ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測
このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。
早いもので8月になりました。今年は昨年以上に多くの出来事や事件が起こり、世界の混乱の度合いが増しているような気がします。やはりその中心にあるのは、アメリカのトランプ政権の混乱です。いま水面下でトランプの罷免、ないしは弾劾に向けた動きが加速しています。この動きは日本ではほとんど報道されていません。そこで今回も、前々回と前回に引き続き、いまアメリカ国内で話題になっている水面下の動きをお伝えします。
●トランプの暗殺予告
いま話題になっているのは、トランプの暗殺予告です。オバマ大統領のときから、大統領の暗殺の可能性については絶えずうわさされていました。全米で抗議運動が行われている現在のトランプ大統領では、暗殺のうわさは絶えません。反トランプのサイトでは、いつもその可能性について語られています。
しかし今回、単なるうわさには止まらないような情報が入ってきています。それは、ビル・スティルという人物のユーチューブのチャンネルから発信されたものです。ちょっと気になるので、詳しく紹介しましょう。
●ビル・スティル
日本でもそうですが、アメリカにもユーチューブのチャンネルから独自の番組を配信し、多くのアクセス数を獲得している有名ブロガーが何人もいます。ビル・スティルもそうした人物の一人です。首都ワシントン在住の宗教系保守派で、トランプの熱烈な支持者です。彼は「ザ・スティル・レポート」という番組を週に2回から3回程度発信しています。ビル・スティルは、新聞の編集者として多くの主要メディアに寄稿し、また作家として22冊ほどの著作を出しています。さらに、ドキュメンタリー映画も製作しています。
そんなビル・スティルですが、2016年6月のイギリスEU離脱の国民投票の結果を、投票の前日に予測したグーグルの調査を紹介したことで、注目されるようになりました。また昨年の大統領選挙では、クリントンが圧勝するとの大方の予測に異を唱え、隠れトランプ支持者があらゆる社会層にいるとして、選挙人の獲得数ではトランプが地滑り的に勝利すると予測しました。トランプの勝利を予測した数少ない人物のひとりです。
その後も民主党本部のサーバからデータを盗み出したのはロシアではなく、ITエンジニアのセス・リッチによる内部犯行であることなど、多くの疑惑を実証的に証明するビデオを発信しています。ビル・スティルは、重要な情報を見分ける確かな目と直観力を有しているようです。
●ある福音派牧師の証言
そして今回、「ザ・スティル・レポート」ではロドニー・ヘラルド・ブラウンというフロリダ州、タンパ市の福音派教会を主催する牧師の証言を、ビル・スティルは見過ごすとこができないとしてビデオ配信しました。次のリンクで見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=OuWTZg022lc
ブラウン牧師は20年ほど前から、7月のこの時期、信者とともに首都ワシントンに赴き、大統領に向けた祈りの儀式をホワイトハウスに近い「コンスティテューション・ホール」という建物で開催しています。ここは日本でいえば、永田町の憲政会館でしょうか。今年も例年同様、祈りの儀式を開催するためにワシントンにやってきました。
すると、7月10日、思いがけずホワイトハウスから招待されました。大統領との面会は特に予定されていなかったものの、ホワイトハウスに赴くと他に27人の福音派教会の代表者が招待されていました。大統領の執務室でペンス副大統領と懇談していると、思いがけずトランプ大統領が入ってきたのです。そこで急遽、トランプ大統領に祈りを捧げることにしました。
このとき撮られたトランプの肩に手を載せ、祈っている様子は、フェースブックに投稿され拡散しました。そのこともあって、ブラウン牧師は主要メディアのMSNBCのニュース番組にインタビューされました。ブラウン牧師によると、トランプはジョークを飛ばす実に快活な人物で印象はとてもよかったといいます。
●議員との懇談
そして翌日の7月11日、米議会を訪問しました。おそらく祈りの儀式を行うためだったのでしょう。上院と下院の指導的な議員に会ったのですが、ブラウン牧師の印象はとても悪かったといいます。私利私欲のためにワシントンの政界を牛耳るような人々だったそうです。
そのとき、ひとりの著名な指導的な議員のひとりと懇談しました。するとこの議員は、「いまトランプを排除する動きが進んでいるのですよ」と教えてくれた。ブラウン牧師は、「弾劾する動きのことですよね」というと、この議員は「いいえ、違います。いま、トランプをすぐに排除するための動きが進んでいるのですよ」というのです。
ブラウン牧師は、これを暗殺の予告として受け止め、「コンスティテューション・ホール」で開催している信者との祈りの儀式でこれを公開し、これを避けるために祈ることを強く求めました。「ザ・スティル・レポート」では、ブラウン牧師の祈りの儀式をそのまま全部放映しました。緊張感に満ちた儀式でした。
●8月になにかあるのか?
この証言を聞いた限りでは、この議員のいう「いまトランプを排除する動きが進んでいるのですよ」というのは、必ずしも暗殺を意味しているのではないかもしれません。弾劾裁判という大変時間がかかる方法ではなく、すぐにトランプを排除する方法は暗殺だけではないからです。
合衆国憲法には「修正第25条第4節」というのがあります。これは「副大統領クーデター条項」と呼ばれるものです。副大統領および閣僚の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領が職務を遂行することができないという文書による申し立てを送付するとき、大統領は罷免され、副大統領が直ちに大統領代理として職務を遂行するとした条項です。
その後、大統領が上院臨時議長および下院議長に対し、職務は遂行可能であるとする文書による申し立てを送付することが可能です。そのときには大統領は職務を遂行できます。ただし副大統領および閣僚の過半数が、上院臨時議長および下院議長に対し、大統領が職務の遂行ができないという文書による申し立てを4日以内に送付するとき、これは打ち消されます。この場合、連邦議会は48時間以内に会議を招集し、多数決でどうすべきか決定します。副大統領と閣僚の異議が通ると、大統領はこの時点で罷免されます。
この「副大統領クーデター条項」を使うと、大統領の違法な行為を審議する弾劾裁判ではなく、職務遂行が不可能になったという事実の認定だけで大統領を罷免できます。細かな事実を延々と審議する過程はないので、比較的早く罷免することができます。この条項は、アメリカのこれまでの歴史で一度も発動されたことはありません。
トランプの個人的なアドバイザーで、1964年以来共和党の選挙参謀を努めているロジャー・ストーンは、共和党のトランプのツイートの錯乱した書き込みを証拠にして、トランプがアルツハイマーであるとの疑惑を喧伝し、「副大統領クーデター条項」が適用できる国内の条件を作り出す動きをしているといいます。
事実、いまトランプの感情的なツイッターの書き込みや言動などを根拠に、トランプがアルツハイマーやウツなどの精神的な病を患っているとして、大統領の職務遂行が不可能であることを証明しようとする動きがあります。これは前回の記事で書きました。
先程のロジャー・ストーンは、トランプを熱烈に支持しているアレックス・ジョーンのテレビ番組に出演し、民主党とトランプに反対する共和党勢力が協力し、早ければ8月にも大きな動きがあると警告しています。
今月は大きな山場になるかもしれません。
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社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
★ヤスの備忘録: http://ytaka2011.blog105.fc2.com/
★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/