中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2024.07.20(第116回)
第2回 全国オーガニック給食フォーラム
〜もっと広がれ オーガニック給食〜開催決定

 第1回のフォーラムは2022年10月東京開催で4000名以上の参加があり、有機の風が起こりましたが、第2回のフォーラムは、11月8-9日茨城県常陸大宮市で開催されます。常陸大宮市の特徴は、鈴木市長とJA常陸の秋山組合長がタッグを組んで、有機農業とオーガニック給食を推進していることです。JAが協力すると、これほどまでにスムーズに事が運ぶのかと驚くほどです。そこで、今回のフォーラムは、オーガニック給食を目指している自治体のできるだけ多くのJAにやる気になってもらいたい、という目標を持っています。メダカのがっこうは、第1回に引き続き、資料集を担当します。

 これまで日本の有機農業者の多くは、JAと距離をとっていることが多く、連携することは考えられませんでした。
 現在も、多くの有機農業者の方々が、全国各地で有機給食を担っており、その方々のおかげで広がってきました。しかし、多くの有機農家は小規模で売り先を既に持っており、時期によっては賄える量があったとしても、学校給食に届けられていません。
 現在、有機給食を実施している自治体数は193市町村まで増加してきました。有機米はどれほど必要でしょうか? 戦後、パン主食だった給食ですが、今ではほとんど米主食になりました。仮に全国の小中学生950万人の給食を、100%有機米にしようとすると、お米の必要量は15万8千トン、必要な田んぼの面積は4万4千ヘクタール、日本の水田面積の2%弱です。今、有機農業面積を25%に拡げようとしている日本にとって軽く実現可能な計算です。しかし、そのためには、慣行農業からの転換が必要であり、技術指導、調整、流通販売などの機能を持ったJAの役割が大きいと考えられます。

 第1回の全国オーガニック給食フォーラムでは、多くの自治体の首長の方々が有機給食に取り組んでいこうという決意表明をされました。国が推進する「みどりの食料システム戦略」のオーガニックビレッジ宣言に手を挙げた93自治体のうち、77自治体が有機給食に取り組むと意思表明をされています。
 ここから先は、JAが協力するかしないかで、大きく結果が変わってきます。
 常陸大宮市では、行政とJAが連携して有機給食に取り組んでいます。JAは地域農業の中核であり、営農指導、流通販売をはじめ、大きな役割を果たしており、JAと連携できれば、有機給食は大きな拡大が期待できます。

 一方、有機給食は、有機農産物の公共調達の出口として、有機農業の推進に重要な役目を果たすものです。給食は、地産地消を重視しており、すでに有機給食を始めている自治体では、有機認証が取れていない転換中の農作物や、栽培期間中農薬不使用などの農作物を受け入れることで、有機農業への移行を滑らかにしています。このことは今回のフォーラムでも話題の1つにします。
 長年、信念を持って有機農業をされてきた有機農家の方たちは、地域の土壌や風土を観察・研究してきた方たちで、その場に合った有機農業技術の指導ができる貴重な存在だと思います。
 また、子どもの食と健康に日々向き合っている親御さんたちが望む有機給食は、認証制度などの管理されたものではなく、子どもへの愛情や地元愛、危険かも知れないものは回避するという予防原則に沿った温かいものです。

 これからのJAは、これらの仲間をみんなまとめて面倒みる大きな存在となり、JAの組合長は、地域の真のリーダーとして、地元の農業と子どもたちの未来を守っていく守護神的な存在になるのではないでしょうか!


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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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