新時代への道しるべ

このページは、船井幸雄と同じ理念を持った、（株）トータルヘルスデザイン会長の近藤洋一氏によるコラムページです。近藤会長は、健康、環境、食料などの分野で、新しい２１世紀を創り上げることを使命とした活動をされています。

　２０１２年１２月２１日でマヤ暦が終わっていることをめぐって、様々な憶測が飛び交って現在に至っています。マヤ暦と２０１２年のことについては気になっていたものですから、１年ほど前にマヤの長老が来日されたとき、お話を聞きに行ったのですが、もうひとつ理解できないでいました。
　コルマン・インデックスで知られている生物物理学者カール・ヨハン・コルマン博士は、マヤ暦を厳密に調べたところ、２０１１年１０月２８日が、人類の意識が変容・進化するXデーであることを明らかにし、この日を境に地球は新たな歴史を刻むのだとして話題を呼んでいます。
　このことについては船井幸雄先生も肯定しておられますので、皆様ご存知だと思います。

　ところで古代ギリシャでは時間をクロノスとカイロスの二つに分けて理解していたと伝えられています。クロノスというのは、地球が太陽の周りを一周する周期、月が地球の周りを一周する周期など、宇宙の周期を機械的に計測した結果得られる物理的な時間の流れを指しています。
　私たちにおなじみの過去から未来へと一定速度で流れる機械的な時間です。
　「明日は２時から博多で大切な仕事の約束があって、遅れるわけには行かない。３０分前には博多駅に着くように新幹線に乗ろう」「一週間後には娘の結婚式があるので、準備万端整えておかねば・・・・」などという時間です。
　このように私たちが普段、意識しているのがクロノスとしての時間です。人は生まれてから死ぬまでクロノス時間のお世話になって人生を過ごしています。場合によっては時間にしばられているなと感じるときもあるのではないでしょうか？
　一方、宇宙の力が働いて、巡り合わせが起こるタイミングを示すのがカイロスです。物理的な時間ではなく、絶妙なタイミングで心に沁みるような出来事が起こり体感することがありますが、これがカイロスです。

　西洋の神話にでてくる幸運の女神は、前頭部にはふさふさと髪の毛が生えているのですが、後ろのほうは禿げているのだそうです。だからチャンスが訪れたら、ウダウダ言ってないで、神様の前髪をさっと掴まないとダメなのです。「どうしようかな？」などとグズグズしていると、幸運の女神はさっと通り過ぎてしまうというのです。
　幸運の女神が通るのを見ていて、後で気がついて掴もうとしても、後頭部は禿げていて、つるっとすべって掴みそこなってしまうというわけです。よくあることではないでしょうか？
　このように、めぐり合わせが起こるタイミングを表すのが“カイロス”です。
　身の回りに起こる小さなことから、ここ一番大切なことにいたるまで、何か大きな宇宙の働きとでもいうべき絶妙なタイミングのお蔭で「ああ、良かったなあ、ついているな」と、思わず感謝したくなることがありますね。そんな宇宙のタイミングとしてのカイロスにもとづいて作られた暦はマヤ暦だけなのだそうです。
　２０１２年にマヤ暦が終わっているということで話題を呼んだ理由は、この年が生命や歴史の進化が起こるタイミングと考えられるから、ということのようなのです。
　地球は太陽の惑星として、太陽の軌道に沿って、自転しながら公転して今日にいたっていますが、ずっと同じ速度で自転しているわけではなく、かつての地球はいまより高速で自転していたと言われています。
　４５億年前、地球が誕生した頃には、一年は２０００日だったと言われています。そして６億年前は一日が約２２時間で、一年は４００日だったそうです。
　最近時のたつのがずい分早くなったように感じられるのではないでしょうか？　これは何を意味するのでしょうか？
　時間というのは人間が発明したもので、宇宙に元来存在するものではありません。「今ここ、このとき」は一瞬一瞬、消えていき、新しい現実があらわれます。物理的な時間にしばられて生きることから脱皮し、宇宙にまかせて生きる“カイロス”としての生き方が求められている時代と言えそうです。