舩井幸雄の「この人いいよ!」

このページでは、超幅広い舩井幸雄の人脈の中から、舩井幸雄がぜひ皆さまに紹介したいと思う人を、さまざまな角度からご紹介します。

「死ぬ時に満足できる生き方」を大切にし、
自分や家族への愛から生まれたユニークな治療法をご提案

今回紹介するのは、NOVO CLINIC(ノボクリニック)院長で医学博士の龍見 昇(たつみ のぼる)医師です。
龍見先生は、西洋医学的な医療に疑問を感じながらも、普通の医者として14年間携わってこられました。しかし「死ぬ時に満足できる生き方」を真剣に考えた結果、医者をやめることを一度は決意。しかしそんな時、奥様のちとせさんの重度のアトピーがきっかけになり、再び医療の方向に道を見出し、独自の治療体系を確立させました。さらに、出産後、うつ病になってしまったちとせさんの体を治すために見出した治療法が、結果的に舩井幸雄の病気の改善にもつながりました。自分やご家族の体と徹底的に向き合うことで生まれた数々の治療体系には独自性があり、愛と信頼に溢れています。船井も龍見先生の治療法には大変信頼を寄せています。今回は、龍見先生の奥様のちとせさんからも一緒にお話を伺いました。

NOVO CLINIC(ノボ クリニック) 院長 龍見 昇さん

NOVO CLINIC(ノボ クリニック) 院長 龍見 昇さん
プロフィール
●龍見 昇(たつみ のぼる) NOVO CLINIC(ノボ クリニック) 院長
昭和42年生まれ。平成4年神戸大学医学部卒業。医学博士。14年間泌尿器科医として普通の医療に携わるも、対症療法に終始している現在の医学に疑問を持ち、病気の根本的治療法を模索する。平成19年に、分子整合医学を基礎とした独自の治療法を確立し、NOVO CLINIC(ノボ クリニック)を開業。細胞から元気にする方法で、アレルギーなどの慢性疾患の治療を行っている。月刊『ザ・フナイ』2008年6月号の特集『新時代を拓(ひら)く臨床医たち』に執筆。
NOVO CLINIC(ノボ クリニック)
〒671-2201兵庫県姫路市書写1019-145 プラザ加茂2F
TEL:079-294-8117 FAX:079−290-8113
ホームページ: http://www.novo-clinic.net/
―今日はどうぞよろしくお願いします。龍見先生は14年間泌尿器科医として普通の医療に携わられていたのが、一般的な医療システムに疑問を感じられ、独自の治療法を確立されて、いまのNOVO CLINIC(ノボ クリニック)を開かれたんですよね。
龍見:そうですね。実は、医学部の学生だった頃からずっと「(医療保険制度に沿った治療方針は)何かおかしいな」と感じていました。
 医療保険制度のもとでは、「この病気にはこの治療法」というように決まってしまっています。もしそれが間違いだったとしたら、全員が間違うことになる。そして、こんな制度だったらなかなか新しい治療法は考え出されないだろうな、と思っていました。でも、誰もそういうことに疑問を感じる人はいないようだったし、疑問を持ってはいけないのかな、とも感じられました。
 それで医者になってもとりあえずは医局の先輩たちに教えられるようにやり、大学院卒業後は、私の父が経営する病院で泌尿器科の医者として勤めていました。しかしやればやるほど、医者の仕事が嫌になってしまいましてね。なぜか分からないけど、ものすごく疲れていました。そんなに体力がないわけではないのに。
龍見 昇さん
龍見 昇さん
「死ぬ時に満足できる生き方」をすることを決断
龍見:それで、考えたのです。「この仕事をこの先もずっと続けていて、死ぬ時、自分の人生に満足できるかな」と。そう考えると、この仕事をずっとやっていても満足はできないと思ったのです。じゃあ、いまの仕事を続けてはいられない、という結論に至ったのです。 
 それで妻とも相談して「じゃあ、やめようか」となったのです。
―それは、大きな決断ですよね。
龍見:いや、そうでもなかったですよ(笑)。続けることは不可能でしたから。
奥様(ちとせさん・以下ちとせ):楽だったくらいです(笑)。私はその頃、精神的にまいっている主人を見て(その頃はまだ結婚していなくて、付き合っている時だったんですけど)、とても心配していました。診療の合間によく私に電話をかけてきては、「しんどい、やめたい…」と言っていたんですよ。
―それは、心配になりますよね(笑)。
ちとせ:ええ(笑)。もともと彼は、「50歳には(医者の)仕事をやめる」と言ってました。それに関して私は、「いいよ。その後は二人で楽しく過ごそうよ」と話していました。ところが、その時期がどんどん早くなってきて(笑)。それで、彼が39歳の時に「本当にやめたい」と言うから、私は、「それなら別にやめてもいいよ。そんなにしんどくて、体を壊すことになるような仕事だったらやめた方がいい」と言いました。
―それは奥さん、頼もしいですね!
ちとせ:いや、そんなことないですよ(笑)。ところで彼は料理がとても得意で上手なんです!だからその料理の腕を生かして、料理人になればいい、と思いました。それを話すと彼も乗ってきて、「料理人、いいな〜、何の料理屋がいいかな」と、二人で話し始めました。
―そうなんですか。まあ、死ぬ時に後悔しない生き方がいい、と、本当にご主人のことを思ったからこそ、そういう気持ちになったのでしょうね。
ちとせ:そうなんですよ。だから、別に収入が少なくても、食べていければいい、と思いました。私もその時仕事を持っていましたし、食べていけるだけのお金さえあればなんとかなるだろうと思って。
とても仲のいい龍見先生(右)と奥様のちとせさん(左)
とても仲のいい龍見先生(右)と奥様のちとせさん(左)
―なるほど。それでその後は、どうなったのでしょうか?
舩井幸雄著『にんげん』(2005年、ビジネス社刊)
舩井幸雄著『にんげん』(2005年、ビジネス社刊)
龍見:平成18年の6月に泌尿器科医をやめました。ちょうどその半年くらい前から舩井幸雄先生の本を読むようになりました。お名前はずっと知っていて、気になってはいたのですが、本を読んだことはなかったのです。でもたまたま本屋で船井先生の『にんげん』(ビジネス社)という本を手に取り、買いました。それで「船井先生のまわりには本当の情報が転がっていそうだな」と思って、いろいろ本を読むようになりました。よく『舩井幸雄.com』も読ませていただいていたのですが、たまたま「(当時の)トップ塾」の紹介がありました。それですぐに「トップ塾に参加しよう」と思い、仕事をやめた月からトップ塾に参加させていただくことになりました。それまでは平日のセミナーには参加不可能でしたからね。
 入塾する際、「無職なんですけど、トップ塾に入らせてもらえますか?」と船井先生に聞いてもらいました。そうしたら「いいよ」と承諾してくださって。

