中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2020.08.20(第71回)
食べ物を変えたいママプロジェクト 一人から始めるママたち

 最近、有機給食へ向けての活動の中で感じたことは、ママたちの目覚めです。幼い子どもたちを育てながら、自分の体調管理も含め家族の健康を維持する食を勉強し、探し、そしていずれお世話になる学校給食のことも調べ、安全なものを食べさせたいと声を上げる。

 こういうママたちをサポートしているのですが、先日お子さんが通っている幼稚園で「いただきます みそをつくるこどもたち」のミニ上映会をしました。その時の彼女の挨拶が、本当に心にしみました。中でも「私、こういう食事を子どもたちに食べさせたい! 世の中に対してこういうものが欲しい、こうあって欲しいって、思ってもいいんだ!声に出してもいいんだ!って気づいたんです。」という言葉を隣で聞いていたのですが、なぜだかとても感動し、これが目覚めというものではないのか、と思いました。

 そんな彼女の周りには、純粋な強さと頼りない雰囲気が漂い、とても放ってはおけないご主人やママ友、園長先生、スタッフみんなが支えていました。すばらしいなー、私もサポート頑張ろうって思いました。

 その幼稚園は50年以上の歴史があるのですが、広い農地を持ち、園長のお父様が自然栽培で野菜を作っています。園長のお母さま(元園長)は地元で米糀を作ってもらい、保護者達と味噌づくりをしています。これだけ地元に根差した方たちが賛同してくれれば、あとは彼女が看板を上げてみんなを繋げるだけです。ほんの一押しの状況であったところに、一人のママの目覚めが道を拓いていく。このような場面に出会えて本当に感謝です。

 その5日後、やはり幼い2人のお子さんを育てているママから、話を聞いてくれる女性の市議会議員さんと約束したので、一緒に会って欲しいということで出かけていきました。その議員さんは市の給食の状況をいろいろ調べてきてくださっていて、その中でも市全体の給食を一手に考えてくれている栄養士さんがいることを教えてくれました。私を呼んでくれたママも、手探りで食の改善をしながら、穏やかで健康な子育てをしている方でした。
 優しくて細くて頼りなさそうに見える彼女もご主人が手伝ってくれていました。彼女と今後の作戦を練りながら、一人からでも始める覚悟がある芯の強い方であることが分かりました。「母は強し」、子どもを産み育てる女性の考えがもっと行政に取り上げられるよう、サポートしていこうと思います。

 そんな目覚めたママたちに朗報です。9月25日(金)に、世界中に広がるオーガニックの波「子どもたちの給食を有機食材にする全国集会」が開催されます。そうそうたるメンバーで内容が素晴らしいです。コロナ禍で3月9日の予定が延期されたことで、今度はメイン会場(八芳園)でのリアル参加100名(参加費3500円)と、ZOOM参加3000名(参加費500円)という設定です。中止になることはありません。日本中、世界中からの参加が可能です。ZOOMの可能性がみんなに認知されたことは、コロナ禍での成果ですね。実際に会ってお話しして交流することにはかないませんが、拡散にはとても役立ちます。

 会はパート1とパート2があり、パート1では、韓国の有機給食事情や、アメリカの給食産業が日本を狙っている話を、元農水大臣の山田正彦氏と国際ジャーナリストの堤未果さんからあります。次に有機米100%の給食を地元の農家の有機稲作転換を成功させて実現したいすみ市の鮫田さんからの報告、その稲作技術を指導した民間稲作研究所の稲葉光國先生のお話、有機栽培を学ぶことは人を育てるという澤登早苗先生のお話しなど、有機給食実現のために必要なことが360度学べる内容です。
 パート2は、すでに各地で動き出している、有機給食の情報交換会になります。韓国のソウルからもZOOMによる報告があり、木更津、羽咋市、長野などの進展状況や、有機栽培に取り組む生産者からの報告、リンゴの木村さんのビデオ出演もあります。

 この会は、全国から最前線の情報が集まるので、開催後は、その情報網を整理し、有機給食へ向かっている方たちへのサポートができるような、プラットフォームづくりも考えています。

 とにかく大きな1歩になることは間違いありません。メイン会場参加と共に多くの方のZOOM参加をお待ちしています。詳細は、添付します。



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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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