船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
尖閣諸島問題に関して
2012.10.10(Wed)
社名:(株)本物研究所 専務取締役
名前:南方 幸一

 最近、領土問題で日本と中国との関係が、悪化しているとテレビなどで報じられています。私にとって中国は、歴史的遺産も沢山ありパワフルで、大好きな国です。
 また、中国人の友人も多くおり、基本的に自己主張が強いところもありますが、親切で好奇心旺盛な人間的に可愛らしい人が多いように思います。
 そのため、関係が悪化し、中国にいる日本人が生活しづらくなり、大多数の親切な中国人が、野蛮な人のように報じられるのは残念で仕方ありませんでした。

 その様な時に、兄のように慕っている、NS乳酸菌のメーカーの佐々木重人さんより次のようなメールが来ました。


北京3日目の朝、盟友の金鋒博士から日本の人たちへのメッセージです。
共鳴できたら転送頂ければ幸いです。


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一日も早い日中関係の正常化を願っています。

 1980年代後半、私が初めて日本に留学した時、ちょうど、学校で国旗掲揚と国歌斉唱を義務化する議論が盛んでした。学校で国旗をあげたり、国歌を歌ったりすることは、私達にとっては当然のことだったので、そうすることに、賛成と反対の意見があることに私はショックを受けました。
 特に、国旗国歌をやらなくていいという学校の先生の意見は驚きでした。中国でそんなことをしたら、ものすごく怒られますし、ひょっとしたら殴られるかもしれません。 でも、さまざまな意見を聞いている中で、国旗や国歌に対して自由な選択ができるということは、素晴らしいことだと思うようになりました。特にアメリカでは、911事件があってから、愛国運動の嵐がおこって、その勢いで、アフガニスタンやイラクと戦争をしました。
 あの運動がなかったら、戦争ができなかったのではないかと思います。その時に、愛国というのは、時には、危険な行為につながるということを知りました。日本のように自由な国は、実は世界ではとても少ないと思います。唯一かもしれません。

 日本は、戦争に負けてから、思想の多様性が生まれ、自由で民主的で、科学技術の発展もとても速く、世界中に注目されました。戦争に負けたお陰で軍事力の発展を目指さず、兵器の開発も行わず、科学技術は民間の生活に役立つものばかりでした。日本の製品が世界中に広がって人々の暮らしを豊かに変えていきました。

 こうしたことを考えると、私は、負けるということは決して悪いことではないと思いました。逆に、勝つことが必ずしもいいことでもありません。負けたら二度と同じことはしないようにしますが、勝ったら、もっと勝ちたいと思うようになります。大事なことは負けた後でどのようにして立ち上がり、どこに向かっていくかです。

 NHKの番組の戦争に関するインタビューが中国の知識人の間で称賛されています。 番組の中で、「お国のために死ねますか?」という問いに対して、「命を掛けるほどものじゃない」「お国のために死ねという国だったら滅んでしまえばいい」という答えがありました。
 戦争があったら、国のために死んでもいいかと言われたら、私は死にたくありません。家族がいて、無責任な事をしたくありませんから。これから、戦争は避けるように努力する必要があります。国のリーダー達は自分で戦場に行くことはありません。犠牲になるのは国民です。

 日本の大地震の時、色々なニュースが中国でも放映されましたが、その中で、一番感動したのは、数十名の電力会社の人達が、身の危険をかえりみずに破壊された原子炉に向かったことでした。この放送を見て多くの中国人は衝撃をうけました。もし中国で同じことが起こったら、こうした勇敢な行動を起こせる人がどれだけいるのかとインターネットで大きな反響を呼びました。

 戦争では死にたくないけど、こうした大きな災害の時に、自分の命を捨ててでも、人の命を救おうとする人は、決して少なくないかもしれません。これは、国と国の戦争、物を奪ったり侵略したりするために死ぬのとはまったく意味が違います。

 本当は、多くの中国人は、日本のことをとても尊敬しています。政府どうしで喧嘩しているにすぎません。そして、そのやり方はとても稚拙です。政治家のパフォーマンスだと思って無視してしまえばいいと思います。