 そしてちょうどその頃から、妻のアトピーの症状がひどくなっていったんです。

奥さんのアトピーがきっかけで、その後の方向性が見えてくる
ちとせ:私は小さい頃、アトピー性皮膚炎だったのですが、その後は、アトピーの症状はずっとおさまっていました。それがその頃に、なぜか全身に一気にアトピーが吹き出てきたのです。それで普通の病院に行って診てもらっても、ステロイドの薬を処方されるだけでした。ステロイドを塗ると、症状はすぐにおさまるのですが、すぐにまた(アトピーの症状が)出てしまいますし、体にもよくありません。その頃、本当に全身にアトピーが出てきて、夜も眠れないくらいでした。
―それは大変でしたね。そんなにアトピーの症状が出たのは初めてだったのですか?
ちとせ:初めてですね。小さい頃も、少し出るくらいでそんなに大したことはなかったのです。それがこの時は、耳から頭から、全身に出ました。夜も眠れないし、どうしよう、と本当に悩みました。 
 それで彼に、その時医者はやめていましたが、「あなたはお医者さんだったんだし、私のこのアトピーの症状だけは治して」と頼みました。その時は仕事もしていなかったから、時間もありましたしね。
「妻のアトピーを治したい」との思いで生まれた治療法
ちとせ:そこから、彼のアトピーに対しての研究が始まったのです。その時までは、もう医者をする気は全くなくて、本気で料理人になろうとしていたのですが。
―そうなんですね。やはり、そこまで本気で方向転換を考えられていたのですね。
ちとせ:ええ。でも私の体がそうなってしまって、夫もステロイドが体に悪影響を及ぼすことはよく知っていますし、何か別の方法でアトピーを治す方法はないかと考えてくれました。食事を改善することを基本的な考え方に、いろいろなサプリメントなどを試したり、研究を重ねてくれました。おかげで私のアトピーの症状もすっかりよくなりました。
 この方法は、アトピーだけではなく、他の病気にもよい結果をもたらすことも分かってきたようです。
龍見:そうですね。最初はアトピーだけを治すことを目的として、食事などでいろいろ試すうちに、例えば肉はよくないと分かってきました。以前から私自身、肉食に対して引っかかるところがあったので、妻だけ肉を食べないようにするというのも何なので、この際、私も一緒に肉を食べるのをやめようと思い、肉を食べなくなりました。すると妻のアトピーの症状が徐々によくなってくるだけでなく、私の体調も、疲れにくくなったり、(そんなに太っていたわけでもないのですが)体重がずいぶん減ってきたりと、よくなってきたのです。これはダイエットにもいいかもしれないと思って、私の周囲で「痩せたい」と言う人にアドバイスを始めました。すると皆さん、案の定、苦もなく痩せていきました。それとともに頭痛や肩こりもなくなったりと、それぞれ体調がよくなっていきました。ひょっとしたら、これでいろんな病気がよくなるかもしれない、と思い試行錯誤を続けていきました、その結果として、いま「NOVO CLINIC(ノボ クリニック)」で提唱している理論の体系化につながりました。
―奥様のアトピーがきっかけで、再び医療の方向に進むことになったのですね。
ところで「NOVO CLINIC(ノボ クリニック)」の治療は、食事を変えることがメインなのでしょうか?
龍見:そうですね。治療法であり健康法のような捉え方で「NOVO式」と呼んでいますが、食事とサプリメントの組み合わせなどです。人間の体は今まで食べたものでできています。いい食事というのは、いい細胞を作るためのものです。そして、せっかくいい細胞ができても、そこに十分なエネルギーがないとうまく働きません。そこで、エネルギーをたくさん作るためには、様々な微量栄養素が必要だということが分かってきました。それらをサプリメントで補っていきます。
解毒すると、お腹から痩せていく
龍見:また健康にとってもう一つ大切なことに、「毒素」という問題があります。
