
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

いま世界で一番安全な国、恵まれた国、そしてお人よしの国民は日本人だといわれます。
しかし江戸時代の日本は、さらにすばらしかったようです。『地球村通信』の今年1月号に、つぎのような記事がありました。
● 時間をたっぷりかけた江戸時代の旅
江戸時代に、泉光院という僧が6年かけて日本中(北海道などを除く)を1万1千キロ以上にわたって旅した日記が残っています。追いはぎ、泥棒などに会ったことが一度もなく、夕刻になると必ず誰かに「泊まっていきなさい」と勧められ、野宿をすることもなく旅を続けたそうです。
江戸時代は身分制度や年貢が厳しく生活に困窮していたように思いがちですが、お伊勢参りや熊野詣に女性も気軽に出かけ、みんなが自由で活き活きと生活していた様子が日記に書かれています。江戸時代までさかのぼらなくても、ほんの50年前、100年前の旅は、道中で出会う人、道中で過ごす時間を十分に楽しんでいたように思います(抜粋ここまで)。
私は、この記事に反論するのではありませんが、50年前の日本では、少しこのような旅はムリだったと思います。戦争のために日本人もおかしくなりはじめました。
しかし1930年ごろまで、いわゆる80年前までは、まちがいなく、すばらしい日本人だったようです。
ところで、第2次大戦中のアメリカ人について、おもしろい文章を読みました。当時ボストンにいた経済学者の都留重人さんが学士会の井口洋夫常務の質問に答えた記事なのです。(学士会刊『先学訪問』より)
都留:そのような中、いよいよ戦争になって、日本は自殺行為だと私は言ったのですけれど、実際になってしまった。我々の場合は、特別にいろんな掣肘(せいちゅう=わきから干渉して、自由な行動を妨げること)はありませんでした。ただ、短波の受信機を預ける。それから何マイル以上遠くに行くときには、あらかじめ書類を出していくという制限がありましたが、それ以外は普通の生活でした。私は忙しくしていて、家内も家内でやはりNew England Conservatory of Musicに出たり、オーケストラとピアノを弾いたりしていました。
そんなある日、我々がいたアパートの管理人がやってきて、「近頃はあなたの奥さんがあまりピアノを弾かないが、どういうことか。だれか弾いてはいけないと言ったのだったら、私に言ってくれ。私を通してでなければそういうことを言う資格はない。日本人だからといって悪い人ではないのだから、いつでも言ってくれ」と非常に親切にしてくれました。
それから、写真機と短波を警察に持っていくと、「over thereで事が収まったら返すから、しばらく我慢して待っていてくれ」と慰めてくれるほどでした。over thereという言い方は日米が戦争をしているというより、どこかほかの第三国でやっているような言い方でした。それから銀行へ出向き、いよいよ帰るので預けたものを全部現金で下ろしてきた。フロントの男性が「いよいよ帰るのか、アメリカのピープルから日本のピープルによろしく言ってくれ」と挨拶をして握手を求めてきた。
また「日本人であるためにエンバラスするようなことはないか」と尋ねてくれる人も多かった。そういうアメリカの民間レベルでの交流は非常に気持ちよかったですね。
井口:帰国の際、交換船で向こうのスウェーデン船「グリップスホルム」に乗られたわけですね。それで一番下層の狭い部屋で帰ってこられたのですけれど、その航海の途中は、交換船のため比較的安全だったのですか。危険はなかったのですか。
都留:いろいろな警戒はしていましたが、危険はなかったですね。外交官関係の人は皆、上のほうにいて、食事まで違っていました。。
井口:戦後60年、最後の証言という新聞記事が日経新聞に載っています。交換船の話ですね。ぜひとも都留先生に書いてもらいたいものです。
都留:私の家内が書いたほうが良いですよ(抜粋ここまで)。
私は、敵国人に対する当時の日本の状況をよく知っています。
アメリカ人の日本人に対する態度もかなりひどいものだったと聞いていましたが、アメリカ人のエリートたちは都留さんの発言のような人たちで、好意的な態度だったようです。
これらを知ると、びっくりするとともに、人としてのわれわれの本当のあり方が分るように思います。
=以上=

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ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

