中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

メダカのがっこうには、以下のような3つの宣言があります。

1.私たちは、田んぼから瑞穂(みずほ)の国日本の自然再生をします。
2.私たちは、お米中心の一汁一菜の食事で日本人の心身を健康にし、食料自給力をつけます。
3.私たちは、命を大切にする農家と手をつなぎ、生きる環境と安全な食料に困らない日本を次世代に残せるような先祖になります。


このコラムでは、「メダカのがっこう」での活動内容や、様々な経緯で「メダカのがっこう」に参加された方々のご紹介や、健康のための大切な情報などをお届けしていきます。

2018.09.20(第48回)
40年前、子どもの命を支える食に立ちあがった人たち
―高取保育園、麦っこ畑保育園のお話―

 “いただきます―みそをつくる子どもたち”というドキュメンタリー映画の上映会をしました。食で子どもの生命力が全開することや、アレルギーやアトピーが当たり前に治ることを体験した親子を40年間も送り出している福岡県と神奈川県の2つの保育園の様子が報告されています。

 福岡と神奈川で同時多発的に立ち上がった方たち、40年前に何か女性たちの意識が変わることがあったのでしょうか? 調べてみると、1970年代に入ってから生まれた子どもたちにアトピー性皮膚炎が現れ始めました。有吉佐和子さんの『複合汚染』(新潮社)の初版が1975年(43年前)に出版されました。オイルショックはその1年前の1973〜1974年、それまでの経済発展の方法や方向に問題があることに気が付き始めた時期でもありました。

 1968年開園の福岡市高取保育園の西福江園長は、「知育、体育の前に食育がある」という信念をもち、1970年ころから今まで感知しなかったアトピーと出会い、「和食に帰ろう」と思い立ちました。しかしそこには大きな壁がありました。それは、公立の保育園には現代栄養学に基づいた栄養素と食材の決まりがあったのです。肉や卵でタンパク質、牛乳でカルシウムなどの細かな決まりです。それを、味噌や納豆、豆腐や小魚で計算し直して基準をクリアーしました。これには同じ志を持つ優秀な栄養士さんの協力が必要でした。
 食事の基本は、玄米と納豆、みそ汁、煮物や和え物、魚や豆腐などの和食です。西福江園長は子どもたちの身体にできるだけ良い食材を使いたいと思い、志を同じくする農家の方にも協力してもらい、無農薬の米や野菜、本物の調味料を使うことにしました。その中でも味噌は毎月100kg使います。それを最年長のクラスの子どもたちが毎月仕込みます。卒園前には味噌の作り方を次に伝えます。ここに入園すると、アトピーやアレルギーの子どもたちは数か月できれいに治り、親子ともども身を持って食の大切さを知らされます。この“いただきます―みそをつくるこどもたち”を上映したい方、ご覧になりたい方は、http://itadakimasu-miso.jp/ こちらをご覧ください。

 1978年に神奈川県の麦っこ畑保育園の大島貴美子園長は、それまで勤めていた保育園の年代や障害で区別する保育に苦しくなり、いろいろな子どもがみんな安心して過ごせて、大きい子が自然に小さい子の面倒を見るような大家族の子育てをしたいと思い、農家の母屋で麦っこ畑保育園を始めました。8月のある日に伺うと、幅広い年代のお台所さんから卒園生のスタッフや夏休みということもあり、卒園生の小学生ボランティアまでが子どもたちのお世話をしていました。園長の理想の形です。
 給食についてお話を伺うと、始めて10年たったころ、小児科医の真弓定夫の「子どもは裸で群れて育つ」という子育て論に出会い「これだ!」と共鳴して講演にお呼びしたところ、牛乳は母牛が自分の赤ちゃんのために出すオッパイで、人間は飲んではいけないとわかりびっくり。それ以来、牛乳を飲まなくなり、みそ汁や和食を基本に魚も切り身でなく1尾丸ごと食べられる大きさのものにしたそうです。食材も自然栽培の八百屋さんや生協や大地の会のものを使って作っています。真弓先生が、空気も水も加工していないものがいいということで、たき火はするけど暖房はしない、水遊びはするけど冷房はしていません。この取り組みは、2017年にドキュメンタリー映画「蘇れ生命の力」〜小児科医 真弓定夫〜 になっています。
 上映したい方、ご覧になりたい方は、http://heartofmiracle.net/index.html こちらをご覧ください。

