船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　先日、私の祖母が亡くなりました。近しい親族を亡くす経験は初めてでした。余命が短いとわかってから、船井会長の書籍の『人は生まれ変わる』（ダイヤモンド社）『人間塾』（ビジネス社）『にんげん』（ビジネス社）を改めて読み直しました。読み直すのは本が出版された時以来です。おそらく、悲しみをなるべく最小限に抑えられるよう、祖母の死を肯定しようと本を読み直したように思います。船井会長の書籍との出会いで、死生観はガラリと変わったのを覚えています。船井会長もご親族を相次いで亡くしたのがきっかけで、死とは何か、人間とは何かを研究したと言っています。
　
　「死生観」を持つことで人生は変わると思います。私の今回の経験で今までと違う“視点”が生まれたのは確かです。人生に限りがあることはわかっていながら、これだけ身近に感じるのは初めてでした。人間の欲は限りがないもので、日々の出来事に不満を絶えず抱えていたように思いますが、少しのことでも本当に有難いと思えるようにもなりました。

　家族の恩とは何でしょうか。私は幼い頃から、誰とでも分け隔てなく付き合うことができ、好かれやすいと言われてきました。私にとっては無意識ですが、そのような能力に恵まれたのも祖母のお陰だと改めて気づきました。育った環境にマイナスな意識が発生すると、人に抱く感情も今と違ってあらぬ方向に向かっていたかもしれません。このように、私の長所も単に私の特性ではなく、家族のお陰と気づくきっかけにもなりました。
　
　これだけ祖母に対して愛情を抱くのも、祖母からの無償の愛を受けていたからだと思います。祖母は何も見返りを期待していなかったように思います。お金持ちになって欲しい、偏差値の高い学校に行って欲しいなど、そんなことではなく、とにかく人間としてどうあるべきか。そんなことを厳しく教えられました。
　
　今回の文章を書こうと思ったのは、最近、頭の中で考え巡らしたことを一度アウトプットしてみようと思ったからです。文章を書きながら、祖母に対する感謝の念を深めております。思い直すと次から次へと恩を改めて認識します。今後、更に新しい気づきもあるでしょう。

　お世話になっている方より、子孫に死を教えることも祖母の役割と教えられたこともありました。人生の役割、使命。様々な視点で、冷静に考えて祖母の死を肯定しようと試みていますが、単純に普段の何気ない会話ができないのがとても寂しく思います。こんな文章を書いている私の隣で微笑みながら私を見ているかもしれません。

　教えてくれたのは無償の愛。言葉で教えられたことではありません。今、そう感じるだけです。それは、心掛けでできるものでもありません。血を引いた家族だからこそできるものです。少なくとも私の祖母に対する感謝の気持ちはとても大きいものです。私の心の中に感謝の心が溢れている事実は、祖母にとって、人生を全うできたことを肯定できる要因の一つになるのではないかと思っています。
　

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４周目：「旧友　（テーマ：“働く”ということは）」
５周目：「志を一つに　（テーマ：私が日々思ふこと）」
６周目：「伝えるということ　（テーマ：私が日々思ふこと）」
７周目：「自身の役割とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」
８周目：「冬の季節に思うこと　（テーマ：私が日々思ふこと）」
９周目：「お客様に教えられる　（テーマ：私が日々思ふこと）」
１０周目：「本物の法則とは　（テーマ：私が日々思ふこと）」