船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
最高の褒め言葉
2013.3.12(Tue)
社名:イリアール(株)
名前:広川 裕子

 『船井幸雄.com』をご覧の皆様こんにちは。
 イリアール株式会社の広川裕子です。

 黄砂や花粉を連れて、いよいよ春がやってきましたね。

 先日、数年前まで住んでいた土地のママ友からメールがきました。
 我が息子とは、ハイハイ時代〜2歳まで近くで過ごしたTくんのママです。

 『妙に長いから暇な時に読んでね』というタイトルのメールは、以下のようなものでした。

〜以下、転載〜

 風呂でね。
「おかあさんがいいからおかあさんのとこにきたの」って突然Tが言い出したの。
 もしかして、生まれる前の記憶?って思ってさ〜

ママ友(以下、M):お母さんのとこに来てくれたの?
Tくん(以下、T):そうだよ。
M:嬉しいなぁ。ありがとうね〜。Tのほかにお友達いた?
T:いたよ。知らないお母さんのとこに行ったよ。ボクとお母さんは知ってるおうちに行ったよ。知らないお母さんは知らないおうちに行ったよ。
M:Tとお母さんはこのうちにきたんだね。
(T無言)
M:他に何かあった?
T:あったよ。
(間)
M:知らないおじさんいた?(神様のつもりで聞いた)
T:(適当な感じに)うん。
(間)
M:お店あった?
T:(適当な感じに)うん
M:そっかぁ。

 って答えながら、こりゃ残念ながら創作だなって思ってたら、

T:お空みたいなのがあったよ
M:そこはお空みたいだったの?
T:うん

 そんだけ言ったらもう何も言ってくれなくて、その後はウルトラマンの話に戻っちゃった。
 Tの創作かもしれないけど、私のもとに、お母さんが良かったからお母さんのとこに来たって言ってくれたのはすっごく嬉しかったよ。

〜転載ここまで〜



 本当に。どれほど嬉しかったことでしょう。
 Tくんは、重度のアレルギー体質。
 卵、牛乳、小麦、大豆……その他もろもろ。
 口にすることはもちろん、間接的に(例えば、食器などに付着したものを)触ったり、空中に浮遊している小麦粉を吸い込んだだけでもアナフィラキシーショックを起こす危険性があります。
 食物だけではありません。
 動物、植物、ハウスダスト……Tくんの日常は危険なものに囲まれていると言っても過言ではないのです。

 その上、アトピーでもあり、眠くなって体温が上がる頃には、かゆくて、泣きながら全身を掻きむしってしまうのです。

 愛しい我が子を爪の脅威から守るため、私の逞しいママ友は、夜もほとんど寝ず、Tくんのかゆい体をTくんの爪の代わりに、優しくさすり続ける……。
 そんな毎日が4年と5ヶ月。

 寝不足で体調を崩すこともあるでしょう。
 落ち込んだり、イライラしたりもするでしょう。
 「こんな体質に生んでごめんね」と自分を責めることもあるでしょう。

 「おかあさんがいいからおかあさんのとこにきたの」
 迷いのない、力強い言葉に、彼女の疲れや迷いは吹き飛んだに違いありません。


 胎内記憶・誕生記憶について研究されている、池川明先生の著書には、Tくんのような話がたくさんあります。
 池川先生自身も書かれていらっしゃるように、重要なのは、子供の言葉が真実かどうかではありません。
 子供がその言葉を話す理由にこそ真実があるのです。
 例え、Tくんの作り話であってもなかっても、ママにとってはどちらでも良いことでしょう。


 Tくんは、この春、幼稚園に入園します。
 Tくんの世界が広がることに、母親として、期待と、それを上回る不安があることと思います。

 どうか、新しい生活が、Tくんや彼女にとって、楽しいものでありますように。
 そして、Tくんを取り巻く環境が、Tくんを理解し歩み寄る、柔軟性ある環境でありますように。
 約300km離れた空の下から、願わずにはいられません。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


13周目:「シンクロの不思議」
14周目:「チューブちゃんのこと」
15周目:「親の心子知らず」

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