中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2016.06.20(第21回)
炭の力を体験しました。

●炭と放射能
 日本は、広島と長崎で原爆の体験をしています。しかし、ほとんどの日本人は、原爆を落としたアメリカを恨むことなく、立ち直り、平和で豊かな国を復興しました。誇りに思います。
 この復活の裏に、日本の食文化のすばらしさがあると思います。玄米とみそ汁で原爆症にならなかった日本人、原爆投下時に爆心地にいたのに、床下に貯蔵してあった梅干しばかり食べていたら原爆症にならなかったという人にも会ったことがあります。それと、焼けつくされた木造家屋の木材が炭化して炭となり、それが放射能を吸着して土地の浄化を速めたという説もあります。コンクリートの建物が多くなってしまった現代では、焼けても期待できない効果です。
 特別なものではなく、いつも食べていたものが窮地を救ってくれたなんて、ずっと住んでいた家の木材が焼けても役に立ってくれたなんて、考えてみると、日本の食住文化って、なんてすばらしかったのでしょう。
 チェルノブイリ原発事故以来、日本の味噌、炭などが、放射能の研究をしているロシアの科学者の研究対象になっているようです。ロシアで被爆した家畜に炭を食べさせたところ、その糞から高濃度の放射能が検出されたことから、体内の放射能排出に炭が役立つのではないかとの研究が進んでいるようで、日本に良い炭を探しに来たそうです。
 メダカのがっこうでも、3.11以来、否応なく放射能汚染にさらされている東日本の人たちに、放射能に負けない食事を提供していますが、その中でも、竹炭や黒焼き玄米茶や梅干しの黒焼きの微粉末をたっぷり入れた「デットクス黒焼きカレー」というメニューを開発しました。大量の炭を美味しく体内に取り込めるメニューで、排毒に効果大です。

●炭とイヤシロチ
 炭といえば、メダカのがっこう事務局と田んぼカフェがある我が家は、23年前、家を建てる前に、この土地をイヤシロチにするために、楢崎皐月氏の静電三法の炭素埋設をしました。家の設計図に従い、正三角形の3つの位置に直径1メートル深さ1メートルの穴を掘り、それぞれの穴に1トンずつの粉末炭を埋めたのです。これは、原因不明の病気になってしまった母と同居するために、住んでいるだけで元気になる家が建てたいと相談に行った舩井幸雄先生が、ご紹介してくださいました。おかげ様と感謝しています。先生は、炭素埋設のほかにも、足立育朗さんをご紹介くださり、この土地と調和するための2つのオブジェを設計していただいたり、正常な陽子電子中性子の図を108枚壁に埋め込んだりしました。

●炭と土壌改良
 炭は大地の再生にも使います。我が家は、吉祥寺の住宅地の中、アスファルトの道路とコンクリートの下水道やブロック塀に囲まれ、地下は空気も水も動けない状況になっていましたが、大地の呼吸を取り戻すべく、血管のように溝を掘り、コルゲート管を敷き、枝や葉などの有機物を入れ、その上にたくさんの炭を撒きました。おかげさまで庭の木々も田んぼも息を吹き返し、稲もよく育っています。

●竹炭と結界
 さて、最近ちょっと変わった炭の力を体験しました。竹炭のパイオニアである新野めぐみさんから結界にする竹炭が送られてきたので、すぐさま母のベッドの四隅に置いたところ、それまで自分では着替えも食事も何もしなくなっていたのに、朝見ると、自分でパジャマを脱いで待っていて、洋服に着替えたいと言い、食事も自分で口に運ぶようになり、姿勢もシャンとして、話すこともしっかりして、テレビにも反応するようになったのです。

 前から炭のことをもっと研究したいと思っていたので、さっそく山口県宇部市に住む新野恵さんに会いに行きました。新野さんは82歳のおじいさまでしたが、話を交わすすべての女性にご自分が胸にかけている竹炭のペンダントと見せて、「きれいじゃろう」と話しかけ相手が同意するとすかさず「あんたにはかなわんけどな」と女性を喜ばせるサービス精神旺盛の方でした。空港に出迎えてくださり、車に乗ると生えている竹を切ってその切り口から湧き出る水を集めた竹水が入ったペットボトルをくださいましたが、その甘さに驚きました。ポカリスエットにも似ていると感じたのですが、竹水100%とのこと。これを飲んだある女性は「自我が溶けていく」と表現したそうです。私にはわかりませんでしたが、竹水や竹炭はその人を本来の自分(真我)に戻す働きをするそうです。

 竹炭と結界の話に戻りますが、深刻な獣害で悩む田畑の四隅に、竹炭と塩と竹酢を埋め込むと、結界ができてイノシシやシカ入らなくなると聞き、さっそく毎年被害にあう田んぼにやってみようと竹炭を注文しました。

 大分の赤峰勝人さんも新野さんと同じ炭焼き釜を使って竹炭を焼いていると聞いたので、さっそく赤峰さんに結界の話を聞いてみると、確かに100メートル×200メートルの畑の四隅に竹炭と竹酢と塩を埋め込んだら、イノシシやシカやカラスまで入らなくなったそうです。2町歩もの広い畑にも有効なのに驚きました。
 これから先は自分でやってみて、竹炭の力を研究しようと思います。

【お知らせ】
 7月8日(金)に黒焼き玄米茶の作り方実践と飲み方や、梅干の黒焼きの作り方やマコモ茶の炒り方や煎じ方教室を行います。実は、炭や黒焼きは作った人が一番元気になるのです。作れる人になってください(詳細はコチラ→ http://npomedaka.shop-pro.jp/?pid=96458810 )。
 また7月23日(土)の食とお米とその周辺の研究会では、「炭」をテーマに勉強します(詳細はコチラ→ http://npomedaka.shop-pro.jp/?pid=48800150 )。関心のある方、一緒に研究しましょう!

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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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