船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　日頃お世話になっている（株）船井総研の柳楽仁史先生の新著『不動産会社はワインを売れ！』（総合法令出版）を読んで強く感銘を受けました。正しく、私共が目指す未来を細かく描写された道しるべのような内容だったからです。非常に分かりやすかったのは、ストーリー仕立てで展開される、「あるある」とうなずいてしまうような、商売の現場で起こる様々な弊害、それを打破する解決方法等、超現場に近い臨場感溢れる事例でした。

　題名のような「業際化」というフレーズが反映に登場しますが、業際化とは、従来の業種の際(際)、境目がなくなることを指しています。例えば、題名のように、通常ワインを売るのは酒屋ですが、不動産屋でもワインを売るチャンスが多いにあり、そこに客数の減少や客単価の低下に悩む、不動産屋が生き残っていく鍵があるということです。

　マーケティング理論に基づいた書籍は様々にありますが、船井流の最大の長所は、教科書を学ぶだけでは得ることができない、超現場密着からルール化していく点にあります。日々現場に張り付いて、目で見て感じ、気付いたことをルール化する地道な蓄積は、理論を越える説得力が生まれます。現場密着でなければ、今回の本のような内容にならなかったと容易に想像できました。

　私も営業を経験するうち、現場感覚を持つことの重要性を如実に感じるようになりました。業際化の発想の視点は、収益性を上げることのみならず、「お客様が必要としているものはないか」とニーズを感じて汲み取っていくことが必要です。拾う情報が広く深いほど、マッチングさせる情報、商品が無限に広がっていくからです。従来の発想にとらわれない、誠実に「お客様を想う気持ち」があってこそ生まれてくる発想なのです。

　時流は確実に「本物化」に向かっているのであれば、商品しかり、商いのあり方しかり、商人も「本物化」を求められていると言えます。今、顕著に出てる現象としては、売り手と買い手との人間関係の重要性です。即ち、関係が濃ければ濃いほど、言ってしまえば「何でも売れる」ということです。商品にしても本物性を備える程、本来、全ての人にニーズがあるはずです。

　今回の柳楽先生の書籍から、現場密着ルール化の継続性の大切さを学びました。その蓄積からしか得られない商人としての視界があるならば、それが見えるようになるまで、粘り腰で継続するのみです。


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４周目：「旧友　（テーマ：“働く”ということは）」
５周目：「志を一つに　（テーマ：私が日々思ふこと）」
６周目：「伝えるということ　（テーマ：私が日々思ふこと）」
７周目：「自身の役割とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」
８周目：「冬の季節に思うこと　（テーマ：私が日々思ふこと）」
９周目：「お客様に教えられる　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１０周目：「本物の法則とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１１周目：「死生観　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１２周目：「商売の本質　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１３周目：「勝負の別れ目　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
１４周目：「日々私が思うこと　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１５周目：「信頼から生まれる組織力　（テーマ：私が皆さまにお伝えしたいこと）」
１６周目：「ツキで周りを固める　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１７周目：「妻のこと　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１８周目：「スモールベースボールの可能性　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
１９周目：「人馬一体に感動　(テーマ：私が日々もの思ふこと)」
２０周目：「想念力　（テーマ：私が日々思ふこと)」