“本物主義”時代の幸せな生き方

このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の佐野浩一によるコラムページです。
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

2015.06.01(第16回)
一隅を照らす

 「温故知新」。
 前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し、自分のものとすること……。
 そう、新しい時代を知るには、古い時代から大事にされていることに立ち返ってみる必要があります。
 「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉はよく目にしますが、比叡山を開いた伝教大師・最澄(767−822年)の著書『天台法華宗年分学生式(てんだいほっけしゅうねんぶんがくしょうしき=山家学生式)』に記されているのだそうです。
 『山家学生式(さんげがくしょうしき)』は、伝教大師が日本天台宗を開くにあたって、人々を幸せへと導くために「一隅を照らす国宝的人材」を養成したいと、熱意をこめて著述されたものだそうです。

 ここには、いくつものとても深い示唆を与えられる言葉を目にします。
 「国宝とは何物ぞ、宝とは道心(どうしん)なり」。
 仏道を求める心で御仏におすがりし、御仏の教えを実行する心、これを「道心」と言い、御仏にすがる心をもって生活すれば、必ず正しい生活をすることができると諭されています。
 「道心の中に衣食(えじき)あり 衣食の中に道心なし」。
 御仏の教えを実行して生活していると、何不自由なく暮らすことができますが、自分のことばかりを考えて生活していると、他人への思いやりの心、仏様を信頼する心を忘れ、正しい人間生活を送ることができないということです。
 「径寸(けいすん)十枚これ国宝に非ず、一隅を照らすこれ則ち国宝なり」。
 「径寸」とは金銀財宝のことで、「一隅」とはいま、私たちがいるその場所のことです。
 お金や財は国の宝ではなく、家庭や職場など、自分自身が置かれたその場所で、精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも変えがたい貴い国の宝であるということです。
 一人ひとりがそれぞれの持ち場で全力を尽くすことによって、社会全体が明るく照らされていきます。そうして、自分のためばかりではなく、人の幸せ、人類みんなの幸せを求めていこうということです。「人の心の痛みがわかる人」「人の喜びが素直に喜べる人」「人に対して優しさや思いやりがもてる心豊かな人」こそ、国の宝である……。まさにそういうことです。
 そして、そういう心豊かな人が集まれば、きっと明るい社会が実現していきます。
 私たちそれぞれが、自身の置かれている場所や立場で、ベストを尽くす……。そして、自ら人を照らすべく、輝く……。自身が輝けば、お隣にいる人も光ります。町や社会が光ります。さらに、そんな小さな光が集まって、日本を、世界を、やがて地球を照らしていくことでしょう。
 新しい時代を切り開いていくのは、私たちそれぞれなんだということを、この言葉は深く、静かに、豊かに教えてくれます。

 自分がいまいる場所や立場でベストを尽くす。
 それが、結果的に全体を良くすることにつながる。

 一隅を照らそう!
 まずは、自ら輝こう!

 それが、新しい時代、“本物時代”の幕開けとなる……。



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Profile:佐野 浩一(さの こういち)
佐野 浩一(さの こういち)

1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。

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