 私は、過去の戦争のことは早く忘れてしまいたいと思います。率直に言って、今、日々生活を送って、国の間を行き来している私達は、過去の戦争について何の責任もありません。それでも、責任を追及したら永遠に解決はできないのです。将来のことを考えても、いつも戦争の陰があったら、さらに友情が深まって発展することは見込めません。

 デモで破壊活動が行われた事はたいへん残念なことです。これは、ごく一部の暴徒であって、大多数の中国人は暴力に対しては批判的です。これに対しては中国政府も犯罪として厳しく対処しています。マスコミが大きく報道しても、決してそれに反応して欲しくないと思います。決して対抗せず、無視して淡々と日々を過ごすのが一番いいと思います。今、この問題は、世界中が注目しています。対抗しあってもそれで得をするのは誰でしょう? 私達は賢くふるまう必要があると思います。

 私達は遺伝子レベルでは全く区別がつかず、本当によく似た文化をもっています。そして、共生こそ、世界の真実です。自分にとって不都合なものを取り除こうというのは、結局、自分自身を傷つけることになります。

 別添として、愛国主義に関する世界の賢人達の格言を紹介します。

 一日も早く問題が解決されて、正常な交流ができることを心より願っています。
                               2012年9月24日
                                    中国科学院
                                     教授 金鋒

(愛国主義に関する世界の賢人達の格言)
―国を愛するのは素晴らしいことだ。でも、どうして国境でとめてしまうのだろう?
パブロ・カザルス

―国に争いが増えると、愛国者が栄える。
老子

―愛国主義とは、つまらない理由で殺したり殺されたりする意欲のことである。
バートランド・ラッセル

―愛国主義は、破滅的で、精神病的な愚行である。
愛国主義とは、この国は、私が生まれたから他の国より優れているという信念である。
人類から愛国主義を追放しない限り、決して静かな世界は得られない。
ジョージ・バーナード・ショー

―人が国に対する愛を語るのは、決まって、それに報酬を期待するサインである。
H.L.Mencken

―多くのタカリが国旗に助けられている。
George M. Cohan

―愛国主義とは、功名心をもつ人のたいまつに差し出された燃えやすいゴミである。
アンブローズ・ビアス

―愛国主義とは、ひきょう者の最後の隠れ家。
サミュエル ジョンソン

―愛国主義というのは、どんな感じか知ってみると、ドアの外に放り出すべき汚い奴のようだ。
アーサー・ショーペンハウアー

―国家は、政治と経済で大きな問題を抱える時、破れた愛国の旗を掲げて、臭い匂いをまき散らす。
レーニン

―国のために嘘をつくことは、すべての愛国者の義務である。
アルフレッド・アドラー

―国の利益のためには、時には、地獄に落ちるべき嘘をつく必要がある。
Hilaire Belloc

―神と国家は決して打ち負かすことのできないチームだ。彼らは、抑圧と殺りくのすべての記録を破る。
ルイス・ブニュエル

―現実を見えなくする愛国主義に対して盲目であってはならない。誰が言おうが、間違っていることは間違っている。
マルコムX

―自尊心のない人でも愛国的になれるし、恵まれない人のために大きなものをさし出すこともできる。彼らは自分の墓になる土を愛するかもしれないが、肉体に生命を与える精神にはまったく共感をもたない。愛国主義は、頭の中の気まぐれに過ぎない。
ヘンリー・デヴィッド・ソロー

―私達が国を愛せるようになるには、国は素晴らしいものにならないといけない。
エドマンド・バーク

転用以上


 日本と中国の関係は、私の祖父母の世代の方々が、良好な関係を築きあげてきてくれたと思っています。
 偉大な先輩方が、社会の第一線より退き始めた現在、次の世代の私たちが、民間レベルでも友好の輪を築きあげることが大切ではないかと思います。
 そのような思いもあり、素晴らしい中国人である金鋒博士のメッセージを紹介させていただきました。


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