“超プロ”K氏の金融講座

このページは、舩井幸雄が当サイトの『舩井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介していた経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。

2026.06
スーパーエルニーニョ迫る 新たな物価高へ

 世界経済に新たな試練が近づいています。米海洋大気局(NOAA)は6月11日、「スーパーエルニーニョ」が発生する確率は63%と発表しました。観測体制が整った1990年以降では最大規模になる可能性があるというのです。
 一方、日本では各地で地震が相次ぎ、「何かおかしい」と感じる人も増えています。もちろん地震とエルニーニョに科学的な因果関係が確認されているわけではありません。しかし世界全体を見渡すと、気候変動が急激に進んでいることだけは疑いようがありません。既にヨーロッパでは異変が始まっています。フランスでは45度近い猛烈な熱波が襲い、スペインでも記録的な高温となりました。ドイツや英国でも熱波が報告され、各国で死者が出ています。問題は暑さそのものではありません。食料です。オーストラリアでは小麦生産が平年より約2割減少するとの見通しです。世界有数の輸出国だけに影響は小さくありません。コメについても安心できません。インドは輸出停止措置を続けています。日本は食料の約6割を海外に依存している国です。しかも円安です。同じ食料を輸入するにも、以前よりはるかに高い円を支払わなければなりません。
 国連も世界的な飢餓人口の増加に警鐘を鳴らしています。これらの出来事を別々のニュースとして見てはいけません。すべて一本の線でつながっています。

●すべて一本の線でつながっている
 異常気象が農作物を減らし、供給不足が価格を押し上げる。そこへ円安が重なり、日本国内ではさらに物価が上昇する。企業は値上げを余儀なくされ、賃上げ要求はさらに強くなる。この循環が始まれば、一度動き出したインフレは簡単には止まりません。朝倉は以前から「これからのインフレは需要ではなく供給が主役になる」と話してきました。半導体不足、電力不足、人手不足、建設資材不足、物流の制約――。そこへ今度は世界的な食料不足まで加わろうとしているのです。
 日本では「一時的な物価高」という説明が今なお繰り返されています。しかし世界を見れば、一時的という言葉では説明できない現象が次々と起きています。
 気候変動は金融政策では止められません。干ばつに利下げは効きません。猛暑を補助金で止めることもできません。だからこそ朝倉は、この物価上昇はこれまで経験してきた景気循環型のインフレとは性格が全く違うと考えています。市場は少しずつ、その現実を織り込み始めています。食料、資源、エネルギー、そしてAIを支える半導体まで、供給力を持つ企業の価値はますます高まるでしょう。一方で、現金だけを持ち続ける人は、その購買力が静かに削られていく時代になりつつあります。
 スーパーエルニーニョは、単なる気象ニュースではありません。世界経済を揺るがす新たなインフレ要因であり、これからの投資環境を大きく左右する出来事なのです。われわれは今、「天候までがインフレを加速させる時代」の入り口に立っているのかもしれません。

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バックナンバー
26/06

スーパーエルニーニョ迫る 新たな物価高へ

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暴走する日銀相場『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売。その後 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が同年5月30日に発売。さらに2009年11月には、船井幸雄と朝倉氏の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)が発売され、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を、2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』 (徳間書店)を発売、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』を発売、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
★(株)ASK1: http://www.ask1-jp.com/

Profile:朝倉 慶(あさくら けい)

K朝倉慶経済アナリスト。 株式会社アセットマネジメントあさくら 代表取締役。 舩井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を舩井幸雄にレポートで送り続けてきた。 実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。 著書『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。2009年11月に舩井幸雄との初の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を発売。2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』(徳間書店)を、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

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