ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。

2014.08.01(第6回)
流動化する世界

 マレーシア航空17便が撃墜されてから、ロシアと欧米の対立が激しくなっています。
 世界は一層予測不可能な状況に突入し、あらゆる状況の流動化が加速しています。流動化の加速は、既存の秩序の弛緩し、既存の秩序のもとで抑圧されていたさまざまな内容を噴出させます。それらは、戦争のトラウマ、怨念、民族の悲願などあらゆる民族の集合無意識に抑圧されている内容物です。
 そうしたものの噴出こそ、世界の情勢をさらに流動化させる基本的な力です。

 私は数年前からこのような過程に入ったと感じ、「抑圧されたものの噴出」というキーワードで世界の流動化の方向性を予測してきました。今後、ますますこの噴出の過程は激しくなり、変化のスピードはどんどん速くなることでしょう。

▼意識は本当に進化するのか?
 さて、今月は世界情勢の具体的な予測ではなく、スピリチュアルな角度からいま起こっている変化を捉えて見ましょう。今回の記事の主な内容は、私のメルマガ「未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」から転載しました。
 ブログ「ヤスの備忘録」や私のメルマガでは、スウェーデン出身の生物学者、カール・ヨハン・コルマン博士によるマヤカレンダーの解釈のひとつであるコルマンインデックスを詳しく紹介してきました。
 コルマン博士は、古代マヤ人は人間の意識は進化すると信じており、その進化の予定表を現したものがマヤカレンダーであると解釈していた。この予定表を現代的な表現で現したものが、コルマンインデックスです。
 2011年10月28日にコルマンインデックスは終了したが、終了するまでの期間、まさにコルマンインデックスの予告に合致した多くの出来事が、指定された期間に起こりました。私とともに、はらはらしながらコルマンインデックスの進展を見ていた読者も多いのではないでしょうか?

●意識は進化するのか?
 コルマンインデックスでは、マヤカレンダーが終了した後は、右脳と左脳の分裂が統合されたバランスのよい意識状態が実現し、この状態に合致した社会変化が加速するとしていました。

 この思想は大変に興味深いものの、私は意識が本当に進化するようなことがあるのかどうか、疑念をもっていました。多くの読者もそうだったのではないでしょうか? むしろコルマンインデックスが現しているのは、まだ発見されていない歴史の法則性のようなもので、それをコルマンインデックスと表現したのではないかとも思えました。
 私がこのような疑念をもった理由は、意識の進化を証明する事実が、ほとんど提示されていなかったからです。たしかに、コルマンインデックスの予告に合致した出来事は実際に幾度となく起こりました。しかし、この合致が意識の進化によるものなのか、または社会的条件による変化が、たまたまコルマンインデックスと一致したのかはっきりと結論することはできませんでした。それというのも、意識が実際に進化することを示す事実の提示がほとんどなかったからです。
 ましてや、人間の意識が集合的に、それこそ一斉に進化するなどということがあり得るのかどうか、確信はもてませんでした。

●精神の分子、DMT
 それが最近になって、人間の意識が集合的に一斉に変化する可能性があることを示す事実を発見しました。
 その根拠となる事実を提示したのは、精神科医でニューメキシコ医科大学精神医学教授のリック・ストラスマン博士が著した「DMT:精神の分子」という本です。いま、アメリカとヨーロッパで話題になっています。

DMT: The Spirit Molecule
http://www.rickstrassman.com/index.php?option=com_content&view=article&id=54&Itemid=54

 この本は決して新しい本ではありません。初版が出版されたのは2001年です。でも、じわりじわりと版を重ね、特に2012年以降、改めて注目され、ヒットした本です。
 この本は、ストラスマン博士が行った「DMT」という脳内物資の人体実験に関する記録と報告です。
 ちなみに「DMT」とは、「ジメチルトリプタミン」という自然界に存在する幻覚剤のことです。熱帯地域や温帯地域の植物、ほ乳類、ある種のヒキガエルなどに存在し、自然界ではどこにでも存在する物質です。また、化学合成することも可能です。実は有名な幻覚剤、アヤワスカに含まれているのがこの物質なのです。
 さらに、人間の脳にも脳内物資として存在しており、また血球にも存在が確認されています。
 ストラスマン教授によれば、1995年までに合計60人以上の被験者に対し400回以上にわたって、DMTを静脈注射で投与したところ、ほとんどの被験者が神秘体験をしたというのです。なお、実験は米国食品医薬品局の許可を得て行われました。

