ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測
このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。
早いもので9月になりました。トランプ政権下のアメリカの混乱と対立はさらに加速し、アメリカの相対的な力が急速に落ちています。それにともない、世界の地政学的な転換が急速に起こっています。これまで宿敵であったカタールとイランとの国交の全面回復、サウジアラビアによる中国向け原油輸出の決済通貨のドルから人民元建てへの変更、ロシアによるサウジアラビアとイランとの関係改善の仲裁など、数えればきりがないほどの変化が進行しています。こうした変化は、アメリカの覇権が凋落し、もはやアメリカの力に頼れなくなった国々が、地域覇権国である中国、ロシア、そしてイランに擦り寄り、新しい国際秩序を模索している動きです。
それにしても、やはり問題となるのはトランプ政権のアメリカの動きです。いま、オルト・ライトと呼ばれる極右、そしてトランプ支持者と、それに強く反対する勢力との間で死者が出るほどの激しい対立が全米で起こっています。アメリカのメディアでは、「アメリカ第2革命」や「アメリカ第2内戦」などの言葉が平気で使われるようになっています。
●ジョン・ホーグの最新予言
そのようなまったく先の見えない状況では、分野を広げ、スピリチュアルな人々の予言や予測を参照してみてもよいでしょう。
ジョン・ホーグという人をご存知でしょうか? ジョン・ホーグはアメリカを代表するノストラダムスの研究者であると同時に、占星術などを用いた社会評論で定評のある人です。その分析は、歴史の根底に流れる集合的な感情の動きを読み取り、歴史に精通した高い見識で解析する非常に洗練度の高いものです。今年の1月には、次のような2017年の予言を発表しています。
1)米経済は2017年に好景気になる。
2)しかし好景気は2017年の秋には終わる。2018年にはインフレを伴う大不況がやってくる兆候が出てくる。
3)皆既日食のある8月21日前後には政治的、経済的な災難がアメリカで相次ぐ。これらの出来事でアメリカ国民は自分たちのアイデンティティーを本格的に問われるようになる。また、これらの出来事はトランプを決定的に変える。
4)オバマとネオコンが2014年に開始したロシアとの冷戦は、トランプによって2017年には終了する。
5)ロシアとアメリカは協力し、ISを攻撃する。2017年の夏にはISは駆逐される。
6)もしアメリカが2017年中に温室効果ガスを規制する気候変動会議をリードしなければ、2019年にはアメリカの覇権は完全に終演する。
7)2017年に起こる気候変動は激烈だ。トランプ自らが大きな経済的な損失を被る。これに彼はショックを受けて、地球温暖化を信じるようになる。もしこの転換が2017年に起こり、アメリカが気候変動会議をリードすることができれば、アメリカは再度大国として世界をリードする位置につく。だが、この判断が2018年から2019年にずれ込むと、中国の世紀が本格的に始まり、アメリカは中国に追随するだけの国になるだろう。
以上です。
これを見ると、4)のロシアとの冷戦終了の予言は当たっているようには見えません。トランプはこの方向に向けて舵を切ろうとしましたが、議会や民主党、そして共和党主流派の強い抵抗で新たなロシア制裁案が可決され、冷戦状態に戻ってしまったかのような状況です。
またアメリカは、地球温暖化防止のパリ協定を脱退したので、この予言から見ると、アメリカの覇権の凋落は歯止めが効かない状態になっているようです。さらに2)の経済危機は、これからの予言です。どうなるか注目です。
しかし、この予言でもっとも注目されるべきは、3)にある8月21日の皆既日食の予言です。今回要約するジョン・ホーグの予言は、7月15日にキンドルから出した『占星術による世界予言 2017年春から2018年春まで』に掲載された内容です。この本は月ごとに詳しい予言が掲載されているのでとても興味深いです。
●重要な8月と8月21日の皆既日食
そして2017年の中心となるもっとも変動の激しい月は、皆既日食のある8月なのです。アメリカの歴史的な転換点になる可能性があるといいます。ただ皆既日食の結果がすぐに現れるわけではなく、下に予告された変化は、皆既日食の8月21日を起点として、時間をかけながら徐々に現れるはずだといいます。
「8月の前半は比較的に平穏な時期となる。トランプに対する弾劾の動きも一休みしたような状況になる。
しかし、8月半ば以降状況はまったく異なってくる。あらゆる方面で緊張が激化するのだ。トランプ政権内部で戦争の拡大を望む軍産とネオコンのグループがトランプを包囲し、コントロール下に置くからだ。感情の抑制が利かないトランプは、これらグループの策にはまる。
この変動の中心となるのは8月21日の皆既日食である。この日食は、北西部の太平洋岸から南西部までの48州を通過する。これはアメリカの歴史的な転換を告げるような予兆となる。
過去に全米を通過する同じような皆既日食があったのは、ちょうど100年前の1918年6月14日であった。この年は30万人のアメリカ軍の参戦のお陰で、これまで優勢であったドイツ軍の敗北が決定的となった年だ。そしてこの年以降、これまで世界の覇権を握っていたイギリスは凋落し、アメリカが覇権国となる基礎ができたのだ。
またこの年に終了した第一次世界大戦では、トルコとロシア、そしてオーストリー・ハンガリーという3つの帝国が消滅した。
2017年8月21日を過ぎると、これと同じような覇権の交代が目に見える形で起こるのだ。アメリカは決定的に凋落し、中国、ロシア、インド、イラン、パキスタンの協力で拡大している一帯一路のユーラシアに、主導権が完全に移るのである。もちろんこれを主導しているのは中国である。
