中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。
みんなには農薬を食べさせたくないという気持ちは、日に日に強まっています。それは、農薬の健康障害の研究がどんどん発表され、それが人間の腸や脳の機能を傷つけ、今まで消化や解毒が出来ていたものまで処理できず新たなアレルギーや病気の原因になっていたことがわかってきたからです。
除草剤グリホサートは、私たちの腸の、アミノ酸に分解し吸収するという大事な機能をダメにするし、殺虫性を持たせた遺伝子組み換え作物は虫の消化器に穴を開けて殺す同じ方法で人間の腸も漏れるようにしてしまうし、殺虫剤ネオニコチノイド系の殺虫剤は、脳をかく乱し特に脳関門が発達していない子どもたちを脳障害にするし、ネオニコチノイドの代替農薬であるフィプロニルはギャバを阻害し怒り狂って死ぬ虫や、切れる人間にしてしまうし。
考えてみれば、レタスと人間だって遺伝子レベルでは90%が同じだそうで、地球上の生きものである限り基本の生化学反応はかなり共通であり、草や虫だけ殺すことなどできない相談なのです。
しかし実際、すべてを無農薬の有機野菜にしたいと願っても、有機農産物は0.5%であり、200人に一人しか食べられない計算です。実は日本では2006年に「有機農業推進法」がたくさんの方の努力でできたのですが、この17年間の統計でも、法律が制定された時とほとんど変わらないのです。世界では5倍になっているというのに。
有機農業が伸びない理由は何だと思いますか? その前に、有機農法とは何か知っていますか?有機農業は有機肥料を使う農法ではありません。有機とは天にカラクリ(機)有りの意で、土も水も太陽光線も嫌気性菌も好気性菌も田んぼの生きものたちもフルボ酸もフミン酸も自然界すべての働きを活かす農法なのです。ですから、有機農法が進めば進むほど自然農法に近づいていきます。何も人間がいれなくても、そこに湧く命たちが栄養を作ってくれる、人間はそれをうまく利用できるようにする。それが農業技術なのです。この研究はかなり完成されてきたとはいえ、農大では近代農法を教えているので、学生のうちから学ぶことはできません。今でもマイナーな技術なのです。
元に戻って、有機農業が日本で伸びない理由は、有機認証をもらうのにお金と時間がかかること。有機農業技術が学生から学べないマイナーな技術であり、普及が進んでいないこと。手間と労力がかかる割にそれに見合った販売価格で売れないこと。近代農法では農薬使用は当たり前で、それを推奨している国もJAも農薬を使用しない農産物を売ってくれないので、販売ルートを自分で開拓しなければならないことなどです。
つまり、国もJAも有機農業の発展に力を入れないからです。消費者も間接的にそれに協力していることになります。生協や生活くらぶやNPOなどが直接有機農業の農家と結ぶという方法だけで今まで維持してきたのです。それが0.5%から伸びない理由です。
しかしここに、素晴らしい方法があることがわかりました。韓国の例です。現在韓国の有機栽培面積は日本の18倍です。その理由は韓国が子どもたちの給食を無償で有機給食にしたからです。韓国が給食を有機にしたのには理由があります。それは、アメリカと結ばされたFTAという自由貿易で地産地消をつぶされそうになり、食の安全の危機に直面し、この状況から子どたちを守るために有機給食を始めたのです。以下、元農林大臣の山田正彦さんが韓国を訪問した時の報告です。
「チョンジュ市(人口80万人)では、小学校、中学校、高校まで11万人の全ての生徒に無償でかつ有機栽培の食材で毎日学校給食を実施しています。食材は市が 契約している民間の流通センターに集められ、野菜などは下処理して、 注文通りに学校の調理場に届けられるシステムです。栄養士のキム・ジウンさんは教職でもあって、子供達に食育、ことに無農薬、有機栽培の食材が慣行栽培との違い、健康にいいことを教えているそうです。
アレルギーの子供は500人中10人程で、今日の献立の中で番号を見て、その辺の物は避けて他に用意されたものを選ぶそうです。こうして 同市では180の小中高の学校、11万人の児童生徒に毎日 無農薬有機栽培の学校給食 を実施しています。
主食のお米は全て有機栽培のもので 、小麦製品はパン等はなく、国産小麦でのうどん、御菓子があるだけで 、副食の野菜などは50%は有機栽培のものだそうです。
このような学校給食が実現できたのは チョンジュ市では市議会で条例を制定して、学校給食を無償化、有機栽培にすることにしたからだそうです。市と教育委員会では 有機栽培のものと慣行栽培の物との差額、無償にするための予算だけで年に110億円を負担しています 。
韓国の農水省を訪ねて チェイヒョン親環境農業課長に聞いたところ、韓国の小中高校ではほとんどがそういう状況になってきたようです。あと数年もすれば学校給食はそのほとんどを有機栽培かつ無償化で実現できる自信があるそうです。その根拠として憲法に教育の無償化がうたわれ 教科書 学費などの無償化と共に学校給食の無償化も憲法上保障されているとの説明でした。さらに同課長は妊婦、小さな幼児にも安全な有機栽培での食事を実現できるよう対策検討しているとのことです。当然、韓国では遺伝子組み換えの試験栽培を止め、ラウンドアップの使用も禁止、ネオニコチノイドも屋外での使用を禁止しています。」
韓国がこんなにすばらしい政策を実現しているとは知りませんでした。有機給食もやろうと思えばできるということです。日本でもTPPという自由貿易協定や2国間協定で農業はいちばん犠牲にされており、ますます食環境は危険になってきています。この状況から子どもたちを守るために、日本の大人たちも立ち上がって有機給食を始めましょう。
先ず、有機認証を取るための費用を自治体で負担し、学校給食のコメから有機食材にしてその差額を負担するだけで、日本の有機栽培は一気に進み始めます。もっとも有効なのは、給食を食べている子どもたちのお母さんの声です。メダカのがっこうでは、「食べものを変えたいママプロジェクト武蔵野」を始めました。はじめの目標は、学校給食を有機にすることです。区長や市長さんは、お母さんたちから声が上がるのを待っているようです。大丈夫、みんなが望めばできます。有機給食を願う仲間を増やしましょう!
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2019年12月2日〜12月12日 アメリカを変えたママがやって来る!日本のお母さんたちも、アメリカのママたちに続こう! |
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首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/