船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる
このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。
名前:塚田 明彦
イリアール株式会社販売促進部の塚田です。
前回まで発声・発音について書いてみましたが、ご自分の苦手な部分は発見できましたか?
どんなことでも一緒ですが、練習を重ねると、ある程度はこなすことができます。しかし、やめてしまうとほとんどの場合は元に戻ってしまいます。たまに基本に戻って「あいうえお」を思い出してみてください。
今回は「標準語」と「共通語」について書いてみます。
「あなたは標準語を話せますか?」と聞かれたら「はい」それとも「いいえ」、皆さんの答えはどちらでしょう?? 実はこの二つの言葉、類語としてよく同じ意味で使用されますが、それぞれができるまでの経緯や目的に違いがあります。できれば混同してほしくない言葉のひとつです。
【標準語】
江戸時代までは日本全国で統一された口語(しゃべり言葉)はなく、全国各地の方言しか存在していませんでした。明治時代初期、欧米などの列強諸外国との国交が盛んになり、国力を上げるために、特に軍隊では全国から集めた若者を兵士として訓練するために、だれでも話せて理解できる言葉が必要不可欠でした。
まずは全国各地で文化として育った「方言」や「武家と商家・山の手と下町」などの職業や生活環境で独自に育まれた「ことばづかい」が乱立する口語を統一する必要に迫られます。最初は、とにかく方言は不可というだけで、全国共通で通じる言葉の指針はありませんでした。明治時代も中盤を過ぎてから、やっと国家事業として、「標準語」作りが始まります。
当然のごとく全国の実力者や有識者から、「自分の地元の言葉こそ基準とすべき標準語にふさわしいから採用せよ!!」と意見がでます。すったもんだの末、東京方言の中で、山の手の中流階級(多数派・教育層)と言われる人達が話す言葉をベースとして、不要語を削除し、足りない言葉を造語し、発音・アクセント・意味・表記のしかたを統一し徐々に整備されていきます。
学校では、最初は存在すらしなかった「国語」の授業も取り入れられ、大正14年3月22日午前9時30分の「JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります」から始まった、ラジオ放送を通して全国に定着してゆきます。
しかし、「標準語とは模範(標準)となるべき正しい日本語であり、日本国民は方言を禁止し標準語を使用しなくてはならない」という、とんでもない時代もありました。 また「標準語とは音韻・語彙・語法などすべての面で国語の規範として尊重され、教育・法令などの公用語として用いられる言語。
制定にあたっては、一国内で共通語となっている言語がもつ欠点を、何らかの機関によって是正するという人為的操作が必要となる。」(三省堂 大辞林より)という定義もあります。
「標準語」は「共通語」の上に成り立っており、日本共通の口語を作るための標準であり、実際には使われることのない架空の言葉ともとらえられています。
【共通語】
太平洋戦争が終わり、平和な世の中となり、教育にも自由な考えかたが生まれ、各地の方言は大切にしつつ、誰でもコミュニケーションがとれる言語、「標準」ではなく、あくまで「共通」の言葉として「共通語」という観念が一般的になってきました。※共通語については、こちらのウィキペディアがわかり易い説明がありますので参考にしてください。
「共通語」では人為的に決定するのではなく、その時代に合った言葉が自然に生まれます。特にテレビの普及によりその影響が大きく、それまでは一部地域の方言であったはずの言葉や、メディアに登場する人が作った造語や間違った言葉使いでも、はやり言葉となれば、全国の大多数の人がそれと気づかず普段の言葉として使っています。その言葉がある程度長く使われ市民権を得ると、毎年辞書に掲載するか否かの議論が白熱しています。時代に合った新しい言葉が誕生するのは決して悪いことではありません。しかし言語は文化です。「共通語」の自由性により、日本語がどんどん壊れてきているのも事実です。
「共通語」の基準を決めたものが「標準語」であるならば、今からの時代は、美しい日本語を基準にして、その時代にあった「共通語」が熟成されていくことを祈ります。 最後までお読みいただきありがとうございました。
5周目:「自分にしかできないこと」
6周目:「自分にしかできないこと−その2」
7周目:「自分にしかできないこと−その3」
8周目:「「正しい日本語」を考える−その1」
9周目:「「日本語」を考える−その2」
10周目:「「日本語」を考える−その3」
2012.06.28: 「日本語」を考える−その4
2012.06.27: 日本一の波動学者、言語学者、宗教研究者の七沢賢治さんに逢えます
2012.06.26: 今知らせたいこと 「誰でもできる、心の力の引き出し方を教えます。」
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2012.06.21: ロンドン・シティで感じた意外な“気”
2012.06.20: 『ザ・フナイ』6月号「幸筆」より
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2012.06.15: 健康を損ねてみて、初めてわかるもの。
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2012.06.11: 竹布(たけふ)という神様からの贈り物
2012.06.08: コミュニケーションプラットホームとミニロゴストロン
2012.06.07: 時間の使い方
2012.06.06: 大盛況!にんげんクラブ関西大会
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2012.06.04: 防災の心得