船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　今年のお盆休みは北京オリンピックの観戦に熱中しました。４年に１回の祭典ということもあり、出場選手の意気込みは並々ならぬものです。おそらく選手のそのような想いが観ている者の心をうつのだと思います。

　本当に勝負は一瞬です。この日のこの時間、この一瞬のために、膨大かつ濃密な練習を４年、それ以上の積み重ねを繰り返しているはずです。しかし、それにも関わらず、勝負の結果は残酷なまでに選手を苦しめるケースがあります。

　私にも人生を賭けた時期がありました。正しく、この日この一瞬のために１０年以上の月日を費やした経験があります。私は、その人生を賭けたその一瞬に、強烈に失敗した経験があります。その悔いは１０年以上経過しても未だに癒えることはありません。そういう経験から、私の何が悪かったのか、結果が出なかった理由は何だったのか、それの答えを日常生活の中にまで、見出そうとする癖が、いつの間にかついていました。　全てを懸けるということは、その結果如何で自分の人生や、人間性、もっと言うと全てを否定されたように思ってしまうのです。今回のオリンピック観戦も自分の経験を投影して、どういう選手がどのような経緯を経たら結果が出るかに注視しました。

　勝負の分かれ目は何なのでしょう。例えば、金メダルと銀メダルの実力差は殆んどないと思いますが、見方を変えると、天と地の差がある場合が多いようです。金メダリストのヒーローインタビューでは、必ずお世話になった人への感謝の弁を述べていました。おそらく１人の力では結果が出なかったということだとすると、成功には、自分を取り巻く“人”に恵まれることも大きな要因のようです。

　仕事でもおそらく勝負の別れ目は存在すると思います。例えば、新商品がヒットするかどうかの境目であるキャズム（＝溝）を越えることができるかどうかも同じようなニュアンスでしょう。明らかに結果が出るということは、貯めに貯めた実力を一気に爆発させる沸点に到達するという過程も要因の一つのようです。

　北京オリンピックからヒントを得ると、想像を越える凄まじいほどの努力は当たり前、その努力にもただがむしゃらなだけでなく、最先端の技術が必要、更に、プレッシャーを力に換える強靭な精神力、支えてくれる周囲の人々、周りの人々に対する大いなる感謝、また、挫折の経験も時には必要です。運もそのような要素が複合してこそ、回り回ってくるようです。

　私が勝負に負けた理由は、何らかの要素が足りなかったということです。全ては必要必然ベスト。私自身の強烈な失敗の経験も、いつか必要なことだったと肯定できる日がくると信じて精進していきたいと思います。


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４周目：「旧友　（テーマ：“働く”ということは）」
５周目：「志を一つに　（テーマ：私が日々思ふこと）」
６周目：「伝えるということ　（テーマ：私が日々思ふこと）」
７周目：「自身の役割とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」
８周目：「冬の季節に思うこと　（テーマ：私が日々思ふこと）」
９周目：「お客様に教えられる　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１０周目：「本物の法則とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１１周目：「死生観　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１２周目：「商売の本質　（テーマ：私が日々思ふこと）」