●DMTの神秘体験
 その神秘体験はおおよそ次のようなものでした。
 まず、「DMT」が投与されるとすぐに、万華鏡を覗いたときに現れるようなサイケデリックな形象が、多数目の前に現れます。
 この形象に魅入っていると、急に浮遊感を経験し、体外離脱したような状態になります。すると、目の前にトンネルのようなものがあるのを発見します。そのなかに吸い込まれて行き、反対側の世界に出ます。
 反対側の世界に出ると、そこには見たこともないさまざまな生き物がいます。あるものは天使のように見え、またあるものは人間とまったく変わらない外見をもった存在です。なかには機械のようなものを操作している存在もいます。
 それらの存在とは話すことができます。彼らに「なにをやっているのか?」と聞くと、「ここは君達が体験しているあらゆる『現実』が作られる場所です。我々の存在に気づいてくれてうれしい」と言われます。
 この場所は「現実」を生成する場所なので、時間の感覚はまったくありません。被験者は、無限の未来と無限の過去が同時に生成されているのを感じるといいます。
 これが比較的に一般的な体験ですが、それ以外に被験者の半数近くが地球外生物に遭遇したと主張しています。また、死者や天使、また神のような存在が語りかけてきたと証言する被験者も多くいます。

●脳内物質
 これだけ聞くと、これはLSDのような幻覚剤のもたらす効果と同じなので、この実験は「DMT」という新しい幻覚剤の効果を確認する実験にしか過ぎないようにも感じられるかもしれません。日本で「DMT」は規制の対象となってはいないので、脱法ドラッグの一種とも考えられなくもありません。
 しかし、ここで重要なことは、これが合成された薬物ではなく、人間の脳の内部に自然に存在している脳内物質であるという点です。ストラスマン教授によると、「DMT」は神経伝達物質の一種として生産されているとしています。

●「DMT」を生産する松果体
 このような物質が脳の内部に神経伝達物質としてあらかじめ存在していることは、「DMT」が脳の内部でなんらかの積極的な役割を果たしているからなのではないかと考えられています。ストラスマン教授は、おそらく「DMT」の分泌は、宗教的な神秘体験や臨死体験と関連しているのではないかとしています。
 特に「DMT」が産出されている場所が「松果体」であることは非常に興味深い。
 周知のように「松果体」とは、脳の中心部にある内分泌器官です。松果体は、体内時計を調整する器官として知られていますが、それ以外にどのような機能があるのかよく分かっていません。「松果体」を、脳内における盲腸のような不要な器官ではないかとする研究者もいます。
 その一方、「松果体」には昔から精神的に重要な機能があると考えられていました。近代哲学の父であるデカルトは、この世界には物質と精神という根本的に異なる二つの実体があるとうる二元論を主張していましたが、その両者が松果体を通じて相互作用すると考えられていました。魂と身体が交流する場所です。

 また現代でも「松果体」は、ヨーガにおける6番目のチャクラ、または7番目のチャクラと結び付けられ、「松果体」を通してこれらのチャクラが開くと、テレパシーが使えるようになるとも考えられています。
 さらに「松果体」には、目には見えない精神の微細粒子を認識する機能があるとするスピリチュアリストも多くいます。
 彼らは、人間の感情、思考、思いなどの精神活動は、すべて微細粒子のエネルギー波であると考えています。これらには特定の周波数が存在します。現代科学はまだこの微細粒子を発見できていないため、人間の精神活動の物理的な側面は理解されていないと彼らは言います。最先端科学がやっとこれを計測しはじめたのというのが現状なのだということです。
 そして、この微細粒子を外部へと発信し、また精神的な微細粒子を受信する器官が松果体だというのです。
 この説は、スイスのUFOコンタクティーであるビリーマイヤーをはじめ、多くのスピリチュアリストによって支持されています。

