船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる
このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。
名前:塚田 明彦
イリアール株式会社の塚田です。
今回は、「ら抜きことば」について、少し考えてみたいと思います。
「見れる」「食べれる」「受けれる」「来れる」「止めれる」など、本来文法上では必要な「ら」が抜けた使い方をされることばの総称です。
主に、一段活用動詞(例:見る・見ない・見ず・見られる) 、下一段活用動詞(例:受ける・受けない・受けず・受けられる)、カ行変格活用動詞(例:来る・来ない・来ず・来られる)など、五段活用以外の動詞の可能表現のみが変化したもの、または、「ら」が抜けたのではなく、「れる」を付けたことばとの解釈もあります。使われるようになった要因として、いろいろ言われていますが、「可能」「受け身」「自発」「尊敬」の区別がつきにくいことばの、可能表現だけをはっきり区別させるため、とのいうのが多いようです。
例−1:「見られる」
・テレビを買い替えたのでBSが「見れる」ようになった。→可能表現のため変化した。
・うっかり窓を開けて裸を「見られる」→受け身表現のため変化しない。
例−2:「来られる」
・山田君も休みが取れたので、披露宴に「来れる」ようになった。→可能表現のため変化した。
・山田先生も披露宴に「来られる」→尊敬表現のため変化しない。
皆様の中でも、文法に反するので使わない。まったく違和感無く使っている。と意見が分かれるところではないでしょうか。書籍やインターネット上でも、否定派と肯定派が火花を散らしています。
肯定派の意見として、「口に出して言い易いことばは、広まり定着して当然」「受け身・自発・可能・尊敬の意味をもつ助動詞「れる・られる」を簡素化するために必要」「ことばはどんどん変化するもの。広く定着したことばに対し、規範たる文法が変更されないのであれば、それは文法自体が誤っている。」等々あります。
私自身は否定派で、極力使わないようにしています。理由は、たとえ悪法であったとしても、これが現在の言葉のルールであること。そして弊害も多いと思います。「可能」「受け身」「自発」「尊敬」の区別がつきにくいということについては、アクセントの平板化や、話すための、文章の構成力の低下も要因のひとつだと考えます。
「服をきられた」と言われた時、同じ「きられた」でも発音や前後の文章の作り方で、「着られた」「切られた」と聞く側の捉え方が大きく違ってくるために誤解されやすくなる。
学生が国語の文法の試験で、「ら抜きことば」を使えば、答えはもちろん不正解です。英語が堪能で外資系企業の担当していた営業マンが、取引先の社長(もちろん外国の方です)と日本語で話す時、「ら抜きことば」だと意識せずに連発し続け、とうとう「日本語もまともに話せない担当者に営業させるような会社とは取引するな」という社長からの一言で、契約を解除された会社も存在します。Microsoft社のWordですら「ら抜きことば」を入力すると、このようなメッセージが表示されます。
ことばはその国の文化です。安易・便利に流れるだけが良いことではないはずです。 将来文法は変わるかもしれません。しかし今は、場に合せて必要な時だけでも、正しくきれいな日本語を使っていくべきではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
5周目:「自分にしかできないこと」
6周目:「自分にしかできないこと−その2」
7周目:「自分にしかできないこと−その3」
8周目:「「正しい日本語」を考える−その1」
9周目:「「日本語」を考える−その2」
10周目:「「日本語」を考える−その3」
11周目:「「日本語」を考える−その4」
12周目:「「日本語」を考える−その5」
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