船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
「日本語」を考える−その7
2012.12.6(Thu)
社名:イリアール(株) 販売促進部
名前:塚田 明彦

 イリアール株式会社の塚田です。
 今回は、少し気になることばの読み方について書いてみようと思います。

@「三階で三回もころんだ」→(サンカイでサンカイもころんだ)

 この読み方に何の違和感も持たない方と、おかしいと思う方とに分かれる文章だと
思います。
 三階は「サンカイ」ではなく「サンガイ」と濁ります。数を数える時に、前部の
数字の語尾によって、対象を表す助数詞(〜階・〜回・〜枚・〜本etc)の先頭の
文字が清音から濁音に変化する、連濁のルールの一つが働くためです。

 上記の場合は数字の中では「三」だけが該当します。ただし例外もあって「三回」は
濁りません。同様の例で「〜軒」と「〜件」も 同じく、「三軒」は濁りますが
「三件」は濁りません。
 これはことばの新古に影響するところが大きいと思われます。古い日本語の「〜階」
や「〜軒」は濁音となりますが、比較的新しいことばの「〜回」や「〜件」は
そのまま清音で発音されます。
 インターネット上では、「三階」や「三軒」がなぜ濁音となるのかという質問に対し、「例外」のケースであるという回答もあります。
 いつのまにか、当たり前と例外が逆転してきているようです……。
 
 では、数字の中で「三」と同様に鼻音(m、n、ng)になる、四階はなぜ濁らないのでしょうか。これは、古来の「四階」の読み方は「シカイ」でした(NHKさんの
ホームページによると、17世紀の書物に記載されているそうです)。「シ」が「死」に
通じる忌み言葉として嫌われ「ヨン」に読み替えられただけのため、濁音にならない
というのが通説なっています。
 本来、十三階や二十三階も「〜ガイ」と濁音になるのですが、前に述べたように、言葉の新古に影響することから、昔は高層ビルなど存在せず、高層階の数え方は新しいことばである。したがって清音のまま「ジュウサンカイ」「ニジュウサンカイ」と読むのが正しいという説もあるようです。

 面白い考え方だと思います。こんな意見がたくさんでてくると、将来はことばの
ルールも変わるかもしれません。でも今は、現在のルールでことばを紡ぎたいものです。

 余談ですが、しっかりしたビルのエレベーターでは、数字と定型句の合成音であるはずなのに「次は三階(サンガイ)に止まります」と、思わず製作者に拍手を送りたくなる
アナウンスを耳にすることがあります。たしか帝国ホテルさんがそうだったような……。
 次回もこの続きの予定です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


5周目:「自分にしかできないこと」
6周目:「自分にしかできないこと−その2」
7周目:「自分にしかできないこと−その3」
8周目:「「正しい日本語」を考える−その1」
9周目:「「日本語」を考える−その2」
10周目:「「日本語」を考える−その3」
11周目:「「日本語」を考える−その4」
12周目:「「日本語」を考える−その5」
13周目:「「日本語」を考える−その6」

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