中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。
―第9回田の草フォーラム@オンラインで開催します!―
2019年の第8回田の草フォーラムでは、千葉県いすみ市で100%有機米給食が実現したという発表をしていただきました。その有機米は全部いすみ市の農家が生産したものです。今まで無農薬を経験したことがない農家も参加しての成功です。これを可能にしたのは民間稲作研究所の稲葉光國先生の有機稲作技術。田植えをしてから、稲刈りをするまで一度も草取りのために田んぼに入ることなく反当り平均7〜8俵の収穫があるという技術にみんなついていきました。
いすみ市の有機米は、子どもたちの給食に出されているお米ということで「いすみっこ」というブランドになり、広く市民に知られ食べられるようになりました。給食で使う有機野菜も徐々に増え、今年は7種類になりました。いすみ市の有機給食は皆に希望を与え、子育て中の家族の移住者が増えました。農家もきちんとポイントを押さえれば失敗しない有機の米作りに自信がついて、やりがいをもって取り組んでいます。
しっかりと構築された有機栽培技術が有機給食を支えました。そしてまた有機給食が有機農業をけん引していきます。作る人も食べる人も田んぼの生きものたちもみんなが元気に生きていける形が実現しました。夢のような話ですが、これしかない正解に行きついたような気がします。
ここでいすみ市の農林課でこの事業をけん引した、鮫田晋さんからのメッセージをご紹介したいと思います。有機給食と有機農業の素晴らしい関係が、喜びを持って語られています。
「有機農産物を学校給食に」といううねりは、ますます大きく拡大し、決して止まることはないと確信しています。経験上、いすみ市では誰もが良い取組として歓迎していますので、これは人として当たり前に抱くこと、言わば国民的ニーズなのだと思います。日本だけが未来永劫、世界に取り残されたままというのは全く根拠がないです。うちのまちは変わらないなどという幻想は捨て去るべきだと思います。多くのまちでは今はまだ潜在的ニーズにとどまっているかもしれませんが、志のある方には、これ以上ない良いことだという自信をもって、実現に向けて一歩大きく踏み出されることが期待されています。子どもたちに安全な食べものを提供する過程で、様々な効果が期待できます。なかでも有機農業に取り組む農家を増やす効果には、国はもちろん、どの自治体も関心を持っています。経営のよい農家を増やすことや、あらたに農業をやる人を増やすことは、農業政策の第一目標であり、地域でそれに最もよく叶う取組がオーガニック給食です。現在は、有機農業が優良経営に位置付けられ、新たに農業をはじめたい人のほとんどが有機に関心を持っていることは周知の事実です。以上の事を考慮すると、それぞれの地域でオーガニック給食をすすめる際、仲間内の有機農家だけで囲ってしまうと自治体の関心は離れていきます。他者から一部の農家だけに便宜が図られると見られてしまうからです。慣行農家も仲間に入れて積極的に有機に転換してもらうことや新規就農者を積極的に迎え入れることが必要であり、主義主張の違いにとらわれることなく、よりよきまちを目指して他者と手を取り合っていくことが成功の秘訣であると感じます。いすみ市では、現在も有機に転換する農家や就農希望者が後を絶ちません。オーガニック給食が気に入っていすみ市に移住する方がどんどん増えています。行政に対する市民からの信頼は厚くなりました。いろんな立場のいろんな人が本当に毎日やってきていいね、いいねと言ってくれます。これらは全て稲葉先生をはじめ先輩有機農家の皆様がいすみ市を応援してくれたおかげです。もともといすみ市には特別優れたところは一つもありません。本当にどこにでもある自治体なんです。有機の給食はどの自治体でも絶対にできます。むしろいすみ市よりも簡単にやってのける自治体がこれからたくさん現れます。
自治体行政は、市民のニーズをかたちにすること、いすみ市の場合、オーガニックの給食が実現したのは農家の想いが発端でした。地域全体のために一番努力したのは農家です。能書きだけを声高に主張しあるいは他者を批判するのではなく、農家が汗水たらして地域の子どもたちと一緒に有機米づくりの授業に励む姿を多くの市民が見て、なるほど有機農業っていいもんだなあとファンを増やしていったのです。農家の皆様の志は必ず大きな成果を生むと信じていただきたいと願っています。いすみ市は、皆様とともに何があっても前進していきますので、今後とも変わらぬご支援、ご指導くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。
第9回田の草フォーラムをオンライン開催します!今年はいすみ市の後に続く木更津市の有機給食と有機農業の報告あり、日本中が有機給食になっても支えられるだけの有機農業や自然農法の技術があるという農家からの発表、など盛りだくさんです。2日間のオンライン研修は参加が大変と思い、参加申し込みの方には、後日すべての発表者の資料付きの動画を配信する予定です。関心のある方はどうぞご参加ください。
以下HP参加者募集のURLです。
http://npomedaka.net/news/tanokusa
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首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/