●外的世界の情報をブロックする意識
 もちろん、このような説は科学的に実証されているわけではありません。でも、このような可能性が間接的に存在することを示す事実があります。それは意識の機能に関する事実です。
 人間の脳には、外的世界から膨大な情報が流れ込んでいます。意識にとってこれらの情報が、すべて意味のあるものであるとは限りません。むしろすべての情報が意識に到達してしまうと、意識の認識能力を越えてしまい、時間と空間があり、論理的に首尾一貫した3次元的な世界像を壊してしまう恐れがあります。
 そのため、このような状態から意識を保護する必要から、外的世界の多くの情報は、意識に到達しないように脳が勝手にブロックしています。ブロックされた情報は意識にとっては存在しません。そのため、ブロックされた情報が、外的世界の有り様をたとえ伝えていたとしても、その情報が伝える世界は、意識にとってはやはり認識できないので、存在しないことになります。

●カントの「物それ自体」
 この事実は、18世紀の偉大な哲学者であり、ドイツ観念論を創始したカントの「物それ自体」という考え方が、事実であることを示しています。
 カントは、意識が認識している世界は、実は客観的に存在するものをそのまま表現しているわけではなく、意識が作り出した主観的な世界に過ぎないことを立証しました。人間が認識している世界は、意識の構成物であるということです。
 では、意識が介入する以前の本来の世界、つまりは「物それ自体」を認識することは人間はできるのでしょうか? この問いに対してカントは、それは絶対に不可能だとしました。世界は意識が構成したものなので、意識が構成する以前の世界は意識が認識することはできないからです。
 この考え方は、外的世界からの情報の多くが意識に入らないようにブロックされているので、意識は本来の世界を認識できないとする現代の考え方とほぼ同じです。意識は「物それ自体」、つまり世界の本当の有り様を体験することは不可能なのです。

●ブロックを緩和させ本当の世界を出現させるDMT
 では、ストラスマン教授をはじめ、この実験を支持している科学者はどのように考えているのでしょうか?
 ストラスマン教授は、「DMT」がさまざまなスピリチュアルな能力の場所とされている「松果体」で産出されているという事実は、ある重要なことを示しているはずだと言います。「DMT」は脳に内在している外的世界の情報をブロックする機能を緩和させ、本来の世界の情報が意識に自由に流れ込むようにようにする物資ではないかというのです。
 この説にしたがうと、「DMT」の接種によって体験される神秘体験のほうが実際の世界の有り様を伝えており、むしろ私達が認識しているいまの世界のほうが、意識が構成したフィクションであるということになります。
 そして「DMT」が神経伝達物質として脳に内在しているということは、人間が本来の世界の有り様を体験するスイッチがすでに脳に備わっているということではないのだろうか?
 このようにストラスマン教授らは推論しました。

●太陽フレアと人間の影響
 もし人間の「松果体」が一斉に刺激され、「DTM」の分泌が多くの人間で同時に起こるようなことがあれば、人間の意識が集合的に変化してもおかしくなでしょう。もちろんこれを「進化」と呼べるかどうかは分からりません。ですが、人間の意識が一斉に変化するのだから、コルマン博士が言う「意識進化」に近い状態が出現することでしょう。果たしてそのようなことは可能なのでしょうか?
 ところで2010年頃から、「DTM」に注目した何人かの科学者が、実に興味深い仮説を提示しました。それらは、物理学者で地球磁場の研究で知られるディーター・ブローワー博士、生物学者のルパート・シェルドレイク博士、地球磁場と脳との関係を研究している脳神経学者のマイケル・パーシンジャー博士、素粒子物理学のマイケル・コーニッグ博士、天体物理学のイロブランド・ヴォン・ルドウィガー博士、エリザベス・ラウチャー博士、ジュリアナ・コンフォート博士、そして民族薬理学のデニス・マッケナ博士のような人々です。
 こうした科学者によると、「松果体」と太陽フレアによる地球磁場の変動は連動しているのではないかというのです。
 周知のように、太陽の黒点からはときおり巨大な太陽フレアが放出されます。これが起こると、「CME(コロナ質量放出)」と呼ばれる大きなプラズマの塊が放出されます。これには荷電粒子が大量に含まれています。

