船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
私の好きな音風景
2015.3.2(Mon)
社名:(株)船井メディア コンテンツ・プロダクトグループ
名前:中沢 弥生

 みなさま、こんにちは!
 寒さが残る中にも、時折ほんのりと花の香りが感じられるようになりました。毎年、私は沈丁花が咲くこの時期を心待ちにしています。近所の「沈丁花スポット」をはしごして、芳香にうっとりと酔いしれながら帰宅することもしばしば。というのも、沈丁花は精油を採取するのが困難なのだそうで、年中香りを味わうことができないのが惜しいところですが、それが風情というものなのでしょうか。

 さて、先日あるオーケストラのコンサートに行きました。
 プログラムが順調に進み、いよいよ後半もクライマックス。あぁもう終わってしまうなぁ、という感慨とともに曲が閉じられようというその瞬間、恐れていたことが起きました。
 最後の音のあと、間髪入れずに「ブラボー」の声、続いて静寂を破るまばらな拍手が。 しかし、マエストロは静止したまま、構えを崩しません。気配を察して拍手は止み、ひと呼吸置いてようやく指揮棒が降りました。場内は何ともいえない微妙な空気に……。私もやり場のない思いをなんとか収め、気を取り直して精一杯の拍手を送りました。

 俗にフライング拍手、フライングブラボーなどと呼ばれるこの行為。お約束のアンコールやオペレッタ(喜歌劇)などでは定番のスタイルとなっている場合もあるかもしれませんが、通常の演奏会では、時と場合によると思います。
 各コンサートにはコンセプトがあり、また演奏される作品、演奏者、観客にもそれぞれ多様なエピソードが秘められていることでしょう。しかし、我先にと思慮を欠いた「音」によって、それらの物語が一瞬にして台無しになってしまうのは、何とも無念です。

 最近では、演奏会によって「拍手は完全に音がなくなってから」という旨のアナウンスを耳にすることがありますが、他にも携帯電話は切ってとか、補聴器の雑音に気をつけてとか、地震のときは指示に従って、などと年々アナウンスの内容が増えており、たいへんな世情だなぁと思わずにはいられません。

 サントリーホールでは、コンサート会場でのマナーについてわかりやすく明記している「コンサート・ガイド」というリーフレットを配布しています。コンサートをより快適に楽しむための留意点が、開演前および鑑賞中に分けて詳しくまとめられています。
※掲載ページURL(サントリーホール公式サイト内)
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/faq/pdf/concertguide_J.pdf

〜一部引用〜
「拍手は焦らず、がコツ: 拍手のタイミングは難しくありません。目安は、指揮者のタクトが降りてから。周りから拍手が聞こえ始めてからでも大丈夫。ブラボーの掛け声も同様です。演奏の最後に残る音の余韻も十分にご堪能ください。」

 上記の通り、とりわけ拍手については、ご機嫌を損ねないよう慎重な表現をしています。それだけ感情に障るデリケートな問題なのでしょうが、今これを書いている私も、やや感情的かもしれません(笑)。

 曲の終わりこそ、作品の表現が完成する大切な瞬間。
 音楽の残響が、ホールの空間でまろやかに溶けていく。
 静寂ののち、やがて明かりが灯るように拍手が湧きおこる。
 余韻を分かちあう拍手は温かで、お互いへの敬意や喜びに満ちている……。

 実際に、こんな場面を全身で味わえたときは、至福のひとことに尽きます。演奏者と観客の立場を超えて、ホール全体がひとつになれたとき、宇宙を感じるといっても大げさではないような気がします。

 ちなみに、終演後の奏者たちを客席から眺めているというのが、コンサートでのもうひとつの密かなお楽しみです。プロ・アマを問わず、舞台上でメンバー同士が挨拶や握手を交わしている姿がよく見られますが、演奏を終えた晴れやかな笑顔がまぶしくて、ついいつまでも見入ってしまいます。もしかすると、その場面に自分自身をあてはめて、憧れを満たしているのかもしれません。

 そう、私にとって、憧れこそが原動力!
 大好きな場所で、さまざまな響きの体験を重ねていきたいと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


18周目:「インドの叡智」
19周目:「目に見えないけれど大切なこと」
20周目:「倍返し!?」
21周目:「かけがえのない日々」
22周目:「民族共栄のオーケストラ」
23周目:「小さな旅」
24周目:「お楽しみさま」
25周目:「美しさの習慣」
26周目:「ある晴れた日に」
27周目:「遊戯三昧」

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