加治将一の精神スペース
このページは、作家でセラピストの加治将一さんによるコラムページです。加治さんは、『龍馬の黒幕』『幕末 維新の暗号』『舞い降りた天皇』『失われたミカドの秘紋』(すべて祥伝社)などの歴史4部作が大反響を呼ぶ一方で、『アルトリ岬』(PHP)や『大僧正とセラピストが人間の大難問に挑む』(ビジネス社)などのカウンセリング関連の著書も好評です。そんな加治さんが、日々の生活で感じること、皆さまにお伝えしたいことなどを書き綴っていきます。
人生は選択です。
右に行くか左に行くか、これを取るかあれを取るか、二つに一つ、そして真ん中もある。
真ん中というのはそのままなにもしないで、流れに身を任せるやつですが、時と場合によっては人生を左右するほどの決定打となります。
いずれにせよ、意識無意識にかかわらず、一日に何千回、何万回と選択を繰り返し、その結果が今のあなたです。
「私の判断は、すばらしかった」
「俺には、自信がある」
心から思っていますか?
そう思ってないのに、無理やり自分を偽って、そう思い込もうとしてはいけません。
「ほんとうに、良かったのだろうか?」
と評価に迷ったら、傍らの伴侶の顔をじっくり眺めてください。選択は満足ですか?(ドキッ!)
貯金通帳を開いてください。それがあなたの選択の結果です。栄光の数字が並んでいますか?(ドキッ!)
そして最後に、あなた自身を振り返ってみてください。
いかかでしょう? (ウ〜ン)
もう一度言います。嘘はいけませんよ。
これでよかったのだ、と自分を強引に丸め込まないでいただきたい。後悔は無駄だ、とばかりに隠蔽すると心にシコリが残り、それが元で、おかしなことになります。
おかしなことというのは、僻(ひが)み、妬(ねた)み、怒りという災いの火種で、それが残ってしまうのです。
一点の曇りもなく「ああ、すべてが最高、満足!」という想いが、ナチュラルにすがすがしくにじみ出てこなきゃダメ。
こう言うと、いったいどれほどの伴侶で満足できるというのか? と逆襲されることがありますが、それは、あなたの物差し次第ですね。
つまり愛情エネルギーが、どれほど蓄積されているかによります。
自ら発する愛情エネルギーが厳しい物差しを溶かし、しっかりと甘くとらえます。
では、愛情エネルギーがあれば、資産ゼロでも満足できるか?
はい、できます。
しかし、これは聖人に限ります。
聖書を読む限りキリストはその典型で、金銭にまるで価値を認めていません。
資本主義で暮らす我々現代人には、とても無理な相談です。
ただし、物差しの調整はつきます。
物差しは一人一人違って、ある人は百万円もありゃ大満足という人もいますし、一方、10億円持ってもまだ不満足という人もいる。
個人の物差し次第なのですが、加治の金銭的基準は、退職後、なにもしなくとも、一生暮らせるだけのおカネを持っているかどうかが目安です。
環境で随分違ってきますね。
自給自足できる田舎暮らしなら、二、三百万円もあれば充分でしょうし、東京のど真ん中で、しかも借家なら一億円は必要かもしれません。
金銭的な安心は、心の平安です。
生涯暮らせるほどの資産を持っていてもなお、もっと欲しい、念には念を入れて、もっと、もっとと、さらなる安心を求めるのは人間の心理ですが、しかし渇望に近い感覚を持って、カネ、カネ、カネと眼の色を変える人は、強欲の部類です。
すみません、話が逸れました。選択の話に戻ります。
人生は選択の連続ですが、その結果が今のあなたです。
だれのせいでもありません。あなた自身の選択が、今のあなたを造り上げたのです。
「そう言われると、身も蓋もないなあ〜」
と感じるかもしれませんが、この選択について、肝心なことをお教えします。
二元的に考えると、終りなき後悔というド壺にハマる
この世に正解はありません。
したがって善悪、正邪、勝ち負け、という二元的なとらえ方は莫迦(ばか)げています。
「そんな……」
と、思うかもしれませんが本当です。
「人生における正解は何か?」
答えられますか? 否、どんな偉い哲学者でも不可能です。
正解など、どこにもないからです。
ただ言えることは、自分の判断は愛情ある判断だったか? 賢い判断だったか? だけです。
我々、特に日本人は幼い時からあれダメ、これダメ、不可、禁止、ノ―と躾(しつけ)られてきました。
悪はダメ、邪はダメ、負けはダメと洗脳されてきたのです。
肝心なことなので、もう一度繰り返しますが、しかし正解などないのです。
世界は+と−の電気エネルギーで成り立っているのですが、つまりマイナスも必要ですね。
たとえばイジメです。
イジメは悪いと言われていますが、はたしてそうでしょうか。
前回も述べましたが、イジメがなければ、子供は鍛えられることもなく、知恵も付きませんね。
イジメにおののき、ああ自分は肉体的に弱いんだ、だったら身体を鍛えるぞとか、仲間を増やすぞ、と知恵が付くのです。
イジメなどな〜んにもなく、温室培養の子供が大人になって社会に放り出される。そんな人間が、せち辛い世で、はたしてしぶとく生き残れるでしょうか?
