“超プロ”K氏の金融講座

このページは、船井幸雄が当サイトの『船井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介している経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。

2010.12
迫りくる大増税

 大増税時代が迫っています。ゆっくりと確実に、そしてある地点から加速度を持って事は起きるでしょう。消費税10%などというお題目が現在しきりに議論になりつつありますが、10%どころか議論を通り越して20%、30%、そしてそれでも足りず財産税、と一気に驚くような展開が待っているかもしれません。

 日本の国家破綻はいつやってくるか? 展開は突如ドラスティックになっていくに違いありません。為政者(政治を行う者)というものは巧妙に気づかれることなく、仕掛けを作っていくのです。気づいたときはもう遅い、我々は知らぬうちに国家の完全管理のもと、個人個人の財産も全て把握されてしまう、そして国家の一大事のもと、全てをささげる形に持っていかれることでしょう。その仕掛けは始まってきています。我々が自ら望んで、国家管理のもとに入るように巧妙にシナリオは進んでいるのです。

「消えた年金問題」から「国民番号制」への巧妙な流れが仕組まれている!?
 「消えた年金を取り戻せ!」最近は年金問題も下火になりましたが、この消えた年金問題は一向に解決できません。そもそも資料も多くは残っていないし、複雑すぎて国民一人一人確認するなどという作業はとてもやり切れるものではないでしょう。何しろ1億人以上の国民を名寄せし確認するというのではとても手に負える作業ではありません。年金が消えた人達の怒りは収まらないし、どこに何をぶつけたらいいのか? まことに日本国、並びに行政というのはいい加減と思ってもどうしようもない気分でしょう。
 そしてこのような問題を二度と起こさないためには、完全なる年金記録の把握、今後からでも完全な照合が必要になるわけで、そのためには、どうしても国民番号制が必要というわけです。消えた年金問題なども早くから国民番号制にしてしっかり個人、個人を記録できる状態にしていれば起こらなかったはずなのです。整備の不備が問題を起こしました、今後はこの整備の不備を改善して、二度と消えた年金のような国民を愚弄するようなことを起こしてはならない、ということです。こうして、国民番号制は日本国民の総意として法案化される日が近づいてくるのです。
 国家や行政というのは常にそうなのですが、ある重大事件が起こる → 国民が政府を非難する → 規制を強化する、という流れが始まるのです。
 「政府は何をやっている!」という国民の怒りに乗じて為政者は積年の課題を達成させるのです。2001年、9.11のテロが起きました、米国では「ブッシュ政権は何をやっている!」という怒りに包まれたのです。そしてブッシュ政権は国民の安全を守る、テロを未然に防ぐという命題のもと、一気に国家統制を強めたのです。今では米国に入国するのも大変な作業です。テロを契機にプライバシーは無視され、人々を監視する体制が整えられたのです。
 皮肉ですが、日本の年金問題も同じような効果をもたらしました。実際問題、消えた年金問題のような不祥事を起こさないためには国民番号制のような仕組みが必要だということです。一昔前ならば、国民番号制などと言えば、全政党は反対、プライバシーの侵害ということで世論の激しい非難に合っていたのに、今では誰も反対しません。

 12月3日の報道によれば、政府は来年夏をめどに、社会保障・税番号大綱を策定、現在の住基ネット番号の活用を軸に検討して来年秋以降の国会に法案提出予定です。国民番号制の導入です。いよいよ日本国でも国家による国民の管理、統制強化は始まるのです。