米国内ならびに世界情勢が本格的に不安定になる予兆が多数出てくる。トランプの予想不可能な性質を見くびってはならない。8月21日以降、北朝鮮やイラン、そしてシリアにいきなり攻撃するなどということも考えられなくはないのだ。また、国内情勢は混乱し、トランプ弾劾へと向けた動きは加速する。
それというのも、この時期の変化にもっとも影響されるのはトランプ自身だからだ。8月21日以降に起こる環境異変はトランプを本質的に変えるかもしれない。この環境異変でトランプは不動産を失い、大損害を被るかもしれないのだ。そしてそれとともに、認知症などの深刻な問題が表面化する可能性だってある。
さらにこの日を過ぎると、米経済が本格的に不安定になる可能性が出てくる。これは9月から11月にかけて起こるかもしれない。
また、8月21日の皆既日食を起点として地震や津波などの巨大な自然災害が起こる可能性がある。これは皆既日食が通過する48州のどこかで起こる。1700年に西海岸で発生した巨大地震による津波が日本の太平洋岸を襲った。これと同じようなことすら起こる可能性がある」
このような変化が8月21日の皆既日食を起点に、これから加速するとジョン・ホーグはいいます。
●アメリカ国内が混乱する8月
ジョン・ホーグのこのような予言が的中するかどうかは分かりません。しかし、現在一時的な小康状態となっている北朝鮮やシリア、そしてイラン情勢などを見ると、トランプ政権が急に方針を転換させ、いきなり攻撃に踏み切るという予測不可能な部分があることは間違いないでしょう。そのような展開になるかどうか注意しなければなりません。
一方、はっきりしているのはアメリカ国内の混乱です。8月12日、南部バージニア州シャーロッツビルでは、南北戦争の南部側将軍の像撤去をめぐり、今年4月から抗議集会を重ねていたクークラックスクラン(KKK)などの白人国家主義者たちと、極右に抗議する人々が衝突し、女性が一人と警官二人が死亡、多数が死傷した。この衝突には「アンティファ」と呼ばれる左派の団体がかかわっています。「アンティファ」とはアンチ・ファシズムの意味です。これはホワイト・ナショナリストと最近では呼ばれるトランプ支持の極右に抗議するために結成された、左派系のグループのことです。大抵はバーニー・サンダース支持です。
こうした中、シャーロッツビルの集会を呼びかけた白人至上主義のウェブサイト「The Daily Stormer」は、またすぐに同様のイベントを開催すると宣言しました。
「我々はこの運動を継続的に行っていく。アメリカ全土でだ。シャーロッツビルは序章にすぎない。我々は運動を拡大させていく」
その上で、投稿は「我々は戦争状態にある」とし、「この国が悪の勢力に支配される」恐れがあると主張しています。
一方トランプ大統領は、事件が発生した12日に開いた記者会見で、この件についてコメントしましたが、事件の責任が白人至上主義者たちにあると明言しませんでした。2日後には前言を撤回し、白人至上主義者を非難したものの、翌15日には再度態度を変え、暴力は白人至上主義者だけではなく、それに抗議した側にもあったと主張しました。
このトランプ大統領のコメントは、一部で歓迎されました。ネオナチや「Daily Stormer」のユーザーたちは、彼らの運動を奨励するものとしてこれを解釈したのです。このサイトのある投稿はいいます。「トランプのコメントは良かった。彼は我々を攻撃しなかった。彼はこの国が団結すべきだと言っただけだ。我々を特別に非難するものではない」と歓迎したのです。
南部を中心にして、全米で南北戦争時の南軍ゆかりの軍人を記念した碑は700以上あるとされます。そうした記念碑のある場所がホワイト・ナショナリストが集会を開催する場所として選ばれ、それに抗議する「アンティファ」の団体との間でさらに大きな衝突が全米で発生するのかもしれません。もしそのようなことが起こるのだとすれば、ジョン・ホーグの予言する8月21日の皆既日食を起点とした混乱の拡大という予言は、少なくともアメリカ国内に関する限り実現するのかもしれません。
●ウエブボットとエノク予言
ところで、コンピュータで未来を予言するウエブボットの8月のレポートには次のようにありました。
「8月の後半はアメリカで政治的混乱が拡大し、いたるところで国民の抵抗が起こる時期となる」
このレポートが発表されたのは、8月の第1週です。シャーロッツビルの事件が起こったのは8月12日だ。たしかに「政治的混乱」が始まった感が強い。
また、スイス人のUFOコンタクティー、ビリー・マイヤーの1987年のコンタクト記録である「エノク予言」を見るとやはり不気味な記述があります。予言というものは90%以上が外しており、決して信用できるものではありませんが、私の見る限り「エノク予言」は的中している数少ない予言のひとつと言えそうです。
「アメリカで2つの大規模な内戦が相次いで勃発するからである。その後、アメリカ合衆国は互いに激しい敵対関係に陥り、やがてアメリカの州は5つの領域に分かれる。その際に教派的な狂信者が独裁的な役割を果たすことは防げまい。世界中が無政府状態に陥り、それは長きにわたって人間を苦しめるであろう」
もしかしたら、これからアメリカは、ここで予言されている分裂過程に入るのかもしれません。内戦のような状態です。当たらなけれいいですが、要注意です。
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社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
★ヤスの備忘録: http://ytaka2011.blog105.fc2.com/
★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/