ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測
このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。
いま「ファイザー」や「モデルナ」などが生産している「mRNAワクチン」や、「アストラゼネカ」や「ジョンソン・アンド・ジョンソン」が開発した「ウイルスベクターワクチン」などが引き起こす重篤な副反応への懸念から、接種に不安を感じている人も多いことだろう。これらのワクチンの接種後に血栓症を発祥し、死亡するケースが一定数報告されているからだ。筆者も接種に懸念を持つ一人だ。
そうした人々にとっては、希望の持てる情報が入ってきた。「組み替えタンパクワクチン」というタイプのワクチンの第3相治験の結果が公開され、高い有効性が確認された。これはアメリカの「ノババックス」が開発しているワクチンだが、日本では「シオノギ製薬」が同じ種類のものを開発している。また「武田薬品」が「ノババックス」とライセンス契約をして、日本でも生産される予定だ。
●「組み替えタンパクワクチン」とは?
まず「組み替えタンパクワクチン」とはどういうものなのか簡単に説明しておきたい。従来型のワクチンにはいくつかの種類がある。
・生ワクチン
これは毒性を低くしたウイルスだ。これに感染させることで体内で抗体の産出を促進して免疫を獲得し、感染を防止する。もっとも一般的なタイプのワクチンで、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、BCGなどで使用されている。
・不活化ワクチン
これは、毒性のない不活性化したウイルスを接種するものだ。この接種で抗体を作り出して免疫を獲得し、感染を防御する。百日咳、破傷風、ジフテリア、A型肝炎、インフルエンザなどで使われている。
・組み替えタンパクワクチン
これは不活性化ワクチンの一種だ。新型コロナウイルスのDNAを大腸菌に転写して、ウイルスがヒトの細胞と結合するために使うスパイクタンパク質を合成する。それを接種することで抗体を作り出し、新型コロナウイルスの免疫を獲得するものだ。すでにこの種のワクチンは、B型肝炎、帯状疱疹、子宮顎がんなどで使われている。
つまり「組み替えタンパクワクチン」とは、インフルエンザなどでも使用されている不活性ワクチンの一種で、従来型のワクチンだということだ。これは毒性のない新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を接種するもので、ヒトの細胞にスパイクタンパク質を合成させる「mRNAワクチン」や「ウイルスベクターワクチン」のような新しいタイプのものとは根本的に異なる。従来型のワクチンだ。
●「組み替えタンパクワクチン」の有効性
このワクチンの有効性だが、治験の最終段階である第3相治験の結果は、「ノババックス」のサイトでニュースリリースとして公開されている。それは以下のような結果であった。18歳から84歳の軽症、中等症、重症の被験者でテストされた。
・平均の有効性:89.3%
・英国変異種: 85.6%
・南ア変異種: 50.9%
・武漢従来株: 95.6%
これを見ると、従来型に近いこのワクチンは、十分な有効性があるようだ。「アストラゼネカ」の「ウイルスベクターワクチン」の有効性が10.4%しかなく、ワクチンが効きにくいとされた南アフリカ変異種にも、50.9%というある程度の有効性が確認された。
この結果は、「ノババックス」の以下のサイトで確認できる。
Novavax COVID・19 Vaccine Demonstrates 89.3% Efficacy in UK Phase 3 Trial
Jan 28, 2021
https://ir.novavax.com/news-releases/news-release-details/novavax-covid-19-vaccine-demonstrates-893-efficacy-uk-phase-3
●日本での配布は今年の夏以降か?
これはとても希望の持てるニュースだ。「組み替えタンパクワクチン」はすでにB型肝炎、帯状疱疹、子宮顎がんなどの予防ワクチンとして広く使われている従来型のタイプであるため、接種後に起こる副反応の危険性は、「mRNAワクチン」や「ウイルスベクターワクチン」のような新型よりもかなり低いことが予想される。
先に書いたように、いま日本ではこれを「シオノギ製薬」が開発しており、「武田薬品」が「ノババックス」とライセンス契約を結び、生産する方向に動いている。これに関するいくつかの記事を読んだが、早ければ今年の夏頃にも日本での生産と供給が始まる可能性があるようだ。
これは、いま接種が進んでいる「mRNAワクチン」の副反応に懸念を持つものにとっては、大変な朗報だ。接種できるワクチンのタイプを選ぶことができるのかどうか疑問はあるが、選べるのであれば、この「組み替えタンパクワクチン」の供給が始まるまで接種を待つという方法もあるだろう。筆者はそうするつもりだ。
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社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
★ヤスの備忘録: http://ytaka2011.blog105.fc2.com/
★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/