ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。

2020.05.01(第75回)
日本では未報道の新型コロナウイルス関連の情報

 5月になった。社会的接触を8割まで削減し、新型コロナウイルスの蔓延を押さえ込むことを目標に発令された緊急事態宣言の期限は5月6日だ。だが、おそらく解除される可能性は低い。宣言は延長され、下手をすると5月一杯までこの状態が続く可能性がある。
 そのようななか、新型コロナウイルスの研究は急ピッチで進展しており、新しい膨大な数の研究論文が発表されている。パンデミックが続いているさなかで、特効薬やワクチンの開発が望まれている現状なので、多くの論文は「未査読」の状態で出されている。普通、正式な研究論文が発表されるとき、それは「査読」といって同一分野の研究者の審査を受ける。その審査と批判に耐えられないものは発表されない。
 しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが続き、その抑制策が急がれてる状況では、時間のかかる「査読」をしている余裕がない。そのため、「未査読」の論文を掲載できるオンラインのサイトには、最新の研究論文が多数掲載されている。それらは「未査読」なので、日本の主要メディアで報じられることはまずない。
 一方、いま我々は感染しないかどうか不安のなかに生きている。新型コロナウイルスは未知のウイルスで、分からないことも多いからだ。そこで今回は、こうした「未査読」のものも含め、我々も知っておいたほうがよいだろうと思われる情報を紹介する。

●症状が消えた後もウイルスは残る
 いま世界でも日本でも、新型コロナウイルスの感染者のうち8割が軽症で済み、カゼ程度の症状しか経験しないと言われている。そうした人々は50歳以下の比較的若い人だとされ、時間とともに症状も消え、完治すると見られている。
 しかし、リーキシン・ジー博士とロケッシュ・シャーマ博士が「呼吸器と救急救命のアメリカン・ジャーナル」という医学雑誌に発表した論文によると、1月28日から2月9日までの期間に軽度の症状で「北京総合病院」に入院し、その後、完治して退院した16人の感染者を退院後、数日経ってから再検査したところ、そのうちの半数は依然として新型コロナウイルス(Covid-19)に感染していた。16人の軽症の感染者の平均年齢は、35.5歳だった。そして、軽度の咳、熱、咽頭の痛み、呼吸困難などの症状か消えてからも、1日から8日間、新型コロナウイルスは体内に残留していた。

 この結果から分かることは、カゼ程度の軽度な症状で自宅で療養し、その後、症状が消滅して完治した人々でも、ウイルスはまだ体内に残っている可能性があるので、動きまわって濃厚接触すると、ウイルスを撒き散らす結果になるということだ。論文の執筆者は、症状が消えた後も少なくとも2週間は自己隔離すべきだとしている。
 日本でも新型コロナウイルスに感染しながらも、症状が軽度なので、自宅で療養している人も多いはずだ。現在の感染速度であれば、こうした人が今後もどんどん増加する見通しだ。そして多くの場合、重症化することなく症状は消えてしまう。しかし、まだウイルスが体内に残っている可能性があるので、症状の消滅後、すぐに活動すると、新たな感染源になってしまう可能性がある。このように、これから日本でも新型コロナウイルスの回復者が新たな感染源になるというケースも増えるのかもしれない。ぜひ注意してほしい。

●重症化のもうひとつの症状、胃腸障害
 次は、新型コロナウイルス感染で重症化の兆候となる可能性のある激しい胃腸障害の症状についてだ。

 新型コロナウイルス感染で重症化した場合の一般的な症状は、重度の肺炎である。喉から肺の奥まで炎症が発生し、呼吸不全から死に至るケースだ。これは新型コロナウイルスが細胞に侵入するときに利用される「ACE2」というレセプターが肺胞細胞に集中的に発現しており、そこでウイルスが増殖することによる。いまは心臓や腎臓に発現している「ACE2」レセプターから体内に侵入して、心疾患や腎臓疾患をいきなり引き起こすケースも確認されている。それが、新型コロナウイルスの新種であるとする議論もある。

 今回、「南京医科大学」の研究チームが3つの病院で入院している1314人の感染者を調査したところ、86人の重症患者の86%に重度の胃腸障害があった。ストレスやショック、そして炎症などさまざまな原因で胃腸障害は発生するので、新型コロナウイルスの感染とは一概に結び付けることはできない。しかし、胃腸にも「ACE2」レセプターが発現していることから、そこから胃腸に入った新型コロナウイルスが障害を引き起こした可能性もある。
 また、激しい胃腸障害を持つ患者では敗血症を発症し、これが引き金となり死亡するケースも見られた。
 このように見ると、激しい胃腸障害が、新型コロナウイルスの感染で、患者が重症化するかどうかの予兆にもなり得る可能性がある。この「未査読」の論文の執筆者は、激しい胃腸障害の症状を見逃さないようにすべきだとしている。