岩倉具視、大久保利通、西郷隆盛、伊藤博文……明治維新の元勲(げんくん)たちはみな、下層で、死ぬほどイジメラレた階級の人ばかりです。
イジメによって、知恵が付く。イジメによってしぶとくなれる。人類の進化には、外敵の襲撃が必要で、それなくして進化はなかった。
「子供の時のイジメ体験、イジメラレ体験は貴重な学習です」
こんなことを公言すれば、世間から暴論だ、とそれこそ袋叩きのイジメにあいますが、加治はあえて言いたい。
「イジメはいけない! でも、絶対になくならない。だからイジメから学ぼう!」
これこそ教育だと思うのですが、違いますか?
また、脇道に逸れました。
すみません、「選択」の話しに戻ります。
知恵ある選択で潤う
貧乏の原因は、いろいろあります。
親が借金まみれだった、健康を害した、会社が倒産した……多々あると思います。
でも一番の原因は、なんといっても本人です。
おカネがない、といつもぼやいている人はだいたい次のタイプですね。
好奇心がなく、なにごとにも無頓着な人。
無頓着というのは愛情を持てないということで、愛情磁場以外にいると、人間の落ちぶれを誘発します。
もう一つのタイプは、これと真逆です。
おカネが好きで好きでストーカーのように追い求める「おカネ変態」です。
気持ち悪がって、おカネは逃げます。
おカネとの微妙な距離感、間合いが必要ですね。
ときめきと、そして心の余裕。
なに、女性の扱いと同じですと?
う〜ん、そっちの方はとんと苦手なので、よく存じ上げませんが、とにかく、適度な距離を取る。
これが品ですね。
品とはなにか?
一言でいうならば、欲望を最短で満たさないことです。
いくらお腹が空いているからといってダイレクトに食物を手づかみにし、ガツガツむさぼる。これはもうワイルドを通り越して下品です。食べるときは箸やフォークを間接的に使用し、ゆったりと時間をかける。
世界中、雅(みやび)な作法というのは、欲望に回り道をさせることに尽きます。
欲望にまっしぐら、というのは品がありませんね。
おカネも同じです。
ダイレクトな「売り買い」は、加治の美意識は反します。
そこで、切り札は「知恵ある選択」です。
知恵ある選択を積み重ねていたら、いつの間にか儲けていた。これが作法です。
加治はそれを華道、茶道に並び「商道」と称しておりますが(笑)、はい、ここでようやく、今回の言いたいことに、無事着地しました。
「知恵ある選択」で潤う。
私ごとで恐縮ですが、加治の人生は、ある時点で大きな進路変更を決断しました。
「本を書く」という選択です。
断を下したというより、むしろ直感、いや導かれた、というべきかもしれませんが、とにかく作家という職に大きく舵を切ったのです。
むろん儲けを考えてのことではありません。
じっさい初期の本の印税ときたら微々たるもので、それと較べたらマクドナルドのパート勤務の方が上ではなかろうか、と思うほどです。金銭を考えれば作家の選択はなかった。
で、新世界に漕ぎ出したのです。
夢中になって書き続けること18年、おカミにとっては禁止もしないが歓迎もしない、という危ない本ばかりで、異端児作家だ、はみ出し物書きなんぞと言われ続けましたが、本の印税はいつの間にか数億円という思いもよらぬほどの潤いをもたらしたのです。
自分で言うのもなんですが、思ったことを口に出せ、そのうえ暮らしが豊かになる業種というのは、この世にそうざらにあるものではなく、心から「知恵ある選択」だったと思っています。
人生の後半からはじめたアンティーク・コインもしかりです。
コインという選択があり、次にどのコインを買うか、という選択がありました。
選ぶ基準は三つです。
@美しさ
A歴史的に興味があるコイン
B波動のよいもの
それが結果的に、眩しいほどの潤いをもたらしてくれているのです。
鍵はやはり「知恵ある選択」です。
「コインで、たくさん儲かりますか? 儲かるならやろうと思いまして……」
という質問をときどき受けます。
その言い草は、良い波動ではありません。
欲いっぱいにコインを買う。
失敗しないかもしれませんが、味わい深い人生とはほど遠く、つまらない以上に、欲に呑み込まれて本人の直感が鈍ると思います。
こういう人は悪気はないのですが、大切な物を見失いがちで、惜しい所でつまずきます。
選択は、直感と理性の賜物です。
直感は理性(情報)に基づいており、すなわちそのどちらかが欠けてもダメです。
そして、これまた欠かせないのが、やはり愛情エネルギーです。
これがないと、絶対に直感が働きません。
僭越ですが、若き日の船井幸雄先生も同じだったと思います。
自分がカネを儲けたいからコンサルタントをした、なんてことは金輪際なかったはずです。
