中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。
理事Mさん紹介
メダカのがっこうの理事Mさんは、山梨県白州町に五風十雨農場という自給自足の里を拓いています。五風十雨とは観音経に出てくる理想郷で、5日に1回風が吹き、10日に1回雨が降るという穏やかな郷、これは地球全体の気候が穏やかでないと実現しない世界です。
ここに「鼓腹亭」という小屋が建っているのですが、この小屋ひとつにも彼のポリシーが詰まっています。原料の木材は、3km以内の杉の木を11月の新月の日に谷側に切り倒し、枝葉を付けたまま乾燥させた丸太です。彼はこれを実行するために、新月の木国際協会で勉強し、現認者の資格を取りました。現認者というのは、釣りの世界の証明人のことですが、これを応用し、この木材は確かに何月何日の新月伐採で正しく処理された木材であることを証明することができる人のことです。
彼はこれらの丸太を使い、チェーンソウだけで小屋を建てました。小屋と言っても大黒柱になる木は2人で手を伸ばしてやっとという太さで、その木に合わせて高さと大きさが決まった小屋なので、ロフトだけで20人は寝られます。
ここは水もエネルギーも自給できる郷です。水は貯蔵タンクにためた山の水と井戸水。台所はかまど、部屋は薪ストーブ、薪は近くの山を掃除して得た木材、巨大な薪置場と炭焼き小屋が同じ敷地にあります。鼓腹亭に泊まると、ヌカクドという籾殻(もみがら)を炭にするときに出るガスだけでご飯を炊く道具があり、籾殻の量を加減すれば自動炊飯器のように簡単に美味しいご飯を炊くことができます。ヌカクドの残る籾殻燻炭(くんたん)は、苗床の土にするなど、米づくりには欠かせないものです。いつも鼓腹亭に泊まる時は、畑の野菜と手造り味噌で具だくさんの味噌汁を作って贅沢な一汁一菜の食事を頂きます。
小屋の西側の山には3枚の大きな田んぼがあり、地元の品種「さとじまん」というお米を作っています。近くの畑では大豆を造り、この大豆で大量の味噌を仕込みます。また、メダカのがっこうの醤油造りの拠点として、醤油麹仕込みと、1年後の醤油搾りの会場になっています。この農場では遺伝子組み換えの作物は作りません。田んぼの生きもの調査や植生調査、大地の呼吸を取り戻すための大地の再生講座もやっています。
Mさんが塗料会社の経営者だった時代、地球のためには経済活動が小さくなることが必要だと、目標をマイナス成長に置いて話題になりました。日本の中小企業で初めてISOの資格を取りました。天水利用、アイドリングストップ、配達コースの見直し、裏紙使用、使用する机の上の電気だけ点ける紐スイッチ、マイナス売上を目標にしても、経費節減で利益が上がります。社員をオイスカの植林に送り込んだりしていました。地球村の高木善之さんが最も尊敬する経営者だと評しました。息子さんに後継を譲ってからは、本格的に五風十雨農場で次世代のために美しい地球を残す活動を始めました。
ところが、ここで彼は重いうつ病に罹ります。人はなぜうつ病になるのでしょうか?
世界で一番うつ病に罹りそうもない人だと思っていたので、私には関係ない病気だと思ってはいられないのだと少し不安になりました。自殺願望が強く危険なので入院しました。
メダカのがっこうの理事も辞めたいと言っていましたが、「いつ辞めてもいいけど今はお休みしていて」と言って待ちました。本当に何もできませんでしたが、なぜか少しずつ元気になり、ある日全快しました。
回復してからの彼は以前にも増してフル回転を始めました。2014年から「ありがとう笑い共和国」を建国し、酋長に就任しました。笑ヨガも始めました。鼓腹亭の上の方には、チベット仏教に倣ったマニ車を造り、水車で回しています。お経の代わりにみんなに書いてもらった「ありがとう」の紙を入れて回しています。マニ車は1回転で100倍のご利益があるといわれており、1日1万回まわるので、1つの「ありがとう」が1日100万回天に届くことになります。彼は五風十雨農場を「ありがとう」の発信基地にしました。
福島の子どもたちの保養キャンプも年数回行っています。昨年の夏休みは、郡山と須賀川からの7家族を受け入れました。
毎週金曜日18時から、「甲府でもやるじゃん」という原発反対のデモをやっています。2月末で130回目以上。原発を止めさせてから死ぬ予定だとか。
ごくごく最近また活動が増えました。メダカのがっこうのもう一人の理事がご夫婦で始めたダーチャ構想に参加したのです。
ダーチャとは、旧ソ連で始まった週末別荘。国が国民に郊外の農地を与え、小屋を建てて何でも手造りの生活を楽しんだり、作物を育てたりする制度です。旧ソ連では、国民の80%近くがダーチャを持っていて、金曜日にはダーチャ渋滞が起こったそうです。ソ連が崩壊し、経済が破たんした時に、国民がパニックにならなかったのは、ジャガイモの90%をダーチャで生産していたおかげだそうです。すべての国民が土と繋がることは、今の日本に必要だと彼は思ったのでしょう。「次世代のためには何でもやるじゃん」の本当に盛りだくさんの人生です。
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過去年 | |
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/