「国民番号制」の真の狙いとは?
 この本当の狙いは何か? ズバリ、国家破綻を想定した国民財産の管理、把握にあるのではないでしょうか! 来年度の予算案ができました。税収は今年より増えるとは言え40兆円、新規国債発行額は今年と同じく44兆円で、2年続きで税収を国債発行額が上回るのです。そして支出は相変わらず92兆円、累積の国家の借金は1,000兆円と言われているのです。持続不能と思いながらも酷い混乱も起こらず、もう何十年も平穏な時期が続いています。しかし常識で判断すればわかりますが、このような財政状況が持続可能なわけがないのです。今、あたかも消費税を上げれば国家財政は健全化していくという見方もありますが、借金の額を考えてください。また私が指摘しているような債券が暴落して金利高騰となったらどうなるのか? 暴落と言わずとも景気の巡航速度と言われる金利が5%になれば日本の場合は、年間の金利負担だけで50兆円、40兆円の税収では金利も払えません。どうやって1,000兆円返すのです? 幾ら消費税を上げたところで焼石に水です。
 大きな声では言いませんが、この日本国の“国家破綻”ということは、極秘にシュミレーションされていないわけはない! そしてその時はどうするか? 消費税の大増税はもちろんですが、とてもそれだけでは足りない。当然、財産税ということも考えなくてはなりません。金融崩壊、資本市場の大混乱、はたまた大地震などの天災、今の情勢はいつこのような非常事態が訪れるかわかりません、まさにその時は政府は何でもありです。国家存続のためであれば、国家は何でもやっても許されるのです。そしてそうなれば国家は徴税権をフルに活用するに違いありません。国家が消えれば何の個人かということです。

 ですから今、矢継ぎ早に体制を整えるべく、一気に国民番号制の導入を急いできたと考える方がいいでしょう。また同時に、金(ゴールド)などの売却益にも申告を義務づける体制も整えてきたのです。政府は来年度税制改正で、投資家が金地金を売却した際の支払い調書制度の創立を盛り込む予定です。金(ゴールド)やプラチナの地金売却の実績を支払い調書として提出するよう地銀商に義務つけるということです。売却による利益を税務署に把握させるという方針です。現在の案では一回の売却が200万円以上が対象の予定です。
 国民番号制の導入も金(ゴールド)の売却益の申告も、一連の流れは一本の糸でつながっていると言えるでしょう。国家破綻に備えた税徴収、そして来るべき混乱期に向けて国家による強力な国民管理の準備を整えつつあるのです。
 今から65年前、1946年、日本政府は突如、何の前触れもなく預金封鎖を断行、一気に国民の財産は没収されたのです。このような政策の断行に前触れはありません。噂でもたとうものなら誰でも預金を引き出してしまうからです。行われるのはある日、突然です。
 2011年、日本株は上昇、また世界の株式市場も上昇して一時的に好景気ムードが広がることでしょう。楽観的なムードに日本全体が包まれるときが来るかもしれません。しかし日本という国は借金が膨大過ぎるのです。好景気、それによる金利の上昇を受け入れることはできません。金利が払えないからです。その上債券が暴落して金融システムが破壊されるからです。しかし大きな時代のうねりを避けることはできません。来るべき日はくるのです。2012年、膨大な借金とこれから襲ってくるインフレが日本を驚くような苦難に直面させることでしょう。その時、国家が何を仕掛けてくるのか? しっかりと知っておく必要があるのです。

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(※朝倉慶氏は、(株)船井メディア企画の『朝倉慶の21世紀塾』でも詳しい経済レポートやCD情報、セミナーを開催、お届けしています。よろしければご活用ください。)


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朝倉慶氏最新著『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売。その後 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が同年5月30日に発売。さらに2009年11月には、船井幸雄と朝倉氏の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)が発売され、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)を発売。そして2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を発売。

『朝倉 慶の21世紀塾』を2009年2月より開始(主催:(株)船井メディア)
朝倉氏の最新情報を【A】レポート、【B】CDマガジン、【C】セミナーから学べます!
詳しくはコチラ→http://www.funaimedia.com/asakura/index.html

Profile:朝倉 慶(あさくら けい)

K朝倉慶経済アナリスト。 船井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を船井幸雄にレポートで送り続けてきた。 実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。 著書『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。2009年11月に船井幸雄との初の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)を発売。そして2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を発売。

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