新時代への道しるべ

このページは、船井幸雄と同じ理念を持った、(株)トータルヘルスデザイン会長の近藤洋一氏によるコラムページです。近藤会長は、健康、環境、食料などの分野で、新しい21世紀を創り上げることを使命とした活動をされています。

2010.05
『底力』の発見

 少し前のことですが、ある一定の年齢に達すると、法律によって、病院で健康診断を受けなければならなくなるという話を聞きました。
 これはとんでもないことだと思っています。そこで私事で恐縮ですが、体験例をご紹介させていただくことにいたします。
 30歳のときに「検査をしない、お医者さん(内科)には行かない、薬は飲まない」と心に決めて、40年以上経過しますが、それ以来、このことを守り通しています。

 これは自慢することでもなんでもなくて、やむをえない事情があってのことでした。
 40年ほど前に、ストレスと不摂生で体調を崩し病院で精密検査を受けたところ、薬を処方される、食事など日常的な細かい健康指導をされるなど、大変窮屈な目にあい、受身で生活せざるを得ない羽目におちいってしまいました。
 指定された日に病院に行って診察を受け、お医者さんの指示に従って薬を飲む、そしてまた病院に行くということを繰り返す日々で、そんなことを忠実に守る真面目人間に徹していると、知らず知らずの間に患者意識が芽生えるようになりました。

 あるとき、こんなことをしていると、本当の病人になってしまうと思って、病院に行くのをやめました。それ以来、お医者さんのお世話にはならずに今日にいたっています。
 病院に行くと症状の重い方も大勢おられて、一概には言えないことですが、体調が少し優れないくらいのことなら、自然治癒力が働いて、ほうっておいても病気は治ってしまうように思うのです。
 最近、木村裕昭博士の書かれた『ドクター木村の病気撃退法』(創元社)という本を読んで、この本には真髄が書かれていると思いましたので、簡単にご紹介させていただきます。

 木村博士は「早期発見、早期治療などという、一命を失うような病気に使われるべき言葉が、あらゆる病気、ほうっておいたら治るような病気にまで拡大使用され、また一般にまで普及し、それが健保制度と結びついて大量の健康人を病院へ駆り立てています。・・・・・・・心の不安定、イライラ、疲労などというのは病気ではなく、心の悩みに属する問題であるのに、『自律神経失調症』という病名をつけ、病気として取り扱うことを可能にした。治療、投薬が保健で可能になった・・・」と述べておられます。
病院経営も大変で、借金返済のために追い回されている病院も多いということです。病院経営も儲けなければどうにもならないのです。

 木村博士は『医者の心得帖』として以下のように述べておられます。
@寄らしむべし:きれいな建物、複雑な検査、きれいな包装の薬で、お客は満足します。

*患者を納得させよ: 患者が思っているとおりの診断をしたところが良い病院という ことになります。胃潰瘍だと思っている人には胃潰瘍だと診断 する病院が良い病院なのです。
*患者に同調せよ: 患者は病気という大義名分のお蔭で、仕事を休めるので、喜んで 通院し、入院します。このような患者が多くいたほうが医者も都 合がよいのです。
@知らしむべからず:患者はいつ治るか質問しません。日本人のそんな体質を利用します。
*病名をオーバーに言え: 几帳面な患者は、すがり付いて病院に入り浸りになって くれます。肝硬変を宣告されて、それが治りでもしたら、 信望はあつくなり、名声は上がります。
*一つの病名で帰すな: 病院もセット販売をすれば儲かります。糖尿病だけでなく、 高血圧症、狭心症、果ては水虫まで一括検査して病名をつけ るのがコツです。
*責任を避けよ: 自分の病院で死人を出したくないので、手に負えない病人は大学病院に紹介という形で送り込みます。
*薬、検査漬けにせよ: 健康保険制度は医者の技術料が大変低く抑えられています。
薬や検査は保険点数が高いのです。検査も薬も好きな患者 ですから、薬漬けにすることが双方にとって都合がよいの です。

(以上ご紹介させていただいたことは、あくまでも現代人と病院のかかわりについて逆説的に表現したもので、病院の実態を描写したものではありません。必要なことは患者意識からの脱皮だと思うのです。誤解のないようにお願いいたします。)

結論:人は病気では死なない。 薬は症状を緩和するだけで根本的には決して治しません。根本的に健康になるには、日頃から養生することというのが木村博士の結論です。
 製薬会社や病院の経営が経済活動の中に組み込まれてしまっている現代社会にあっては、「元気になる」ということと「病気を治す」ということは全く別次元のこととして考える必要があるように思います。
 『元気になる』ことを目的として、私どもではバンクシア・フィットネスを開催させていただいています。
 人は魂レベルでみると、鉱物、植物、動物、人間の4層構造になっていると考えられます。
 植物のエネルギーはものすごく、まるで限界がないかのように伸び続けて行きます。
 植物のイノチをつくり上げている根源の力は、人間の中にも組み込まれていて、インド人は、ヨーガによってこの『底力』を開発していきました。
 バンクシア・フィットネスはこの『底力』を引き出すコツを修得し、気の達人になり、病院と“おさらば”することを目的としています。


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2010年5月号

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Profile:近藤洋一(こんどうよういち)

近藤洋一株式会社トータルヘルスデザイン 会長。2008年10月に株式会社バンクシア設立。1938年生まれ。61年京都工芸繊維大学繊維化学科卒業。90年、株式会社トータルヘルスデザインを設立。「びっくり現象のなかに21世紀を切り開いていく鍵がある」という考え方をもとに、従来の思考の枠組みを超えた技術、商品を発掘。「だれもが美しく健やかに、そしていきいきわくわく生きていくことのできる暮らしづくり」を提案し、実現していくことを企業目的として、京都と東京を拠点に、《美と健康》事業を展開している。《安全、安心、エコロジー、“気”のある商品、気になる情報》を提供しつづけている。月刊『THD LIFE』や、インターネットを通して情報発信活動に取り組んでいる。

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