 これが地球を直撃すると、荷電粒子の影響で人工衛星や発電所、そしてIT機器などが停止することはよく知られています。
 さらに、荷電粒子は地球磁場に反応して大気の流れを変化させるので、異常気象の原因にもなると考えられています。また、なんらかの因果関係で地震が誘発されると考える研究者も多くいます。
 他方、それぞれの人間にも頭部から発する小さな地場のシールドが存在することは分かっています。CMEとともにやってくる荷電粒子は、人間の地場にも影響すると見られています。CMEが直撃した時期には、ウツ病の患者数、自殺者、事故が激増していることから、荷電粒子は人間の精神活動にも大きな影響を与えていると見られています。

●太陽フレアと「松果体」「DTM」
 そしてこれらの科学者が注目するのは、荷電粒子の大きさが一定の規模を上回ると、「松果体」が影響され、その結果として「DTM」が一斉に放出されることが、可能性としては十分にあるというのです。
 もしこのようなことが本当に起こったのなら、それこそコルマン博士が「意識進化」と呼ぶような、人間の意識が集合的に変化することも起こっても不自然ではありません。「DTM」の作用で人間の五感が根本的に変化し、これまで存在を確認できなかった世界が、いきなり目の前に姿を現わすのです。

●映画「ソーラー・レボリューション」
 このような説を提唱する科学者が数多く出演し、この説を分かりやすく解説したドキュメンタリー、「ソーラー・レボリューション」が公開され、いま密かなブームになっています。製作したのは、地球磁場の研究で著名なディーター・ブローワー博士本人です。また「DTM」の実験を行い、「DMT:精神の分子」の著者、リック・ストラスマン教授も出演しています。

Solar Revolution
http://www.solar-revolution-movie.com/

 ところで「ソーラー・レボリューション」では、巨大な太陽フレアが地球を直撃し、これによる「DTM」の分泌で意識の集合的な変化が起こるおおよその時期を、太陽が新たに活性化する宇宙的なサイクルの解明に基づいて予告したカレンダーこそ、実はマヤカレンダーではないかというのです。
 このドキュメンタリーでは、コルマンインデックスにはまったく触れられていません。おそらく映画の製作者は、コルマンインデックスの存在すら知らない可能性があります。それなのに、ほぼ共通した結論に到達したというのは実に興味深いことです。

●増えつづける神秘体験の報告
 ただ、このようなことが将来起こるにしても、それがいつであるかは特定できないとしています。マヤカレンダーの終了した2012年12月21日はひとつのサイクルの区切りとなる目安でしかなく、具体的な出来事が起こる日時の指定ではないとしています。
 この時期を過ぎると新しいサイクルに入るので、いつ起こってもおかしくないともしています。
 ところで、具体的な統計などがあるわけではないので、はっきりしたことは言えませんが、全米で3000万人の聴視者をもつラジオ番組、「コースト・ツー・コーストAM」を聞くと、とても多くの聴視者から神秘体験が寄せられ、それは毎年増えているのを感じます。

●映画、「覚醒する(Wake Up)」
 数年前から注目されているアメリカのドキュメンタリー映画、「覚醒する(Wake Up)」も、そうした神秘体験の増加を示すものです。
 ところでもし、「DTM」の存在と機能を提唱する科学者の説が事実だとするなら、電磁波や電波、それに紫外線などにいつも囲まれながらも、それらが目に見えないのでそれらの存在が分からないのと同じように、人間はあらゆる精神活動から発せられる微細粒子の海のなかで生きていると言えるでしょう。
 もしかしたら、それらのなかには、死者の霊や私達が知らない見えざる存在の発する微細粒子も含まれているのかもしれません。人間はそれらの実在を感じ取ることができないので、存在しないものと思って生活しているだけなのです。
 すると「DTM」が多量に分泌されると、こうした世界を実際に経験できるようになる可能性を示しているのかもしれません。
 この見えざる世界が突然と見えるようになった体験を現わしたのがドキュメンタリー、「覚醒する(Wake Up)」です。私の講演会で何度か紹介したので、見た方もいるかもしれません。
 これは、ニューヨークのブルックリンに住んでいるジョナス・エルロッドの体験をそのまま取材したドキュメンタリーです。ジョナスは37歳の映画プロデューサーで、特に変わったことのない人物です。生活もいたってまともで、宗教やスピリチュアルなことにはほとんど興味がありませんでした。

