船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　『奇跡のリンゴ』（幻冬舎）という本をご存知でしょうか？　これは、青森県のリンゴ農家である木村秋則さんが、農薬も肥料も使わないりんごを育てることに成功するまでをつづった本です。昨年７月に出版されて以来、今年の２月になった今でも、丸善丸の内本店の店頭に並んでいたり、アマゾンで１０位前後にランクインするなど、ロングセラーの本です。
　なぜ、私がこの本をここで取り上げるかといえば、私自身、１年半前実際に木村さんのりんご畑を訪れたのですが、最近周りの人がこの本の話をするようになったからです。
　この本の概要は以下の通りです。

　本書の重要な部分は、リンゴに農薬を散布するのを辞めて以来、数年間リンゴがほとんどできず、一家が本当に貧窮していた時のことから始まります。リンゴは農薬なしでは栽培できないのが常識だったのですが、農薬散布作業で肌に炎症を起こしたりするなど、農薬散布に疑問をもったこと、また、ある自然農法の本に出合ったことで、農薬散布をやめることを決意したといいます。しかし、農薬を散布するのをやめた年から、リンゴを収穫できなくなったのです。当然、日々の暮らしに即影響したといいます。一家は困窮を極め、ついには、木村さん自身が絶望し、自殺しようとしたところ、ちょうどそこに自生していたドングリの木を見て、現在の成功へと至る気づきを得たといいます。本書は、木村さんの人生から今の社会に役立つ多くのヒントを見つけ、社会に投げかけ、世に問うているのです。

　木村さんが得た気づきとは、単純に無農薬でりんごを栽培できることではなく、今の社会に光をあてるようなヒントが至る所に隠れている気がしてなりません。ここでは、その中でも、人間の健康について私が感じたことを書かせていただきます。
　病気が出ないように、農薬をまく、虫が発生しないように殺虫剤等をまく。今でも、多くの田畑で行われていることです（なお、私自身これを否定するつもりは毛頭ありません）。これは、人間が病気になったら条件反射的に薬を飲む行為、とにかく抗菌・無菌グッズをそろえて‘悪い’菌から身体を守ること、となぞらえることができるのではないでしょうか。木村さんは、リンゴが実をつけず、毎年のように病気にかかっていたのは、今までためていた毒素を出しきるためじゃないか、といいます。つまり、リンゴの木が抱えていたさまざまな毒を、農薬が無理やり押さえつけていたのではないかということです。
　事実かどうかはわかりません。でも、人間だって同じかもしれないと思います。以前は熱が出たら、薬を飲んでとにかく下げるのが常識でした。でも、最近では、熱を出すのは、免疫システムがもっとも活躍しやすい温度へ体自身が誘導するためだ、とも言われています。どちらが正しいとか言うつもりはありませんが、一つの見方を教えてくれているような気がします。自然と切り離され、都会の喧噪に慣れてしまった人類にとって、改めて、自然から教わることは重要ではないかと強く思うのです。

　この本を読んでいると、岩木山のふもとにあるリンゴ畑で、木村さんが穏やかに語ってくれたことを思い出します。いつも笑顔を絶やさず、穏やかなしゃべり口で話してくれた木村さんには、信じ続けていたことが間違っていなかったことへの自信と自然への深い愛情のようなものが感じられました。２日間の滞在でしたが、木村さんのまわりにはいつも笑い声や笑顔が絶えず、そのりんご畑の居心地の良さも相まって、心から楽しめたことを昨日のことのように思い出します。木村さんのやってきたことが、書籍を通して、多くの人に伝わることを願ってやみません。


★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆
！！「本物研チャンネル」開設！！
船井幸雄が推奨する本物商品を映像で紹介する
「本物研チャンネル」を開設しました！
今回は、第一歩として本物商品の紹介ＶＴＲを作成しました。
「本物研チャンネル」の夢はイヤシロチや本物技術の現地レポートなどです。
本物商品の良さを分かっていただけると思いますので、是非ご覧ください。
http://www.honmono-ken.com/ch/
★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆


１５周目：「船井会長から学ぶ！　（テーマ：船井会長から学んだこと）」