 たとえば、ダイエットをしてもなかなか痩せない…ということがあると思います。いまの一般的なダイエット理論は、摂った栄養(カロリー)を消費できなかったら、体内に溜まる、というものです。だから、食べる量を減らそう、とか、運動して消費を増やそうということになっていると思います。しかし実際は、食べる量を減らしたり、運動をしなくても痩せるのです。そして不思議なことにお腹から痩せていくのです。
―そうなんですか!? 普通はお腹まわりは痩せにくいと思うのですが…。
龍見:ええ、私も最初は、お腹まわりの脂肪というのは最後までなかなかとれない、と思っていました。でもなぜか皆さん、お腹から痩せていくのですね。それで「どうしてかな」と不思議に思っていました。
 それで分かったのが、解毒(=デトックス)ということだったのです。体にとって有害なものはなるべく排除するという考えでやっていると、なぜか脂肪が落ち始めた。ということは、脂肪とは、毒素(=有害物質)を溜めていることではないか、という考えに至りました。
 毒素は体にとって負担になるので、その毒素を減らすことはエネルギーの無駄遣いを減らすことにつながります。そしてその分のエネルギーを、細胞のために十分使えるという流れになります。
 そして、食べた物を消化するために使うエネルギーというのは膨大なのです。よくご飯を食べた後に眠くなったり、だるくなったりすることがありますが、そのためです。だから、そのエネルギーを減らすことができたら、その分のエネルギーを体に有益なものに活用することができます。
すべての人が、自分で病気を治す力を持っている
龍見:人間は皆、「自然治癒力」または「免疫力」という、体を治していくためのプログラムを持っています。だから自分で体を治す方法というのを知っているのです。
 たとえば、ガンはなかなか治らない病気だと言われていますが、普通の人でも、一日に何百、何千というガン細胞ができているのです。でもそれを免疫細胞が食べてくれているので、ガンにならないわけです。ところが体内のエネルギーが低下すると、免疫細胞がガン細胞を食い尽くせなくなり、ガン細胞が増えてしまいます。だからエネルギーを十分に、ガンを治す方向に使えるようになると、ガンは勝手に治ってくれるみたいなのです。
 アトピーや、そのほかのどんな病気でもその仕組みは基本的に同じです。
 だから、ノボクリニックの治療法はどんな病気でもだいたい同じです。治療というより、体を本来の状態に近づけることによって、自分の力で治せるようになるのです。
―なるほど、シンプルな理論ですね。それでは、ノボクリニックでオススメしている食事メニューはどういったものでしょうか?
龍見:基本的には玄米菜食に魚を食べて、お肉や牛乳、乳製品はやめる、というものですね。これを聞いただけで、「よし、今日から実行してみよう」という方がおられると思いますが、たいていは長続きしません。ほとんどの場合栄養のバランスを崩してしまうのです。結果的に、いろいろ食べたいのに我慢することになります。我慢していて病気が治るはずありません。それを避けるために、いろんなノウハウが必要になってきます。またマーガリンなどは体にとても有害なので、まずは有害なものをやめることが最初ですね。「何を食べたら良いか」よりも、「何を食べてはいけないか」の方が大事だと私は思っています。そのあたりのことは、初診の時に、お一人に4時間くらいかけてしっかり理解してもらいます。
―それはとても丁寧ですね。ノボクリニックでの治療は、保険診療外の治療法ということでよろしいですよね?
龍見:そうですね。というのも、普通の西洋医学的な治療では、ほとんどの慢性疾患は治せていません。治ったように見せかけているだけです。西洋医学の薬というのは対症療法で、症状を抑えるだけのものがほとんどです。緊急を要する時の処方としては効を奏することもありますが、それ以外では治るシステムになっていないのですね。そのことが分かっているので、ノボクリニックでは、「細胞レベルから症状を改善する」ことをテーマとした治療体系をとっています。