●8つの異なる新型コロナウイルスの株
 このように、新型コロナウイルス蔓延が拡大するなか、急速に進む研究によって「Covid-19」の多様な特徴が解明されつつある。そうした研究でももっとも注目されているのは、新型コロナウイルスの変異に関する研究だ。しかし、さまざまな記事を読むと、なにを基準にして変異型を特定するのか、そしてどのくらいの変異型のタイプがあるのか統一した見解はまだないようだ。
 一方、3月初旬には武漢発祥の新型コロナウイルスには、もともと「L型」と「S型」という2つのタイプがあることが、日本でも報道された。これは、遺伝子配列に基づく分類である。
 中国の英字科学誌「国家科学評論」によると、ウイルスのサンプル103例の遺伝子配列を調べ、うち101例を「L型」か「S型」に分類した。約70%がL型だった。「L型」の方が感染力が強いとみられ、湖北省武漢で爆発的流行が起きた時期に多く確認され、1月初旬以降は減少した。
「S型」はコウモリから検出されたコロナウイルスに遺伝子的に近く、古い型とみられる。一つの型にだけ感染する症例が大半だったが、武漢への旅行歴のある米国の患者1人は、両方の型に感染した可能性があった。

 このように、さまざまな研究から新型コロナウイルスには明らかに変異型が見られるものの、どのくらいの種類の変異型が存在するのか分かりにくい状態が続いていた。そうしたとき、3月27日に米主要紙のひとつである「USAツデー(USA Today)」に興味深い記事が掲載された。それは「8つの株が世界を循環している、科学者に与えたヒントがこれだ」という題名の記事だ。これは、これまでさまざまな研究者が行っていた新型コロナウイルス(Covid-19)の遺伝子解析をすべて総合した結果、新型コロナウイルスの進化と変異のタイプが判明したという。
 DNAの二重螺旋やRNAは特定の塩基を組み合わせた塩基対でできているが、新型コロナウイルスの塩基対は数が少なく3万しかない。人間では30億近くある。塩基対が少ないため、塩基対で起こる変化は容易に追跡でき、新型コロナウイルスの株の系統樹が作成できるという。これで、どの株が親であり、どれが子や孫であるのかが一目で分かる。これは、世界のあらゆる地域の研究者が6つの大陸にわたる36の国の感染者から採取した新型コロナウイルスの塩基対の分析に基づいて作成された。すると、新型コロナウイルスには異なった8つの変異型があることが分かった。

 研究者は協力して「ネクストストレイン(NextStrain)」というサイトを立ち上げた。ここは新型コロナウイルスのみならず、「SARS」など最近蔓延した代表的なウイルスの変異型も表示している。メニューで「Covid-19」を選ぶと、いま発見されている株の系統樹を見ることができる。下がそのアドレスだ。ぜひ見てほしい。「Play」のボタンを押すと、ウイルスの拡大と進化の状況がアニメーションで見ることができる。

https://nextstrain.org/ncov?animate=2019-12-05,2020-03-29,0,0,30000

●なにが分かったのか?
 この記事によると、この8種類のタイプが新型コロナウイルスのすべての変異を示しているわけではないとしている。研究者らによれば、おそらく調査しきれていない膨大な種類の新たな株があるだろうから、今回明らかになった8種類の変異は、氷山の一角かもしれないという。それでも今回の包括的な調査で明らかになったことは多い。以下である。

1)新型コロナウイルスは比較的、進化が遅い
 インフルエンザウイルスなどと比べると、新型コロナウイルスは比較的、進化の速度が遅い。おそらくその理由は、新型コロナウイルスの感染力は強く、容易に人に感染できてしまう。またこれを撃退できるワクチンや特効薬もない。そうした状況では、進化を促す圧力は弱いので、進化のスピードも遅くなる。

2)変種の間の毒性はほとんど変わらない
 それぞれの新型コロナウイルスの変異型の間の変化はさほど大きくない。比較的、小さな変化しかない。そのため、それぞれの変異した種類の間で毒性が大きく異なるとは考えにくい。
 他方、アジア、ヨーロッパ、北米などの国々で致死率に大きな違いが見られ、新型コロナウイルスの毒性が地域によって大きく異なっているように見える。だがこれは、PCR検査の件数が地域によって異なっているため、感染者数に違いがあるためだ。検査件数が少なく、実際の感染者数が多い国では致死率は高く現れ、検査件数の多い国では致死率は低目に出る。ウイルスの変異型間の毒性の違いが原因ではない。

3)新型コロナウイルスは研究所由来ではない
 今回の新型コロナウイルスが研究所で人工的に作られたものであるとする意見が多いが、それを示す証拠はほとんどない。今回明らかになった系統樹を見ると、すべての新型コロナウイルスの親となる株は、武漢のコウモリ由来のものだった。
 もし新型コロナウイルスが研究所で人工的に作られた兵器のようなものであれば、最初の感染はコウモリのような動物ではなく、人間から始まっていてしかるべきだ。

4)東アジアのウイルスと北米、ヨーロッパのそれとは異なったタイプ
 この系統樹のマップを見ると、中国、韓国、日本などの東アジアで蔓延しているウイルスは、武漢で発生した型であるのに対し、ヨーロッパと北米はそれぞれ異なった変種である。

 以上である。
 これが、いままでさまざまな見方が出ていた新型コロナウイルスの変異型に関するもっとも包括的な研究である。もちろんこれがすべてではなく、毒性の強い新しい変異型が発見される可能性もある。また、このウイルスが人工的に作成されたことを示す別な証拠が出てくるかもしれない。少なくともその可能性は否定できない。
 しかしながら現時点では、この「ネクストストレイン(NextStrain)」が最新の結果だ。

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Profile:高島 康司(たかしま やすし)
高島 康司(たかしま やすし)

社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
★ヤスの備忘録: http://ytaka2011.blog105.fc2.com/
★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/

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