 そんなジョナスでしたが、ある朝起きると、いままで見たこともないさまざまな生き物が自分の目の前に現れたのです。先祖の霊や天使のような存在もいれば、明らかに邪悪な悪霊のような存在もいました。そうした存在は、家の中や街頭などいたるところにおり、ジョナスが彼らと話そうと思えばいつでも直接会話できる存在でした。それらは、現実の人間と見まがうほどリアルで、ときとしてどちらが現実なのか分からなくなるほどです。
 しかしジョナスにとってこの体験は、驚きではあっても、悩みの種でした。だれにも理解できないと勝手に決め込み、自分は頭がおかしくなったのではないかと思い、悩む日々が続いていました。
 そんなとき、ジョナスは自分の仕事の同僚であり、親友でもある映画監督のスティーブ・ハッテンスキーに悩みを打ち明け、相談することにしました。するとスティーブは、これに関心を持ち、ドキュメンタリーの題材にしたらどうかと提案したのです。

●淡々と事実だけを語る
 このドキュメンタリーは、見えない世界があることを主張したり、また多くの人に覚醒を促す目的で撮られたドキュメンタリーではありません。ジョナスの悩みを赤裸々に描き、ジョナスがこれを解決し、自分が体験していることが実際には何であるのか、その意味を探る道程の記録です。
 まずジョナスは、自分が統合失調症など妄想や幻聴を伴う精神的な病に罹っていないかどうか、複数の精神科医のもとを訪れ、診断をしてもらいました。脳を精密に検査するため、何度かMRIの検査も受けました。
 しかし、どの検査でも脳にはまったく問題はなく、また精神科医の診断でもジョナスはまったく正常でした。
 それでも納得しないジョナスは、今度は心理学者や脳科学者のもとを訪れ、説明を求めました。しかし、医師と同じく、科学者も納得できる合理的な説明はできませんでした。科学者も頭を抱えるばかりでした。
 一方ジョナスも変化してきました。最初はそうした「神霊の世界」の存在を妄想と決めつけ、払いのけようとしていましたが、次第に落ち着き、「神霊の世界」を自分の日常の一部として取り入れることにしました。
 ドキュメンタリーは「神霊の世界」を受け入れ、まだ戸惑いながらも、日常を淡々と生きて行くジョナスと彼の恋人の姿を描いて終わっています。

●ブレイクする
 数年前、「覚醒する(Wake Up)」は「コースト・ツー・コーストAM」で紹介されました。番組では、ジョナスと監督のスティーブが出演し、映画について詳しく語りました。
 「コースト・ツー・コーストAM」では、ゲストのインタビューの後、ゲストが聴視者の電話に答えるコーナーが2時間ほどあります。
 すると驚いたことに、自分も同じ体験をしているという聴視者からの電話が殺到しました。それぞれが自分の体験を語りましたが、内容は共通しており、それはまさに、「DTM」の分泌がもたらす世界から期待される体験そのものでした。

 これは、これまで能力に恵まれたほんの少数の人のものでしかなかった体験が、突然と多くの人々にも手が届く体験領域となって出現したかのような状況です。
 司会者のジョージ・ノーレイも、このような体験の報告は近年急増しているといいます。もちろん、こうした体験の頻度の統計的な調査などというものは存在しません。だから、こうした報告が「新しい体験領域」の出現であると言えるのかどうかは分かりません。
 しかしもし、こうした体験が本当に増えているとしたのなら、「松果体」の変化による「DMT」の分泌によって、新しい「体験領域」の出現が本当に起こっているのかもしれません。

 読者のみなさんはどうでしょうか? なにか感じますか?

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Profile:高島 康司(たかしま やすし)
高島 康司(たかしま やすし)

社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
★ヤスの備忘録: http://ytaka2011.blog105.fc2.com/
★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/

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