船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　皆さま、こんにちは。
　梅雨が明け、晴天続きの毎日ですが、夏バテなどしておりませんでしょうか。
　夏生まれのわたしは、えこひいきがすぎるくらいに他の季節よりも夏を愛しておりまして、夏のうだるような暑さや、容赦なく皮膚を焼き付ける夏の日差しも、わたしにとっては目を細めて愛でてしまうようなものです。
　どこかの店先からチリン、チリンという風鈴の音色や渦巻き香取線香の香りが鼻を掠めた日にはもう嬉しくて思わず小躍りしてしまう日々を送っております。

　１人小躍りをして、多分、周囲の人からは不審者としてみなされているに違いなく、友人からは一緒にいるのが恥ずかしいといわれているような人間ですが、そんなわたしもたまには人生について考えてみたりしてみます。

　人生について考えるとき、セットで現れてくるのは死です。
　わたしと死は随分親しいものでして、自分の身に死が訪れた時、はて、自分は何を思うのだろうか、思い起こすのだろうか、何を感じるのだろうか、ということを考えます。

　死を思うと、生が身近になります。
　死を想像することによって、未来が見えてきます。

　年若い時は別としても、人生の優先順位の設定が必要不可欠なことに、死を思う時にいつも気づかされます。
　それを設定・明確にしないで生き続ける人生は、とても曖昧模糊としたもので、すかすかの紙っきれを噛み続けるようなものです。
　死を迎えた時に、あれがしたかった、こうすればよかった、などという後悔と自責の念だけに囚われることは避けたいものですよね。

　さて、皆さまにとっての大切なことは何でしょうか？
　守りたいもの、大切な人、譲れないもの・・・。
　ぼうっとしていると、いつの間にか世間や社会の既成概念に見事なまでに囚われてしまっているものです。

　死の気配はいつもわたしの身近にあり、何かに思い悩んだり、躓（つまず）いたりしているとき、それはひとつの指標となります。
　自分が本当に望んでいること、したいことは何なのかを教え導いてくれます。
　目先の損得や、あらゆる不安を取り払うには最適です。
　思い悩み、不安に苛まれ、まだ来ぬ未来にもその不安を忍ばせてしまうなんてとっても勿体ないことです。
　人間の人生、たかだか１００年、されど１００年といった具合なのですから。

　死の存在は、生をみつめるきっかけを作ってくれます。

　これからが夏本番です。
　暑さが増し、眠れぬ夜が訪れたときは是非！死について考えてみてください。
　眠れなくなること請け合いです。


２３周目：「なんとなく、それとなく　（テーマ：私が日々思ふこと）」
２４周目：「春宵十話　（テーマ：最近読んでオススメしたい本）」
２５周目：「沖縄考　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」