“超プロ”K氏の金融講座
このページは、舩井幸雄が当サイトの『舩井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介していた経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。
「マイナス金利付き量的・質的緩和はこれまでの中央銀行の歴史の中で最も強力な枠組みだ」。
日銀の黒田総裁はまたしても市場を驚かせました。1月29日、日銀は日本初のマイナス金利導入を決めたのです。ところがマーケットが好感して反応したのはわずか2日間だけ、その後は怒涛のような株売りと円買いの波に押し戻されてしまったのです。
2月上旬には日経平均は何と15,000円を割れ、円相場は110円台に突入するなど惨憺たる状況となりました。株も為替も日銀が前回追加緩和を行った2014年10月の時点まで後戻りしてしまったのです。
とにかく今年年初からマーケットは異様な状況が相次いでいるのです。日本株は年明けの取引から6日連続下落するという、戦後、東証が始まって以来初めてという驚きのスタートとなりました。
●日本だけでなく世界でも、年初から株式市場は大混乱
一方、世界を見渡すと、どこを見ても市場は年初から大混乱です。お隣の中国では今年の取引初日から株式市場に売りが殺到、何と7%も下げ、あまりに急激な下げに、サーキットブレーカーという取引の停止措置が発動され、午後には取引が全面停止になるという前代未聞の異常事態となったのです。
また中東では、年明け早々、サウジアラビアとイランが国交を断絶するという予想もしない事態となりました。中東がこれほどの緊張状態になったのでは、原油価格に影響が出て大きく上げるのでは、と思いきや全く逆で、原油価格の下げが一向に止まらず、資源価格全般の暴落状態が収まらない様相が続いています。
また欧州では、いち早く導入されたマイナス金利の弊害が出てきたようで、銀行株の下げが止まらなくなってきました。そしてギリシア問題も再びくすぶり始めたのです。
サウジアラビアはじめ産油国の政府系ファンドは膨大な資金を運用しているのですが、その資金の換金が始まって世界中の株を売っているという観測が広がっています。
また中国では、当局が市場の動きにお手上げ状態で、完全に市場をコントロールする力を失って危機的な状況に向かっているという懸念が出ています。
頼みの米国も情勢が変わってきました。昨年末は待望の金利引き上げを行って9年半ぶりに経済の正常化へ向けて舵を切り、今年は世界の景気をけん引してくれると期待されていたのですが、ついに世界的なマーケットの荒波に巻き込まれてしまったのです。米国株も年初から大きく下げてしまいました。年を挟んでこれほど情勢が変わるか、と驚くほどです。今年は4回利上げを行うとみられていた米国では、もう利上げは難しいという見方に大きく変わってしまったのです。
まさに2016年の扉が開いた途端に全てが変わってしまったかのようです。<1年の計は元旦にあり>と言いますが、年初世界中で起こってきた波乱は、時間の経過と共に激しさを増してくるようです。
●これからどうなっていく?
いったい世界はどこに向かってしまうのでしょうか? 株式市場は世界中で例外なく大きく下げてしまったのですが、世界経済はこれから奈落の底に落とされていくのでしょうか? 懸念される中国経済の行方はどうなっていくのでしょう? サウジアラビアやイランをはじめとする中東の混乱は収まることはないのでしょうか? そして原油価格はどうなるのでしょう? 米国はもう金利を引き上げることはできないのでしょうか?
様々な懸念や疑問が浮かんできます。ただ、年初からこのような異常事態が世界中で頻発しているということを甘くみるべきではないでしょう。明らかに何かが変わりつつあります。中国をはじめとする新興国や、原油や天然ガスなど資源に経済を深く依存してきた産油国やロシアなどには深刻な危機が迫っているようです。一方、金融緩和だけに依存してきた日米欧の経済政策にも陰りが出てきたように思えます。紆余屈折はあっても成長してきた世界経済は大きな曲がり角にきたようです。世界経済のトレンドは明らかに成長から停滞へと落ち込みつつあり、その変化の苦しみに世界中が悶え始めたようです。
では、この不透明な世界や市場動向をただ静観していればいいのでしょうか?
一歩下がって情勢を見ると違った風景も見えてきます。こんな中にあって日本企業はほとんど無借金で財務体質も万全です。しかも業績は好調で史上最高益を出し続けているではないですか! 為替が荒れてきましたから今後の業績の下方修正はあるでしょうが、それでも世界を見渡して、日本企業が圧倒的に一番であることは変わりません。何故日本株が異様な売られ方をしたのか?
本書(『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊))はその謎に迫りました。
今年は選挙の年、安倍政権も「消費税引き上げの再延期」など思い切った政策を打ちだしてくることでしょう。株が安くては選挙を戦うことはできません。まさに<ピンチはチャンス>。混乱の中にこそ、ビジネスチャンスも投資のチャンスもあるというものです。
確かに不透明な時代です。今年は今後も何が起こるか予想しきれません。年初からの市場の混乱をみれば投資するのも足がすくみます。しかしマイナス金利まで導入されて、全く金利のつかない世界で株式が最も有利な投資対象であることは疑いないでしょう。絶対価値のある日本株は売られ過ぎれば再び大きく戻すのは必定です。日本を取り巻く激動や変化に必要以上に翻弄されてはなりません。思わぬチャンスがやってきたと、この混乱を自らの利益に還元していきましょう。「人の行く裏に道あり、花の山」。こんな株式投資の格言が自らのものとなるチャンスが大いに広がってきたようです。
(※太字強調など『舩井幸雄.com』での編集箇所あり。)
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★『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売。その後 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が同年5月30日に発売。さらに2009年11月には、船井幸雄と朝倉氏の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)が発売され、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を、2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』 (徳間書店)を発売、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』を発売、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。
★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
★(株)ASK1: http://www.ask1-jp.com/
経済アナリスト。
株式会社アセットマネジメントあさくら 代表取締役。 舩井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を舩井幸雄にレポートで送り続けてきた。
実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。
著書『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。2009年11月に舩井幸雄との初の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を発売。2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』(徳間書店)を、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。
★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
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