船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　以前のコラムでは「勝負の分かれ目」という題で書きましたが、今度は違う視点で書いてみたいと思います。

　先日、プロ野球の日本シリーズが行われ、４勝３敗という僅差で、西武が巨人に勝ち、日本一になりました。最終戦の最中も、勝利の女神がどちらに微笑むのか全く予想ができないくらい、試合展開は縺（もつ）れていました。

　私が、勝負の分かれ目と感じたのは、８回です。西武の１番片岡が死球で出た後、初球に盗塁、その後、送りバントと内野ゴロで同点に追いつきました。ノーヒットでの同点劇は、巨人中継ぎの越智のリズムを完全に狂わせ、平尾の逆転タイムリーに繋がりました。短期決戦の、しかも緊迫した終盤で、僅か１点を追う無死１塁の場面、セオリーでは確実に送りバントの場面です。試合後の片岡の談話ではノーサインだったというコメントには驚きました。

　ノーサインでの盗塁は、シーズン中からの普段通りの西武の野球です。片岡の一寸の迷いもない一瞬の判断は、渡辺監督から信頼されていることを本人が自覚している証拠だと思いました。失敗が頭の中をよぎれば、あの場面で盗塁はできないはずです。勝負を決めたのは、監督と選手の信頼関係が生んだ一瞬の判断だったと思います。私は、この場面で、渡辺監督の選手に対する考え方が解ったように思いました。

　西武の選手の中には、監督が違えば才能が潰されそうな、不器用な選手が多いのではないかと思います。監督からの一寸の迷いのない信頼は、プレイヤーにとって、これ以上ない原動力となります。前年Bクラスからのからの巻き返し。それは失敗を恐れない、攻めの野球が結実したものでした。

　組織を構成するプレイヤーには、各々役割があります。個々を見つめると、一人一人の力は微々たるもので、多種多様な特徴のある個性の歯車が、絶妙に噛み合うことで勝利へと近づきます。西武も日本一への過程には紆余曲折があったように、個性を活かしながら足並みを揃えるには、一筋縄でいかない難しさもあります。しかし、僅かな差を分ける、決定的な勝負の分かれ目をものにするためには、各々のプレイヤーが組織における役割を自認し、互いに認め合い、信頼関係から形成された、強力な組織力が必須のようです。今回の日本一になった西武の躍進も大いにヒントになりました。

　（株）本物研究所は、スタッフ２０人強で構成する、小さなベンチャー組織です。転勤等の移動もなく、組織力を活かすには、最適の人数と考えます。ベンチャー企業は新しい価値を社会に創造してこそ存在する価値があるとすると、生半可なビジョンでは存在価値を見い出せないでしょう。強固な組織力を発揮できてこそ、ベンチャー特有の強烈なビジョンを実現することができるはずです。


★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆
！！「本物研チャンネル」開設！！
船井幸雄が推奨する本物商品を映像で紹介する
「本物研チャンネル」を開設しました！
今回は、第一歩として本物商品の紹介ＶＴＲを作成しました。
「本物研チャンネル」の夢はイヤシロチや本物技術の現地レポートなどです。
本物商品の良さを分かっていただけると思いますので、是非ご覧ください。
http://www.honmono-ken.com/ch/
★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆


４周目：「旧友　（テーマ：“働く”ということは）」
５周目：「志を一つに　（テーマ：私が日々思ふこと）」
６周目：「伝えるということ　（テーマ：私が日々思ふこと）」
７周目：「自身の役割とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」
８周目：「冬の季節に思うこと　（テーマ：私が日々思ふこと）」
９周目：「お客様に教えられる　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１０周目：「本物の法則とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１１周目：「死生観　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１２周目：「商売の本質　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１３周目：「勝負の別れ目　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
１４周目：「日々私が思うこと　（テーマ：私が日々思ふこと）」