ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測
このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。
いよいよ2021年になった。今年も激動の年になるだろう。新型コロナウイルスの蔓延もあるだろうが、やはり激動の中心はアメリカである。
日本の主要メディアでは、米大統領選挙ではすでにバイデンの勝利が確定しているにもかかわらず、ひとりトランプだけがごねているというように報道されている。一方、バイデン陣営は次期政権の閣僚を着々と任命しており、それが日本の報道の焦点になっている。もはや大統領選挙の勝敗は完全に確定したという報道だ。
12月14日、次期米大統領を正式に選出するための選挙人投票が行われた。民主党のバイデン前副大統領が過半数を獲得し、勝利が事実上確定した。来年1月6日の連邦議会での投票結果承認を経て、1月20日にバイデンは第46代大統領に、ハリスが副大統領に就任する。これまでトランプ陣営は、選挙人投票での逆転を目指して激戦州で訴訟を繰り返してきたが、最高裁も含め、これまで50件の提訴はすべて棄却されている。万策が尽きたとの見方が強い。
このような状況を受けて、これまでトランプを支持し、バイデンの勝利を認めなかった共和党も変化した。15日、米上院共和党トップのマコネル院内総務は、バイデン前副大統領が次期大統領に就くことを受け入れる意向を表明し「祝意を表したい」と述べた。これから共和党内では、次期大統領としてバイデンを認める動きが強まる可能性が高い。
●諦めないトランプ陣営
しかし、こうした動きにもかかわらず、トランプ大統領が敗北宣言する気配はまったくない。むしろ、選挙の無効を訴えて、自分が勝利したとするかねてからの主張を強めている。ルディー・ジュリアーニやシドニー・パウエルなどのトランプ陣営の弁護士チームも、バイデンの勝利確定にはまったくひるむ様子はなく、相変わらず不正選挙の証拠の収集に余念がない。
この動きで最近大きな進展があったのは、ミシガン州、アントリム郡で使われていた22台の「ドミニオン投票システム」の正式な調査結果だ。これはトランプ陣営の求めに応じて、「アントリム郡」の司法当局が実施を約束したものだ。その調査結果の内容は驚くべきものだった。1万5676件の投票結果を確認したところ、そのうちの1万667件に投票のエラーがあった。これは全体の68.05%に上る。連邦選挙管理委員会が許容しているエラーの割合は0.0008%なので、「アントリム郡」のエラーは膨大だ。
このエラーの具体的な内容は公表されていない。トランプ票が勝手にバイデン票に変わるようなことが起こっていたのかどうかはわからない。しかし、選挙監視団体の「アーミステッド・プロジェクト」は、同様な説明不可能なエラーが他の接戦州が使った「ドミニオン投票システム」でも起こっている可能性が高いとして、他州にも選挙結果の保全を訴えている。
●トランプ陣営の次の一手、大統領令の発動
この動きは、トランプの逆転勝利を目指しているトランプ陣営にとっては追い風となる。そこで、14日の選挙人による投票で選挙結果が確定したいまの時点でもまだ使える手として、2018年にトランプが署名した大統領令がある。これは、もし選挙に外国勢力のなんらかの介入の可能性があった場合、「国家情報局」に選挙を調査することを命ずる大統領令だ。
この調査の実施が決定されると、大統領は全米で使われている「ドミニオン投票システム」を押収し、外国勢力の介入があったのかどうか、徹底して調べることができる。そしてもし、なんらかの介入があったことが証明できれば、大統領は選挙の無効を宣言し、改めて選挙を実施できる可能性が示唆されている。
だが、この大統領令の実施には条件もある。選挙の実施から45日以内に「国家情報局」の長官が調査を決定する必要がある。11月3日が選挙だったので、期限は12月18日だ。「国家情報局」に動きはない。もうすでに手遅れとしかいいようがない。2021年の1月6日には連邦議会で12月14日の投票結果が追認され、バイデンの大統領就任は確定するはずだ。
●「ドミニオン社」がつながっている勢力
一方、今回の大統領選挙になんらかの不正があったと感じているアメリカ国民は多い。上下両院の共和党議員団の70%、共和党員の68%、そしてなんと民主党員の10%がバイデンの勝利をいまだに認めていない。その理由は、なんらかの不正があり、選挙の公正性に問題があると見ているからにほかならない。全国民を対象にした調査結果はないが、おそらく半数を上回る米国民が今回の選挙にすっきりしないものを感じていると見てよいだろう。
筆者は、トランプ陣営が突き付けた800件を越える宣誓供述書の証言から見て、おそらくなんらかの不正があったと考えている。おそらく今回民主党は、どんな手を使ってでもトランプを引きずり落とすつもりだったのだろう。「ドイツ銀行」の上級副社長で情報畑出身のナヴィッド・ケシャヴァーレズ・ニアの宣誓供述書にもあるように、「ドミニオン投票システム」が、バイデンの得票数を増やすための大規模な不正に使われた可能性はあると思う。
特にこの疑念は、「ドミニオン・ヴォーティング・システム社」を調べると、この会社がエリートの巨大なネットワークの一部である可能性が見えて来る。これがどういうことか、見て見よう。
●「スマートマティック社」とは?