 あれから40年日本の食は危険になる一方です。今や世界一の遺伝子組み換え作物や食品の輸入消費国。殺虫剤ネオニコチノイドは世界に逆行して緩和の一途、除草剤グリホサートの残留基準を0.1ppmから40ppmに引き上げたり、除草剤が効かなくなったので枯葉剤の残留基準も4倍〜5倍にしたり。それらすべてを安全だという食品安全委員会。政府が国民を守ることを止めたのならば、むしろない方が国民に危機意識が芽生えていいかも知れません。

 この時代に生まれ合わせた私たちは、なすべきことがたくさんあります。何から手を付ければいいのかわからない気持ちにもなりますが、前回紹介したコリン・キャンベル博士が正しいことを証明してくれた日本の伝統食の復活と、子どもたちに安全な食を提供することから始めたいと思います。
 次回は、境南小学校の海老原栄養士と山田征さんグループが40年前に始めた武蔵野市の安全給食の始めから、現在武蔵野市の全校まで拡大して実施されている安全給食を支えている方たちのお話をします。


バックナンバー
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千葉県いすみ市で全市で有機米給食が始まりました。

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原発と自然エネルギーと火力発電や水力発電の関係

18/09

40年前、子どもの命を支える食に立ちあがった人たち
―高取保育園、麦っこ畑保育園のお話―

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ガン細胞のエサを解明したコリン・キャンベル博士の研究

18/07

私のナウシカプロジェクト

18/06

食と農に大異変

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家族の健康を守るためにできること

18/04

種子法廃止とTPPとISD条項の関係を知っていますか?

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本当に恐ろしいのは大自然の逆襲です

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最近感動したことと考えたこと。

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衆議院選挙の当選者に5つのお願いを出しました。

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もう一つの国づくりと裏の世界

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8月2日種子法学習会の報告とまとめと見えてきた方向

17/07

怒涛のように崩壊する日本の食の安全

17/06

拝啓 安倍晋三内閣総理大臣殿

17/05

種子法廃止につづいて品種の多様性と種子情報が奪われる!

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日本の種と自家採種の権利が大変なことになっています!

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野草の季節が始まりました。なぜ野草なのか。

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自家採種を守っている農家たち

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お米の優位性10項目

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恐るべき田んぼの生産力

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「食は命」を知っている料理人

16/10

田の草フォーラムのことで頭がいっぱい

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米飴を作ってみてわかったこと

16/08

知恵と技を極めているじいちゃんばあちゃん(ご先祖様)のあとに続け!

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炭の研究開始に当たり、3人の炭焼き名人に会ってきました。

16/06

炭の力を体験しました。

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生きものいっぱいの田んぼへ行こう!(メダカのがっこう紹介)

16/04

野草を愛する人は自然を理解してほしい。

16/03

もし逆表示でなかったら農産物はどういう表示になるのか
―遺伝子組み換えの表示が消されていく―

16/02

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梅干しは日本人の食養生の基本

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砂糖や甘味料が自給自足生活と相容れない理由(わけ)

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これぞ現代の最強サプリメントだ!
〜米・味噌・梅干し・黒焼きという高機能食品の恩恵に浴そう〜

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自家採種できる種を子孫に残すオイルプロジェクト

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赤峰勝人は現代の食医だ!――アトピーが治らないわけ

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今こそ、本物の米、味噌、梅干し、黒焼きが必要なわけ 

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東京から移住、田舎で子育てをするホームページビルダー

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都会にいても自給自足生活のおすすめ

Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

船瀬俊介&西原克成「歯と人類の進化」 ザ・シークレット・オブ・カバラ 「1%の人が気づいている内なる叡智を開く鍵」本物研セミナー メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野51.com 舩井幸雄のツイッター