 この方法でだいたいの体の不調はよくなってくれるので、今生での自分の仕事はこれで十分かな、と思っていたら、妻が子供を出産した後に体調が悪くなって、うつ病になってしまったのです。

うつ病を改善するために分かってきたこと
―うつ病ですか。それは大変でしたね。その時アトピーの症状はもうよくなっていたんですよね?
ちとせ:ええ、アトピーは結婚前に治してもらって、それからはずっと健康だったのです。それから結婚して子供を授かって、今年の1月に出産しました。でも出産後に体調がおかしくなってしまったのです。いまはおかげさまですっかり良くなったのですが、当時は本当に重症のうつ病だったのです。子供を産んで3ヵ月間くらいは、見える景色が朦朧としていて、それまでできていたことが何もできなくなってしまったんです。
 うつになると本当に自殺願望が出てくるんですね。「どうやったら死ねるんだろう…、苦しい、悲しい…」と、そういう感情しかなかったです。 
 それまでの私は、どちらかというと明るい性格で、いつも笑っている感じだったのに。抗うつ剤も飲んでいたのですが、全然効かず、全然眠れず、毎日自分を責めるばかりで、本当にどん底まで落ちていたのですね。そんな症状が、約半年続きました。
―大変だったんですね。それは体のどこかが痛くて調子が悪いとかではなく、純粋に心の面での問題だったのでしょうか?
ちとせ:う〜ん、出産して、生まれてきた赤ちゃんがとても大きかったのです。3,800gの赤ちゃんでした。その時の骨盤のズレが激しかったみたいで、そのズレから、うつ病になってしまったみたいなのです。
―なるほど。骨盤のズレでそんなに重症のうつ状態になることがあるのですね。
ちとせ:ええ、そうみたいなのです。薬が効かなかったので、主人がいろいろ試してくれたのですが、なかなか改善につながる方法が見つかりませんでした。でもある時、出産で何か変化したとしたら骨盤ではないか、と思ったらしく、骨盤の調整をしてくれました。そうしたら、少し動けるようになってきて、「あ、これはいいんじゃないか」とやり続けたら、またグッとよくなってきました。そしてある時、ポーンと症状から一気に抜ける感覚があったのです!それから眠れたのです!眠れたことで気持ちが少しスッキリしました。それで心が少し前向きに変わって、「私、もう一回がんばってみよう」と思えるようになったのです。それまでは、「死にたい、死にたい、死ぬしかない」と、本当に深いところまで行っていたのですけど。
龍見:ちょっと話は飛ぶのですが、私は昔スノーボードをやっていて、膝を捻挫したことがあります。それは治ったのですが、後年、山歩きをしていたらその膝が痛み出したのです。
 整形外科の先生に診てもらっても異常はないと言われるし、整体やカイロプラクティックに通っても全然よくなりません。それで、自分なりに色々試しているうちに膝の痛みは治ってきました。その経験から、周りに膝や腰、肩などが痛いという人がいたら、その都度試させてもらいました。そうするうちに痛みが治るコツみたいなのがわかったのです。どうやら原因不明の痛みの多くは、筋膜や靭帯(じんたい)の癒着が原因のようなのです。妻に試した骨盤の調整や、最近、舩井幸雄先生に施術させてもらっているのはその応用です。
―船井も、龍見先生が体の調整をしてくれたことで体調が良くなってきたと言っていましたから、きっと奥さまの体を治すためにいろいろとされたことが、船井の治療にもつながったのでしょうね。
ちとせ:そうですね。いろいろやってもらって、(私の場合は)その骨盤調整に辿りつき、船井先生にも同じような治療を施したこともあって、船井先生の体調が改善されてきたと聞いて、「私、病気になってよかった〜〜!」と思いましたね。
