船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　政治学者の姜尚中さんの著作『悩む力』（集英社）がベストセラーになっているのをご存じでしょうか。姜尚中さんの存在はテレビ番組「朝まで生テレビ」で知りました。クールで知的な語り口が印象的な方です。いつからでしょうか、気が付くと書店では姜さんの本が平積みになってベストセラーの仲間入りをしていました。本のタイトルに惹かれ私も読んでみました。

　その感想ですが、一言、とても面白かったです。特に最終章は、思ってもみなかった論旨の展開となって、心の深い部分で勇気をもらい、明日への活力が湧いてきて、読了後気分も軽やかで清々しくなりました。その印象からですが、ベストセラーになった理由がちょっとだけわかったような気がしました。
　内容も、夏目漱石とマックス・ウェーバーという二人の近代知識人の言葉や業績を引用し話を進めていますから一見堅そうな感じがするのですが、すこぶる等身大な著者の考え方がそこに書かれてあって非常にわかりやすかったです。また、その単純で素直な考え方に対して共感もおぼえました。

　まじめに悩もうよ、まじめに他者に向かおうよ、人というのは他者との関係性の中でしか、他者との相互承認においてしか、生きていくことができないのだから。それには心を閉ざすのではなく、自分を開くこと、ただ無理するのではなく、自分の身の丈に合わせて。答は見つからないかもしれないけど、自分を信じて確信が持てるまで悩み続け、もがきながら行けるところまで行くことが答なんじゃないかと。その悩む力こそが生きる力、だから大いに悩め、悩もうではないか。といったようなことが姜尚中さんの主な考え方であると思いました。つまり「悩む力」とは、「生きる力」の謂なんですね。

　私はそれを人生にこだわりを持つことという印象を受けました。人生を真摯に生き抜く姿勢というふうに感じたのです。抗（あらが）うことができない時代の流れをちゃんと認めながら、身の丈であること忘れずに悩む力をつけることを説いているのですから、けっしてヒーローであれとは言ってないわけです。姜尚中さんの本の中に出てくる言葉は、一種の清々しささえ感じました。

　そして最終章に展開された夢「一身にして二生を経る」の考えは、展開的に意外でもあったのですが、なるほどそれは愉快で痛快、私もかくありたいと思わせてくれる本でありました。


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１周目：「船井会長の“幸せを呼び込むCD”について　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
２周目：「私のストレス解消法」
３周目：「船井会長の言葉を因数分解　（テーマ：私が日々もの思ふこと）」
４周目：「天才の眼？　（テーマ：私が日々思ふこと）」
５周目：「「不動心」　（テーマ：最近読んでオススメしたい本）」
６周目：「細分化思考　（テーマ：私が日々思ふこと）」
７周目：「「オープンワールド」で体感したこと　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
８周目：「ＫＯＴＯＢＡ　（テーマ：私が日々思ふこと）」
９周目：「びっくり現象と熊楠　（テーマ：私が最近ビックリしたこと）」
１０周目：「シンプルな言葉　（テーマ：船井会長から学んだこと）」
１１周目：「雑感　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１２周目：「仕事通じて感じ学んだこと　（テーマ：仕事をしていて学んだこと）」
１３周目：「感動した玉三郎の舞台　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
１４周目：「チームプレイ　（テーマ：仕事をしていて感動したこと）」