船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　（株）本物研究所の木下と申します。
　さて、今回はひとつの本をご紹介します。
　その本は、『みんな、神様をつれてやってきた』（宮嶋　望著　地湧社刊）です。

　今回ここで紹介させていただくのは、この本の舞台となっている北海道の中央部、十勝にある牧場で、学生時代、私がボランティアとして行ったことがあるからです。
　アマゾンでたまたま発見したときは、迷わず購入してしまいました。そこの牧場の名は、『新得共働学舎』。チーズを作っている牧場と思えないような名前ですが、実はここで作られているチーズが凄い！！チーズの本場ヨーロッパで、２００４年に開催された第３回山のチーズオリンピック(スイス)で新得共働学舎が作った「さくら」が金賞とグランプリを受賞したり、国際山のチーズオリンピックで優勝したり、あの、モンドセレクションでも最高金賞を取ったほどです。
　実は、ここの牧場、もともと身障者が社会で自立し、生活していくための場として作られたのです。生まれつき手足に不自由があった人や精神的に少し後れをとっている人など、競争優位の社会になじめなかった人たちがこの牧場にはいました。この本では、そこでの様々なエピソードが語られています。競争社会で、なかなかなじめなかった人がここで仕事をしていく中で、自分の役割を見つけていく過程は、まさに今の社会に求められているものがあるような気がいまさらながら感じさせられました。
　当時、私は海外から来た同じ世代の若者とともに、ボランティアとして訪れたのですが、来訪者にとっても、居心地がいい空間でした。日本語が話せない外国人参加者でもすぐに打ち解け、楽しい２週間を過ごしたのを覚えています。
　たった２週間の滞在でしたし、何より今から７年前の話。少し曖昧な部分がありますが、こうしてチーズが有名になり、本も出たことで私自身すごく勇気をもらいました。　世間的には不利な状況と思える環境でも、世界で認められるほどのものができる！その事実は、閉塞感があふれているように見える今の社会において、強い光りとなっているような気がします。
　今では社会企業という言葉をあちこちで聞かれるようになりましたが、新得共働学舎ができたころはＮＰＯ法人という存在すら、ほとんどの人が知らない状態だった思います。まさに、社会企業のはしりなのかも知れません。各地で行われる北海道物産展にも出店したりしていますので、見つけた際はぜひご賞味下さい。

★新得共働学舎ホームページ：http://www.kyodogakusha.org/


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１５周目：「船井会長から学ぶ！　（テーマ：船井会長から学んだこと）」
１６周目：「奇跡のリンゴ　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
１７周目：「新しい風　〜新入社員の入社式で感じたこと〜　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」