 うつ病だった半年間は本当に辛かったのですが、いまでは病気になったことを神様に感謝しています。夫にももちろん感謝ですけどね。本当に介護でしたから(笑)。
―そうですか。愛から生まれた治療法という感じで、とても素敵ですね。
体の歪みが原因でうつ病になることもある
龍見:うつ病は一般的に、ストレスや心の持ち方などが原因と思われています。最近では、食べ物が原因だというお医者さんもおられます。それもある程度は正しいのでしょうが、どうもそれだけが原因ではないと思いました。
 ノボクリニックでは、「分子整合医学」といって、食べ物や微量の栄養素のバランスを良くすることで、病気を治癒していくという考えをベースにしています。これについては日本での第一人者である杏林予防医学研究所の山田豊文先生に師事し、自分なりのアレンジを加えた方法でやっています。妻もその「NOVO式」の食事をしていましたから、食べ物は問題なかったはずです。
 うつ状態の妻の様子を見ると、脳がうまく働いていないように感じました。気分の落ち込みだけではなく、判断力の低下や記憶力の低下も顕著でした。
 このことから、うつ病というのは、単に暗いとか、マイナス思考という心の問題だけではなく、脳がうまく機能していない状態なのではないか、と考えました。妻の場合は、出産がきっかけで骨盤が歪んだことが原因で、脳に何らかの影響を与えたことにより脳の機能が低下し、それがうつにつながったのだと思います。
―そうですか。最近うつ病になる人は増えているし、そこから自殺に至る人も多いですよね。体の歪みがうつ病の原因になっていることも多いということでしょうか?
龍見:そうですね。一つヒントになったのが、うつ病に限らず精神病の患者さんは姿勢が悪い人がとても多いということです。もちろん心が落ち込んでいたりすると、背中が曲がって…というのはあると思いますが、車椅子の人も非常に多いのです。姿勢、とくに下半身が関係している可能性はあると思いました。
姿勢を正すには肥田式強健術が最適
龍見:そして私は、姿勢を正すためには「肥田式強健術」が一番いいのではないかと思っています。
―「肥田式強健術」とは、肥田春充(ひだ はるみち)氏が創始し、佐々木了雲先生荒井義雄先生が受け継ぎ、船井も以前から大変注目しているものですよね。
龍見:そうです。私は「肥田式強健術」をだいぶ前から知っていたのですが、本を読んでもまったく分からなかったのですね。ちょうど「トップ塾」に、荒井先生や佐々木先生が講師として来られたので、ここぞとばかりにいろいろ教えてもらいました。はじめはやはりよく分からなかったのですが、ちょっとコツがつかめてきた時、ふと「肥田式強健術」の姿勢は、脳の中のセロトニンの分泌につながるのではないかと思いあたりました。セロトニンが出ることにより精神状態が安定します。うつ病は脳内のセロトニン不足が原因と言われていますので、うつ病の治療にもつながる可能性があります。いま研究している骨盤の調整はそこからヒントを得たものです。その他、セロトニンを中心に考えると、クンダリーニ体験などいろいろな現象が説明できます。セロトニンを大量に分泌させることにより、脳の活性化にも役立つはずです。
佐々木了雲著『肥田式強健術』(BABジャパン)
荒井義雄先生著『ミラクルを呼ぶ荒井式・中心気功法』(評言社刊)
 荒井義雄先生にそのことについてお話ししたところ、納得されていましたので間違いないでしょう。禅やヨガも基本的にはセロトニンの分泌を促すものだと思います。