「ドミニオン投票システム」にインストールされているソフトウエアの基本的なアーキテクチャーを設計したのは、「スマートマティック社」という会社である。この会社は2002年にベネズエラの首都、カラカスで設立された。2004年に当時のチャベス大統領の信任を問うことになった選挙が実施されたが、その投票で「スマートマティック社」の電子投票機が使われた。
このときチャベスは6対4で対立候補に負けていたものの、実際に選挙をすると6割以上の得票をして逆転勝利した。この勝利は、「スマートマティック社」の電子投票機による大規模な票の書き換えが行われたからではないかと当時から見られていた。
現在「スマートマティック社」は、電子投票機とそのソフトウエアでは、世界的な大手の企業に成長している。その持ち株会社の「SGOスマートマティック社」の本社はロンドンにあり、グローバルにビジネスを展開している。
ここで興味深いのは、「SGOスマートマティック社」を率いている会長のマーク・マロック・ブロックという人物だ。彼は世界銀行の元副総裁であった。いまは民主党の最大献金者の一人であるジョージ・ソロスが主催する「オープン・ソサエティー財団」と、やはりソロスが設立したヘッジファンド、「ソロス・クワンタム・ファンド」の役員でもある。さらに、世界のエリートが結集する会議、「ダボス会議」のメンバーでもあるのだ。また、2008年当時、大統領選挙に立候補したオバマ候補をイギリス政府に紹介したのが、外務副大臣だったマーク・マロック・ブロックだった。民主党とのつながりは深い。
そして、さらに興味深いことに、アメリカの現地法人である「スマートマティックUSA」の重役の一人、ピーター・ネフェンジャーは、バイデンの政権移行チームの一員である。
だが、「スマートマティック社」の民主党とのつながりはこれだけではない。「SGOスマートマティック社」の役員の一人は世界最大の法律事務所、「DLA・パイパー」の役員でもある。「DLA・パイパー」は副大統領候補のカマラ・ハリスの夫がパートナーの一人となって設立した法律事務所だ。
●「セコイア社」
これからこの話はもっと興味深くなる。2005年、「スマートマティック社」は、アメリカに進出するため、カリフォルニアに本社のある電子投票機メーカの「セコイア社」を買収した。そして、「セコイア社」の旧式の機械とシステムをすべて、「スマートマティック社」が開発した最先端のものに入れ替えた。
だが2007年、プリンストン大学の教授や、カリフォルニア州の州務長官は、この投票システムが外部からハッキングされ、票の書き換えが可能ではないかとして同社を告発していた。
そして2010年になると米財務省は、「スマートマティック社」が、独裁的で反米的なベネズエラという外国勢力とのつながりがまだあるのではないかという疑念を持ち、捜査を始めた。「スマートマティック社」はこの捜査をかわすために、「セコイア社」の売却を決定した。
●「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社」
「スマートマティック社」に買収された「セコイア社」を2010年に買ったのが、いま票の不正操作でトランプ陣営が告発している「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社」なのだ。この買収によって、「ドミニオン投票システム」にも「スマートマティック社」と同一のものが使われた。
そして、「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社」だが、カナダで設立された会社なので、外国勢力との関係を疑われるのを嫌い、ニューヨークにある未公開投資会社、「ステープル・ストリート社」に身売りした。興味深いことに、この会社の役員の多くは投資顧問会社、「カーライル・グループ」の出身だ。オバマ政権の閣僚の数名は「カーライル・グループ」から来ている。民主党と強いつながりを持つ会社だ。
また「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社」は、「クリントン財団」にも献金したことを認めている。さらに、民主党のナンシー・ペロシ下院議長の側近の一人がこの会社の役員になっていることも分かっている。
そして4年前の2016年、イリノイ州の選挙のとき、「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社」の副社長は、インタビューでこの機械の票の集計結果にアクセスができるかどうか聞かれると、アクセス権さえあれば問題なく可能だと答えている。
このような事実を見ると、「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社」、ならびにそのシステムの基本を設計した「スマートマティック社」は、民主党の首脳部との関係が非常に強い会社であることが分かる。中立的な会社ではない。「ドミニオン投票システム」がバイデンの票をかさ上げするために使われたとする疑惑は、晴れるどころか深まるのではないだろうか?
●支配エリートはネットワーク
さて、こうした事実からはっきりするのは、世界的な影響力を持つ支配的なエリート層は、「ロスチャイルド家」、「フリーメーソン」はたまた、「イルミナティー」などという組織ではなく、広範で複雑なネットワークでできているということだ。つまり、お友達と知り合いが複雑に絡んだ人脈である。
はっきりしていることは、いま問題になっている「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社」は、「スマートマティック社」とともに、民主党上層部から「ダボス会議」までつらなるグローバルなネットワークの一部である可能性があるということだ。
このグローバルなネットワークは組織ではない。それは、比較的にゆるいエリート層の人脈である。しかし、そうした「お友達」の間では、彼らの大多数が共有する世界観と価値観、そしてそれらに基づく共通のアジェンダが存在する可能性は高い。
●トランプとはなにものなのか?
このように、エリートの支配層が人脈のネットワークだとしなのなら、トランプとはなにものだろうか? いまアメリカのみならず世界的にトランプの熱烈な支持者が拡大している。彼らはトランプを、アメリカをグローバリストの支配から解放し、米国民の手に取り戻すために蜂起した「アメリカ第2革命」の旗手、ならびに、現代の腐敗した金融システムをリセットし、格差の少ないフェアな社会を実現するための解放者として崇敬している。
しかし、本当にトランプはそのような人物なのだろうか? いいや、そんなことは絶対にない。これこそ、キャンペーンによって戦略的に作られたイメージにしか過ぎないのだ。トランプは、民主党首脳部が属するネットワークとは、本質的に異なるネットワークを背景にして出てきた人物だ。では、それはどのようなネットワークと人脈なのだろうか? これは別の機会に書くことにする。
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社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
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★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/