面白いから夢中になった。で洪水のように豊富な経験と情報が溢れる。この混沌を整理し、脳に問題解決のパターンが山ほど形成できるのは才能ですが、この蓄積を理性の内部化と言い、直感につながります。
しかし、それだけではダメです。
加えて仕事が好きで好きでたまらない、という愛情エネルギーがどうしても必要なのです。
この愛情エネルギーが造り出す愛情磁場の中でこそ、驚くほどの変容が起りえ、突然神がかりで思いもよらなかった答えが閃く。
アイン・シュタインしかり、ピカソしかり、ウォーレン・バフェットしかりで、尋常ならざる人々はみな、それに類することを告白しています。
だいいち「これをやったら、がっぽり稼げるだろうか?」なんて思っている人間の顔を想像してください。狡賢(ずるがしこ)くて、下品で、周囲の協力が得られますか? おカネだってそんな怪しげな人のところに、行きたくありませんよね。
知るを知る、知らざるを知る。これを知るという
知らないのに知っていると思っているなら、あなたは傲慢です。
傲慢は災いをもたらし、「知」に謙虚にならなければ、選択は間違います。
〈学んで己の無学を知る。これを学ぶという〉
謙虚にならなければ、「知」の扉は開きません。
「選択の達人」は、愛情磁場の中で、好奇心と謙虚さを携えて知識と情報を得ています。
それらの相互作用によって、最善の道に導かれるのだと確信しています。
今からでもぜんぜん遅くはありません。
愛情エネルギーを蓄え、愛情磁場の中で、ぜひぜひ「賢い選択」に導かれていただきたいと心から願うものであります。
幸せを祈りつつ……
5年前、加治は『幕末 維新の暗号』(祥伝社)で、フルベッキ写真の写る、一人の正体不明の若侍を即位前の明治天皇だと特定し、「明治天皇はすり替えられた」のだと主張しました。
それから講演は数十回、本は15万部以上売れていますが、どこからも反論は来ておりません。
ぜんぶ本当のことですから、御用学者も宮内庁も金縛り状態で反論できないですよ。
そろそろ日本は変わる時です。
偽りの歴史を脱ぎ捨て、真実の歴史を選択すべきなのです。
あなたもぜひ、先月(8月)発売の『ビジュアル版 幕末 維新の暗号』(祥伝社)で、即位前の若侍姿の明治天皇と、本邦初公開、本物の西郷隆盛の写真を観てやってください。歴史に埋もれ、決して顧みられることのなかった二枚の写真、ようやく日の目を見た彼らも、きっと喜ぶに違いありません。
★『ビジュアル版 幕末 維新の暗号』(祥伝社)が8月1日に発売されました。
『幕末 維新の暗号』と『舞い降りた天皇』と『失われたミカドの秘紋』と『西郷の貌』(すべて祥伝社)を全部まとめた写真集です。
この写真集は、支配者の日本史偽装を許さないぞ、今後とも真実を暴いてゆくぞという私の確固たる意思表示であります。
各方面からの圧力がひどく、潰れそうです。どうか1冊でも10冊でも買って応援してください。よろしくお願いします。
★『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』(東洋経済新報社)は、おかげさまで三刷りになりました。ありがとうございます。
この本でコインが売れ、日本中のコイン・ディーラーはコイン品薄に陥ったとか。コイン関係者の嬉しい悲鳴が聞こえてくるようですが、その割にはこっちに足を向けて寝ているらしいのです(笑)。
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作家・セラピスト。1948年札幌市生まれ。1978年より15年間、ロサンゼルスで不動産関係の業務に従事し、帰国後、執筆活動に入る。ベストセラー『企業再生屋が書いた 借りたカネは返すな!』(アスキー)、評伝『アントニオ猪木の謎』、サスペンス小説『借金狩り』、フリーメーソンの実像に迫った『石の扉』(以上三作は新潮社)など多数の著作を発表。『龍馬の黒幕』『幕末 維新の暗号』、『舞い降りた天皇』『失われたミカドの秘紋』(すべて祥伝社)の歴史4部作は大反響を巻き起こし、シリーズ 50万部の売上げ更新中である。その他、カウンセリング小説『アルトリ岬』(2008年 PHP)や『大僧正とセラピストが人間の大難問に挑む』(2010年 ビジネス社)などがある。
2011年4月に『陰謀の天皇金貨』(祥伝社刊)を、2012年1月に『倒幕の紋章』(PHP文芸文庫)を文庫版として発売。2012年2月に『西郷の貌(かお)』(祥伝社刊)を、2012年4月に新刊『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』(東洋経済新報社)を発売。
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★加治将一 公式ツイッター: http://twitter.com/kaji1948