船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　みなさんこんにちは。今日からこのコーナーは２１周目を迎えます。いつもお読みいただき、どうもありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

　さてみなさんはゴーギャンという画家をご存知でしょうか？　近代美術の歴史の中にマネやゴッホという名前とともに必ず登場する画家です。私は最近このゴーギャンという画家が気になっています。というのも、先日東京国立近代美術館で開催されていた｢ゴーギャン展」を観て、そこに展示されていた彼の代表作｢我々はどこから来たのか？　我々は何者か　我々はどこへ行くのか」に大きな感銘を受けたからです。

　私は特に美術愛好家というわけではありません。美術館にはたまに足を運ぶ程度です（ほとんど時間つぶしというありさまです）。ゴーギャンという名前こそ知っていましたが、私の興味をそそるという存在ではありませんでした。それが、その代表作であるその一枚の絵に対峙した時、何とも表現が難しいのですが魂が揺さぶられるようなそんな感覚を覚えたのでありました。そこに描かれた世界はとてもソウルフルと言えばいいのか、あるいはスピリチュアリティな感覚に満ちていると言えばいいのか、ゴーギャンという存在が、全身全霊で感じたであろう“人生”そのものが描かれているように思えたのです。私は美術作品を観てここまで心を震わせた経験はほとんどありません。

　出会いとは不思議なものです。どんなに高価な金額を付けていても、ある面、絵に全く興味のない人にとってはただの紙にすぎません。それが出会いの妙によってそれは絵であること以上の意味や価値を持つようになる力を持ってくることがあります。ゴーギャンの作品｢我々はどこから来たのか？　我々は何者か　我々はどこへ行くのか」は、私にとってそれがたとえ美術館という予め用意された制度の中の出会いであったとしても、大きな感銘を与えてくれたインパクトのある絵になったのであります。

　ちなみに、このゴーギャンの作品については様々な見方があると思いますが、私が感じる見方については以下のようです。まず、絵に向かって正面右側に描かれた赤ん坊と、左側に描かれた老婆により人生の始まりと終わりを表しているようです。老婆の横にいる白い鳥は人の魂を運ぶ象徴的な存在として描かれているように見えます。そして中央左よりに鎮座しているタヒチの神話に登場する女神ヒナの像により絵の様相は、原始的でかつ宗教的な色彩も濃くなってきます。ゴーギャンは“魂の輪廻転生”をきっと当時のタヒチに生活する人々や雄大な大自然からで感じとり、それを描いたのではないだろうかと思うのです。そしてゴーギャン自身も犬の姿を借りてちゃっかり登場していると私には見えるのです。このようなことから私はとてもソウルフルな絵じゃないかと思うんです。

ちなみに以下は、同美術展の様子がアップされているユーチューブの映像です。
→ http://www.youtube.com/watch?v=zxteD-KVtmU


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