photo

トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2010年5月17日
久しぶりに感動した本『20世紀のファウスト』=昭和天皇の行動

 このHPの中に「日日是好日」というページがあります。
 毎週火曜日に熱海本社勤務の私の秘書の相澤智子さんが、私や熱海のことを写真と文章で、発信しています。
 よく読まれているようです。

 ところで今年4月27日(火)の相澤さん発信の「日日是好日」の中に、満開の八重桜の下でニコニコしている私の写真が載りました。多分4月26日に写したものだと思います。
 その写真を見たのでしょう。「最近のHPの船井先生のお写真を見ると、本当にお元気になられたようですね。よかったですね。そこで私の会社の最近の発刊書を送ります。できればお読みください」というような文章とともに、成甲書房の田中亮介社長から分厚い本が3冊送られてきました。私宅へ届いたのは4月28日です。
 田中さんは、独特の感性で本を創ります。結局たいていの本は経営的には黒字になるもようです。私もカリール・ジブラン著の“THE PROPHET”を『『預言者』という題名で監訳して解説し、同社から1冊出しています。最近、いろんな人から『預言者』のことを聞きますので、多分、この本もペイするのでしょう。
 さて田中社長の送ってくれた本は副島隆彦さんが監訳し解説した『バーナード・マドフ事件』(アダム・レボー著 古村治彦訳、’10年4月25日刊)と鬼塚英昭著『20世紀のファウスト』(上下二巻、いずれも’10年3月25日刊)で3冊とも400ページ〜700ページの大著でした。
 ひまな時に読もうと思っていたのですが、4月29日は休日、よい陽気の晴れた日でした。まず午前中に副島さんの監訳書を読み、被害総額6兆円といわれる稀代の詐欺事件のことと、人のだまされる理由を納得しました。
 そして午後から『20世紀のファウスト』(上下で約1400ページ)を読みはじめ、興味があったため夕方までに読み了えてしまいました。
 20世紀の歴史が、すっきりアタマの中で整理できました。
 しかし、同書で特に私が惹かれたのは、世界の黒い貴族たちの策略などでなく、日本の昭和天皇のことでした。
 それ以外にルーズヴェルト大統領(第二次世界大戦時のアメリカ大統領)が、自らが操られていたのを知り、1945年4月12日に自殺したということや、ソ連参戦の裏情報などもこの本をみて「そうかも分らない」と思いました。日本への1945年の原爆投下についても、「なるほど」と思って読みました。
 さて、同書の231ページから240ページには、昭和天皇がどんな人だったかが分るヒントがあります。ほんの一部だけ紹介します。

 天皇の密使松平康昌がダレスと朝鮮戦争の前に会談し、昭和天皇は直ちにダレスの申し出に賛意を示した。後にメッセージまでも提供した。ここで『ハリマンの山』の日本での準備工作が終了した。そして「ゴーサイン」をダレスが出した。
 日本人は、昭和天皇は象徴天皇になって政治の表舞台から消えた、と今日でも思っている。しかし、ハリマンもダレスも、日本の最高権力者は国家元首の昭和天皇であると知っていたのである。今日においても外国の政治家たちはその点で同じように認識している。

 1950年7月6日、朝鮮戦争勃発から十日が経っていた。シーボルト外交局長はマッカーサーに知らせず、もう一つの「天皇のメッセージ」を国務省に送った。 

 天皇に近い二つの消息筋が秘密であることを条件に私に知らせたのは、天皇がこのアメリカが取った速やかな措置〔アメリカの朝鮮戦争への参加〕に対して心からの感謝を示し、さらに日本政府がこれと同じ趣旨の公式声明を発表することを検討しているとほのめかしたことである。日本政府は占領されている立場上、朝鮮戦争に向こう見ずに介入できないと感じているようだ。でも可能なかぎりアメリカを支援するという純粋な気持ちは確実に持っていると述べている。シーボルトからのこの極秘文書を受け取ったアチソン国務長官は、在外のアメリカ公使館にこの「天皇のメッセージ」を送り、次なる一文を添えた。
 日本の当局者たちは、心から朝鮮における米国の行動を支持しており、在日米政治顧問からの報告によると、天皇より、感謝の意を示すメッセージを受け取った。
 「天皇のメッセージ」の中の、「日本政府がこれと同じ趣旨の公式声明を発表することを検討しているとほのめかしたことである」に注目してほしい。朝鮮戦争がはじまり、昭和天皇と吉田茂の関係が修復されていくのである。
 昭和天皇は新しく誕生する軍隊に期待をかけた。ここには「平和天皇」の姿はない。 昭和天皇はマッカーサーを動かした。勿論、吉田茂を説得した上でである。一千名の皇宮警察で「千代田城」(皇居)を守らせ、外堀をアメリカの軍隊と日本の警察に守らせることにした。どうしてか? 昭和天皇は反朝鮮戦争の運動が盛り上がったときには、日本の永久基地化を国民の前で宣言する決心をしていたことは間違いのないことだ。そのために万全を期すことにしたのである。それが「アメリカに対する感謝の気持ちの表明」であったのだ。ここに、かつての「朕の戦争」を指揮した大元帥陸下の天皇が甦った。憲法九条の精神を昭和天皇は自ら踏みにじった。
 かくて警察予備隊が誕生していった。昭和天皇は吉田茂に、警察予備隊の総隊総監のポストは宮内庁次官で側近の林敬三(元鳥取県知事)を任命せよと言った。吉田茂は受けた。
 日本人は知らねばならない。朝鮮戦争が勃発して以降、日本の軍隊の実質的最高権威者は昭和天皇であったことを。
 「天皇のメッセージ」の最後の文章にこのことが書かれている。
 「でも可能な限り米国を支援するという純粋な気持ちは確実に持っていると述べている」
 「天皇はラジオ放送にかじりつき、朝鮮戦争中には終日熱中していた」と、当時の宮中人は語っている。
 昭和天皇は、朝鮮半島でのこの戦争が日本の講和条約締結と深く結びついていることを知り尽くしていた。一日も早くマッカーサーの支配から脱したかったのである。そのために、朝鮮戦争を仕掛けたハリマン、アチソン、ダレスたちに「心からの感謝を示した」のである(転載ここまで)。


 1950年時点では昭和天皇はいろんなことを知り、アタマのよい、ものごとをマクロに判断できたすばらしい日本の元首だったようです。
 ともかくこの本は、20世紀をあぶり出してくれます。書かれていることが真実か否かは読者が自分で判断する必要はあるとしても、定価の上下巻で4,600円は決して高くはないと思います。私は、私なりに1900年代の世界や日本をすっきり理解できました。
 それにしても成甲書房という出版社というより田中亮介さんは、注目に値する人だと思います。フシギな有能な人と言っていいでしょう。
                                            =以上=

バックナンバー
2010.05.31:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】明夜、時間のある人はサヌカイトの演奏を実感しよう
2010.05.28:【先週のびっくりより】5月に1冊、6月に1冊、本音をストレートに書いた本が出る
2010.05.24:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】30才より若い人たちへ77才の青年から
2010.05.21:【先週のびっくりより】上海万博見学記
2010.05.17:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】久しぶりに感動した本『20世紀のファウスト』=昭和天皇の行動
2010.05.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】すぐに手術しなさい…と言われた心臓がよくなってきたようだ。
2010.05.10:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】「ミロクの世」(?)が近々に来そうだ
2010.05.07:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】「いやしファーム」にびっくり
2010.05.03:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】病院経営道場とBONE−CAVITY(日本の医療制度の盲点)
数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note