中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2022.10.20(第96回)
正義は勝つこともある

 10/26全国オーガニック給食フォーラムは大成功でした。中野ZEROホールには、午後1時半開場の前から長蛇の列ができ、会場係の検温、チケット確認もスムーズに進み、2時開演までにほぼ全員が席に着くことが出来ました。大ホールの定員は1200名ですが、1100名が入ったそうで、1階席は立錐の余地もありませんでした。
 全国から24自治体の首長さんが登壇し、次々と自己紹介されるシーンは壮観でした。オンラインではさらに10自治体の首長さんが参加されていたそうです。自民、立憲、社民の国会議員さんも応援に来てくださいました。30以上のメディアが取材に来て、その中にTBSの報道特集がありました。翌日の日本農業新聞でも会場、オンライン、サテライト合わせて4000名の参加だったことなど、社会面に載りました。

 首長さんたちの背中を押しているのは、何と言っても国のみどりの食料システム戦略のオーガニックビレッジの予算です。それを受けて文科省も来年度の概算要求に、オーガニック給食を支援する予算を計上しています。今回はその予算の使い方説明に、農水省農業環境対策課の課長と、文科省の課長補佐の方に来ていただきました。私が印象に残っているのは、「これだけ多くの市民の方が来られるとは思っていなかったので、資料が役所用語で堅苦しいところがありますが、言葉で分かり易く説明します」とおっしゃったことです。オーガニック給食が国民的ニーズになっていることを実感していただけたのではないかと思います。

 この反響は、フォーラム翌日にも続き、関東農政局や、農水農業環境対策課の方から、当日のPP資料と資料集を全部データで送ってほしいとの依頼が来ました。現在対処中です。
 メダカのがっこうは、今回、フォーラム資料集作りに頑張りました。登壇者すべての講演内容を原稿にするだけでなく、今後のオーガニック給食活動にお役に立つように、オーガニック給食の意義をSDGsの観点から、オーガニック給食にすると子どもに良いことが起こった、自治体に良いことが起きた、日本の農業に良いことが起きる、社会に良いことが起きる、地球環境に良いことが起きる、などそれぞれの観点からまとめました。また、オーガニック給食を進める上で、必ずぶつかる問題、有機農作物の安定供給、農業技術紹介、調理現場の負担、食材選定基準、予算はどうするなど、すでに実施している自治体の解決策などを紹介しています。

 その中で、本気で有機米給食を支えようと思っている農業関係者たちの目に留まったので、日本の水田の2%が有機になると。全国950万人の小中学生の給食が有機米100%にできるという試算です。これは、日本有機農業研究会の久保田さんといすみ市の鮫田さんと私で算出しました。実現可能な極めて現実的な目標でありながら、有機米100%給食が日本で実現できるのです。まずこれを2030年までに達成しようと提唱しています。これなくして2050年までに有機農業面積を25%の100万haにするなど、出来るはずがありません。これについては、農文教の記者さんからも問い合わせがありました。この実現に向けて、メダカのがっこうもこれから進めていこうと思っています。

 有機というのはオーガニックの日本語訳という方もおられますが、農薬や添加物などの問題が出てきた1970年代に考えられた言葉で、日本有機農業研究会の創始者一楽照雄さんが漢文の「天地、機有り」から取ったものです。機の言うのは「宇宙の法則」で、そこに草が生えるのも虫が発生するのも理由があってのこと、その大自然の法則が分からない様では、有機農業は出来ないという意味です。有機農業を目指す農家たちは、みなこの哲学に惹かれ、頑張ってきましたが、一般からは変わり者とみられてきました。しかし日本の有機農業技術は世界最高水準にあり、慣行農家が有機農業に移行する技術として完成されてきています。これらの農業指導者たちが本気を出せば、日本の水田面積の2%を有機栽培にすることは可能ではないかと思い、自治体の要請があればどれくらいできるかの試算を、次回の田の草フォーラムではやりたいと思っております。

 「正義は勝つ!・・・こともある」というのは鈴木宜弘教授の講演の中の言葉です。このフォーラムの意味を言い当てた言葉だと思い、表題にしました。

22/12

オーガニック給食のオーガニックという言葉に込める意味

22/11

オーガニック給食を支える有機農業技術大集合

22/10

正義は勝つこともある

22/09

子どもたちのために立ち上がったカッコイイ首長さん紹介

22/08

有機給食にトップダウンの時代がやってきた!

22/07

田んぼカフェでもシードライブラリー始めました。

22/05

食料危機が来ることは悪くない

22/04

食品表示をさせない問題について考える

22/03

最近気が付いた黒焼きの正体

22/02

子どもを元気にする「生命尊重食」=有機給食をいまこそ文科省にお願いしましょう!

22/01

有機給食へのはじめの一歩


バックナンバー
24/03

塩のことがスッキリわかるお話

24/02

内なる海をニガリで再現する

24/01

2/1「理想の給食を目指して」研修会と2/2「夢みる給食」はリンクしていた。

23/12

オーガニック給食は有機JASの食材である必要はない

23/11

70歳にして、進むべき科学の方向を確信する

23/10

井の頭公園に大地の再生の風が吹き始めた

23/09

ママたちの凄いパワーと実現する能力の高さに感銘

23/08

日本のお米の自家採種ができなくなる〜放射線育種米って知っていますか〜

23/07

フランスでオーガニック給食を可能にしたスクールシェフたち

23/06

オーガニック給食に全国的な協議会と超党派の議員連盟ができました!

23/05

子どもに食べてもらいたい理想の食を考えてみました

23/04

フードテック、代替母乳、細胞培養って知っていますか?

23/03

女性のみなさん!泣きましょう!男の本性を目覚めさせるために

23/02

「大地の再生」実践マニュアル

23/01

1/18日本の有機農業技術大集合で感じたこと、わかったこと

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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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