娘からみた“真(芯)”の船井幸雄
このページは、船井幸雄の実の娘で現在、本物研究所社長の佐野浩一の妻の佐野ゆかりさんによるコラムページです。実の娘だからこそ知っている、家庭での船井幸雄の姿を中心に、過去も振り返り、家族間の様々なエピソードも交えながら本音で語っていただきます。
娘の視点から、“真”の船井幸雄を語っていただき、より深い、船井幸雄の“芯”に迫っていきます。
たしか、まだ私が小学生の低学年のころ、「この本にはゆかりのことが書いてあるぞ。わかるか……」と一冊の本のあるページを見せてくれました。昭和54年発行の『包みこみの発想』(ビジネス社)という本です。そして、「これを記念にゆかりにやろう。よし、サインしてやろう!!」といって、サインまでしてくれました。本屋さんで売っている本の中に自分のことが出てくるのなんて……ほんの2〜3行ですが、嬉しいようなくすぐったいような気持ちになったことを覚えています。そして、その「プラス発想」が父にサインをしてもらったはじめての本になりました。
これが「プラス発想」という言葉との出会いで、いつしか私の中に根付いて、指針となって導いてくれているように思います。
母は小さい私にもわかりやすいように、よく「プラス発想とは……」と普段の生活の中から、わかりやすく説明してくれました。
たとえば、当時は長い坂の途中に家があったのですが、二人で買い物に出かけたとき、坂道をほとんど降りきったところで、母はお財布を忘れてきたことに気がつきました。「悪いけど取りに帰って〜」と言われて、私は「ええー!!」となるわけですが、「ほら〜また坂道を登れるなんて足が強くなるわよ。また走るのが速くなっちゃうわね〜」とか、「お店に行く前に気がついて良かったわあ〜お店についてからじゃ、取りに帰るのがもっと大変だったわあ〜」など、このような感じで攻めてくるので(笑)、まだ素直だった私は、結果的にはうまく丸めこまれるわけですが(笑)、でも、プラス発想ってこういうことか……とこんな風に小さいころから体に刷り込まれていったような気がします。
今回で15回続いた「娘からみた“真(芯)”の船井幸雄」は終わりとなります。短い間でしたが、拙い私の文章を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
末っ子も間もなく小学生になりますし、先月から保育士としてまた働き始めました。もう卒園式もすんだので、春休みの間は私が帰るまで母に末っ子を見てもらうことが多いのですが、父は「うるさいなあ……おまえは……」と、実家でとび跳ねる末っ子の頭をポンポンと叩きながらも、笑ってくれているそうです。
私は父とは、兄や主人のように一緒に仕事をしているわけでもなく、家にも多忙でほとんどいない父だったので、あまり話すことも関わることもありませんでした。でも、家族のため、仕事のお客様のため、グループ会社の社員の方のため、大きくみれば世の中のために、厳しい世界で第一線で頑張って活躍している背中は、よくわかっていたし、感じていました。そして、尊敬していました。
私自身も何か大きく迷うようなことがあれば「お父さんならどう考えるのかな」とよく思ったし、忙しい父にほんの少しの時間を割いてもらって、実際に相談したこともありました。そんなときの父の言葉は、時に重く厳しいこともありましたが、やはり温かくすべて「プラス発想」でした。最近は体調のすぐれない父ですが、そんな体の変調に時に迷い、時に悩んでいるようです。でも少しずつ自分の状況を受け入れて、父は父らしく、プラス発想で自分の体と向き合っているようです。最近ようやく一緒に病院に行ったり、父と過ごす時間が増えて、少しは私も娘らしいことができるようになったかなと思っています。
これからも、プラス発想という生きていく上でとてもプラスになる考え方を教えてくれた父に感謝して、少しでも恩返しできるように私もますます精進していきたいと思います。
本当にありがとうございました。
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ゴンちゃん(前・♀)と我が家のニュー
フェイスのキャンキャン(後ろ・♂)です♪
船井幸雄の娘で現在は本物研究所社長の佐野浩一の妻。
17歳男子、15歳女子、5歳男子の年の離れた子どもたちや両方の親、そして、ペットの犬やウサギに囲まれて自然あふれる熱海生活を満喫中。元幼稚園教諭。そして元保育士。
現在は家事の傍ら、将来に向けて勉強中。仕事柄、小さな子どもが大好きです!!
著書に『船井家の子育て法』(徳間書店)、『神様、ママを見つけたよ!』(グラフ社)、『もっといいことが起こる今日のヒント』(海竜社)がある。