中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

メダカのがっこうには、以下のような3つの宣言があります。

1.私たちは、田んぼから瑞穂(みずほ)の国日本の自然再生をします。
2.私たちは、お米中心の一汁一菜の食事で日本人の心身を健康にし、食料自給力をつけます。
3.私たちは、命を大切にする農家と手をつなぎ、生きる環境と安全な食料に困らない日本を次世代に残せるような先祖になります。


このコラムでは、「メダカのがっこう」での活動内容や、様々な経緯で「メダカのがっこう」に参加された方々のご紹介や、健康のための大切な情報などをお届けしていきます。

2021.02.20(第77回)
こんな町に住みたい 元気な子が育つ自治体調べてみました。

 今や、市から町から村から、食の安全を守る時代です。グローバルからローカルへ、元気な子どもを育てるため自然環境と安全な食糧のある自治体に移住するのもあり、住んでいる街が好きならそこを良くするために自治体の議員や長に働きかけるのもあり。そこで今回は、@種子を守ってくれている自治体、AGMO(遺伝子組み換え作物や商品)を作らない宣言をしている農場がある自治体、B有機米給食100%の自治体、一部からでも安全な給食を始めた自治体などで、全国の状況を調べてみました。

1)2018年主要農作物種子法が廃止されてから、種子条例を制定施行して米麦大豆の種子生産を継続してくれている自治体は24あります。これだけの道県が種子条例を制定もしくは今年中に制定するということは、本当に日本の食糧生産にとって必要な法律だったということだと思います。
1兵庫県 2新潟県 3埼玉県 4山形県 5富山県 6福井県 7北海道 8宮城県 9岐阜県 10鳥取県 11長野県 12宮城県 13栃木県 14熊本県 15茨城県 16石川県 17鹿児島県 18群馬県 19三重県 20広島県 21千葉県 以下今年中に成立予定の自治体3県。22徳島県 23島根県 24岩手県(施行順)

2)GMOフリーゾーン宣言(農地)をしている農場がある自治体は、北海道から沖縄までの都道府県で約10万ヘクタールあります(2018年統計)。GMOフリーゾーン宣言とは、遺伝子組み換え作物は栽培しないという宣言をしている農場です。日本はまだ遺伝子組み換え作物の商業栽培は許可されていませんが、日本政府が閉鎖された研究栽培を許可している遺伝子組み換え品種は、大豆、菜種、トウモロコシなど何百種もあります。ですからこの宣言はとても意味があることなのです。
 同時に、GMOフリーゾーン宣言の加工、店舗版だと、遺伝子組み換えを使った加工、仕入れ、販売をしないという宣言ができ、地域に遺伝子組み換え食品が入るのを食い止める力になります。
 またGMOフリーゾーン宣言個人の部もあり、これは、遺伝子組み換え食品を良く調べて買いません、食べませんという運動になり、さらに有効です。今のところ13000人(2018年統計)ですが、今年2021年1月末時点で集計されることになっているので、さらに増えていると思います。

3)安全給食、有機給食実施と努力中の自治体の紹介をします。現在有機給食のニーズは国民的に高まっているので、今後どんどん増えていくと思います。

●千葉県いすみ市 市長主導で始まった有機農業だったが、子どもたちに食べてもらいたいとする生産農家の声から、4年で100%有機米給食実現した。この有機稲作を支えたのが民間稲作研究所の技術。2020年には有機野菜7品目も給食に加わり、進化中である。

●千葉県木更津市 いすみ市の後に続けと、有機米生産を可能にした有機栽培技術を導入。有機米の生産量は2020年11%だが、2026年には100%まで増やしていく計画である。

●東京都武蔵野市 米や野菜は有機栽培を優先、パンや麺は国産小麦、調味料は有機JASで保存料無添加、卵は非遺伝子組み換え飼料と抗生物質不投与など。給食の方針は、「子どもたちの食を選ぶ力をつけること、農薬や添加物は予防原則に従って回避する」である。

●東京都品川区 カリスマ栄養士の頑張りと大地を守る会で始め、納入業者の既得権を奪わず地元の八百屋を通すという画期的な品川方式を考案。

●愛媛県今治市 地産地消から始まった学校給食だが、1988年に食と農のまちづくり条理が制定され、遺伝子組み換え作物の生産禁止や有機農業の拡大が加わった。1999年からは100%特別栽培米に切り替え、パンや豆腐は地元産の小麦や大豆となり、調味料も可能なものから今治産に切り替えた。

●長野県上田市 元上田市教育長の大塚貢氏が無農薬の米飯和食給食を始める。現在でも低農薬、無添加、出汁とりなど給食を地元産の米や野菜を50%近く使って提供している。

●長野県池田町・松川村 共通の給食センターで、池田町産無農薬有機栽培米を給食に提供している。

●長野県松川町 自然農法センターの技術指導を受け、お米・じゃがいも・ニンジン・ネギ・タマネギの5品目を栽培し、給食へ提供している。

●愛知県東郷町 2019年から有機野菜を使った給食を提供。有機野菜の費用は公費で負担。地元の米粉のうどんなど、アレルギーを気にしないで食べられるにこにこ給食である。給食センター方式で作っている。

●石川県羽咋市 自然栽培の米、野菜を作られた完全オーガニック給食を実施。学力テストでは石川県トップ。全国でもトップクラス。生徒の学力が軒並みアップしているそうだ。

●兵庫県西宮市 市民が有機農作物を求める意識が高いので、市として有機農業への転換を図っている。給食無償化を実現している。無償化は有機給食への重要なステップである。

●兵庫県宍粟市 給食食材の地産地消率が高く平成30年度は74.9%である。これは安全給食への重要なステップである。

●熊本県山都町 日本有数の有機農業の町。学校給食にも有機作物が提供されている。

●宮崎県綾町 有機農業の発祥の町。学校給食にも100%綾有機米が提供されている。

4)GMOを規制する条例がある自治体も4つあります。(新潟県 今治市 広島県 熊本県)この条例は、各自治体に広がるといいと思います。

5)ジーンバンクがある自治体も広島県に1つあります。筑波には国の管理するジーンバンクがありますが、広島の場合は、先見の明がある知事が、F1種が出始め、農家が種取りをしなくなった時代に、地元の在来種がなくなっていくことへの危機感から創設しました。今の時代は、種子法廃止、種苗法改正で、ますます品種の多様性が減っていくことが予想されるので、各県にできることが理想だと思います。

 ※参考資料:元気な子が育つ全国マップ


 グローバルからローカルへ、国から地方自治へ、自治体の仕事は本当に多岐にわたりますが、有機給食を実現すると、有機農業が盛んになり、子育て世代の移住が増え、有機農業への新規参入が増えるという好循環が生まれます。地方のお金と人と物が循環する絵が出来てきます。何から始めるか、それはこどもたちに有機給食を食べさせることから始まるのです。
 女性が安心して子どもを産んで、安全な食の入手に困らないで元気な子を育てることができる社会を作ることが、私たち人間としての一番大切な仕事ではないでしょうか。冥土への置き土産にしたいものです。


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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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