 実は私自身、学生のころから軽いうつを繰り返していたことがあるのです。

 
―龍見先生自身がうつの経験があったとは、その原因はどういうものだったか思い当たることはあるのでしょうか?
龍見:性格や食べ物が原因だった可能性もあるでしょうが、私の場合、一番大きな原因は生き方の問題だったと思います。以前、普通の医者として仕事を嫌々やっていましたからね。その仕事をやめた次の日からそういう症状はなくなりました。いまは好きなことをしているのでうつとは無縁です。さらに肥田式のおかげもありいつも爽快な気分です。 
 船井先生も「生まれる前に自分の人生の大半を決めて生まれてきた」と言われてるじゃないですか。どうも、以前の仕事をしていた時は、神様か何かそういう存在が「そっちの方向じゃないよ」と教えてくれていたような気がします。それがいまの仕事に方向転換し始めたら、「はい、そっちでOK」という感じで、症状がなくなったのだと思います。
―なるほど。それにしても龍見先生の治療法は、ご自身やご家族の体験から、真剣に向き合って編み出されたものなので、とても説得力がありますよね。今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。
(インタビュアー:藤原)
舩井幸雄よりのコメント
 龍見さんにいろんな病気のポイントを探してもらいました。そこをほぐすと、見事にその病気から抜け出します。いまも顔面マヒや三叉神経痛のポイントを探してもらっていますが、うまく見つけさえすれば効果は抜群です。ぜひ難病で困っている人は、彼のところへ行ってみてください。
舩井幸雄よりのコメント
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09/12 NOVO CLINIC(ノボ クリニック) 院長 龍見 昇さん
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08/01 DLコミュニケーションズ 尾辻 かおるさん
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