船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる
このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。
名前:中沢 弥生
みなさま、こんにちは!
梅の花が見頃を迎え、ほのかな香りに包まれると幸せな気持ちになりますね。「梅は百花の魁」といいますが、草花で彩られていく春が待ち遠しい限りです。
さて、私が住む地元の図書館では、定期的にテーマを定めて集められているコーナーがあります。たとえば、梅雨時には「雨」、夏は「海」、秋には「美食探訪」、その他「鉄道」「人権」「音楽」「イクメン応援!」「旅の楽しみ」「オリンピック」……など、思い思いのキーワードをもとに、ジャンルを超えてさまざまな本が展示されています。
先日そこで、ある1冊が目にとまりました。水彩画で描かれた、ふんわりとやわらかい女の子の似顔絵が表紙の絵本。ふと手にとってみると、『おもかげ復元師の震災絵日記』というタイトルでした。展示テーマが「震災復興」、ということは……。大きな悲しみにふれる予感がして、いったんそのまま絵本を元の場所に戻し、場を離れました。それでも、なぜか心に残ってしまったその絵本を、ふたたび迎えに行きました。
絵本の内容は、2011年3月の東日本大震災で亡くなった方々を、「復元ボランティア」として見送り続けた、納棺師である笹原留似子さんが綴った絵日記でした。見開きページの左側に「おもかげ」のスケッチ、そして右側には見送るご遺族の様子や思い出が、直筆で書き添えてあります。お父さん、お母さん、娘さんや息子さん、兄弟姉妹、おじいちゃん、おばあちゃん、お孫さんなど……。その誰もが、誰かにとってかけがえのない存在であったことが胸に熱く響き、ページをめくるたびに涙が止まりませんでした。
笹原さんが専心なさっているのは、亡くなった方を生前と同じ姿に、できるだけ微笑みをたたえた表情に整えること。それは、ご遺族が大切な方とのお別れを受け入れるために欠かせないことなのだといいます。故人を見送る場面にそっと寄り添い、見送る方々の繊細な感情に気を配りながら両者をつないでいくそのまなざしは、深い配慮と、貴い生命への祈りに満ちています。
どなたの人生にも、さまざまな物語が宝物のように詰まっているのですね。生命の重さに日々向き合い続ける笹原さんの、包み込むようなやさしさに出会えたことで、かけがえのない存在たちとともにある今この瞬間が、どれだけ輝いているかということに気付かせていただきました。
震災で亡くなった方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
18周目:「インドの叡智」
19周目:「目に見えないけれど大切なこと」
20周目:「倍返し!?」
2014.02.27: すべては、必要・必然・ベスト
2014.02.26: 身体の声を聴く
2014.02.25: 斜45度後方
2014.02.24: 株式会社本物研究所 企業理念“ほんもの”で笑顔をつなぐ
2014.02.21: 舩井幸雄会長の意思を継ぐモノとして
2014.02.20: 舩井会長
2014.02.19: 語って語って語り抜け
2014.02.18: 鬼は内、福も内!
2014.02.17: 最近出会った本物商品、WOX!
2014.02.14: 舩井幸雄が遺してくれたもの
2014.02.13: 食関連の偽装問題について
2014.02.12: 行動を起こす事とは
2014.02.10: かけがえのない日々
2014.02.07: 今年の漢字
2014.02.06: 故郷を想う気持ち
2014.02.05: 舩井幸雄のまわりは笑顔がいっぱい
2014.02.04: 未来への言霊を読んで
2014.02.03: 天恵を受けながら生きる