止まらない米国株の上昇

17/01

迫りくる戦争の危機

16/12

日本人と株式投資

16/11

トランプ勝利をもたらしたもの

16/10

新著『暴走する日銀相場』まえがき

16/09

AI技術者に殺到するヘッジファンド

16/08

止まらないデフレの行く末

16/07

ウーバーライゼーション

16/06

衝撃的な英国の離脱派勝利

16/05

衣食住がただ、お金のいらない世界に!?

16/04

熊本地震とヘリコプターマネー

16/03

トランプ旋風が写すもの

16/02

新著『世界経済のトレンドが変わった!』まえがき

16/01

波乱で始まった2016年

15/12

2016年の展望

15/11

中国の結婚事情

15/10

郵政上場

15/09

現れ始めた高齢化社会のひずみ

15/08

荒れた株式市場の先行きは?

15/07

異常気象の連鎖

15/06

値上げラッシュ

15/05

新刊『株、株、株! もう買うしかない』まえがき

15/04

日米同盟強化の恩恵

15/03

アベノミクス その光と影

15/02

ギリシアの悲哀

15/01

止まらない<株売却ブーム>

14/12

アベノミクス

14/11

バンザイノミクス

14/10

新刊『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(舩井勝仁との共著)まえがきより(※目次、舩井勝仁のあとがきも含む)

14/09

加速する物価高

14/08

新冷戦という脅威

14/07

新刊『株は再び急騰、国債は暴落へ』まえがき より

14/06

深刻化する人手不足

14/05

何故ドルなのか

14/04

株高は終わったのか?

14/03

ウクライナを巡る暗闘

14/02

中国ショック

14/01

ハッピー倒産ラッシュ

13/12

インフレに向かう日本

13/11

株式投資に舵を切る年金基金

13/10

金相場のたそがれ

13/09

新刊『2014年 インフレに向かう世界』まえがき より

13/08

崩壊に向かう新興国経済

13/07

ドルが復権する世界

13/06

激動前夜

13/05

株 売却ブーム

13/04

異次元の世界

13/03

日本の行く末

13/02

株バブル勃発、円は大暴落(新刊まえがき)

13/01

「アベノミクス」がもたらすもの

12/12

浜田教授のリフレ政策

12/11

円を売る時がきた!

12/10

チャイナリスク

12/09

大恐慌か超インフレだ!(新刊「あとがき」より)

12/08

中東情勢の泥沼化

12/07

食糧危機の足音

12/06

ユーロ崩壊へのカウントダウン

12/05

新刊『2013年 株式市場に答えがある』まえがき

12/04

ぶり返すユーロ危機

12/03

円安が始まった

12/02

株式投資の勧め

12/01

上昇転換した株価とその背景

11/12

大波乱の幕開け(最新著『もうこれは世界大恐慌』序章)

11/11

ギリシア救済というトリック

11/10

崩壊に向かう資本主義

11/09

欧州危機と錬金術

11/08

ユーロ崩壊

11/07

逆ニクソンショック(金本位制への回帰)

11/06

2012年、日本経済は大崩壊する!(はじめに)

11/05

スーパーマリオ

11/04

インフレの到来

11/03

今後の経済と生き方

11/02

液状化する世界

11/01

始まった食料高騰

10/12

迫りくる大増税

10/11

物価高騰に備えよ

10/10

まえがき(新著『2011年 本当の危機が始まる!』より)

10/09

中国の謀略

10/08

ニューノーマル

10/07

焼け太ったFRB

10/06

金(ゴールド)相場の映すものは?

10/05

ギリシア問題の末路

10/04

ゴールドマン・ショック

10/03

郵政改革の裏

10/02

金融問題公聴会

10/01

グーグルVS中国

09/12

新興衰退国

09/11

デフレとインフレ

09/10

円高で、為替仕組み債が破裂(破綻続出へ)

09/09

悲惨なアイスランド

09/08

不発弾(米住宅問題)が爆発するとき

09/07

秋に向け、鳴りをひそめている危機

09/06

今後の行く末は?

09/05

ゆっくり進むドル危機

09/04

上昇、やがて、壊死する株式市場

09/03

アメリカン・エキスプレスのキャンペーン

09/02

リーマンと山一證券

09/01

ゲート条項

08/12

ドバイの落日

08/11

ターミネーター


朝倉 慶氏の新刊『日本人を直撃する大恐慌幕』『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、朝倉慶氏の新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売!さらに最新刊 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が5月30日に発売!

『朝倉 慶の21世紀塾』を2009年2月より開始(主催:(株)船井メディア)
朝倉氏の最新情報を【A】レポート、【B】CDマガジン、【C】セミナーから学べます!
詳しくはコチラ→http://www.funaimedia.com/asakura/index.html

Profile:朝倉 慶(あさくら けい)

K朝倉慶経済アナリスト。 船井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を船井幸雄にレポートで送り続けてきた。 実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。 著書『大恐慌入門』2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。

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