“本物主義”時代の幸せな生き方

このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の佐野浩一によるコラムページです。
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

2017.04.01(第38回)
幸せに働く

 もっと幸せに働けたら……。
 そう感じている方はきっと少なくないと思います。
 でも、社会や会社が、そのようにさせてくれない……。
 これまた、そのように感じている方もいらっしゃるかもしれません。
 でも、他人や社会のせいにしたって、それは意味のないこと。
 なんの成長もありませんし、進歩もありません。
 基本は、自分自身です。
 では、どうしたら幸せに働くことができるか?
 そんなことを考えていて、ふと書棚にあった『宇宙を感じて仕事をしよう 幸せに働くために大切なこと』(天野敦之著・2011年サンマーク出版刊)をペラペラとめくると、そこに一つの答えがあったのです。
 おもしろいものです。
 いまはまだ、終焉とはいえ資本主義にどっぷり浸かっているわけですが、それでも、「意識の変化」と「意識の進化」によって、大きく変えることができると記されていました。
 意識の進化とは?
 「時間軸」「空間軸」「感覚軸」の三つの軸を、かぎりなく広く、自我のレベルから宇宙のレベルに広げていくということなのだそうです。
 「時間軸」が短くなると、効率を優先するあまり、時間をかけて工夫や地道な努力をするよりも、誰かから何かを奪って利益を生み出すほうが早いという気持ちに支配されていきます。そうなると、ますます幸せに働くことができなくなるし、結果としては成果がより上がりにくくなってしまいそうです。
 「空間軸」が狭くなると、自分さえよければいい、一緒に働く仲間や取引先やお客さまを犠牲にしてでも、自分だけの利益を増やせばいいという感覚になってしまいます。そうなると、仲間や取引先やお客さまの信頼を失って、仕事はうまく行かなくなります。しかも、仕事に喜びを見出せなくなり、隣にいる人間が何を考え、何に悩んでいるのかなど、人として持つべき関心事ももてなくなってしまうようです。他人に対する感謝や理解の気持ちは薄れ、結局仕事での喜びはお金をたくさん稼げたときだけになります。

 そして、「感覚軸」ですが、これは目に見えるものだけではなく、目に見えないものも含めて感じられるかどうかということです。数値や目に見える形あるものにばかり関心が行き、目に見えないつながりや、自身を支えてくれている何か大いなる力のようなものは排除されがちとなってしまいます。そうこうしているうちに、仕事はとても空虚なものとなり、つながりや愛や感謝など、私たちが本来得られるべき深い喜びや幸せを感じる源はどんどん減っていきます。
 しかしながら、お客さまはより一層、喜びや感動や幸せという目に見えない価値を求めるようになってきています。ということは、このせまくなった「時間軸」「空間軸」「感覚軸」を元どおりに直していかねばなりません。大きく広げていくということですね。そうすると、仕事に対するとらえ方、働き方も大きく変わっていくというのです。
 持続可能な社会を求めていくなら、会社はもちろん、個人の仕事も働き方も持続可能なものにしていかねばなりません。
 目先の利益も、企業ですから大事ですが、できれば長期的に持続可能な利益のいただき方を考えていかなければいけませんし、自分だけが利益をいただくのではなく、かかわるすべての人たちの利益も考えていきたいです。
 そして、目に見えるものだけを信じる働き方や感性に終止符を打ち、目に見えないものも含めて大切にするスタンスに向かっていきたいものです。
 そうこうしているうちに、自分の幸せと他人の幸せの境界線がなくなっていく……。利己と利他の違いが薄まっていくと、やがて「すべてはつながっている」、つまりすべては「一つ」だという感覚に向かっていくのでしょうね……。
 そして、いよいよ舩井幸雄が人間の成長段階の最終ステージとした「自他同然」の領域に踏み入れることになります。マクロに見て、とらえるということはこういうイメージであって、軸を広げれば広げるほど、実は「いまここ」にじっくり、穏やかな気持ちで視座を置くことができるのだと思います。
 時間軸のとらえかたも変わってくるでしょう。
 人は、過去への後悔と、現在や未来への不安に囚われる存在だと言われます。でも、そのままだと、「いまここ」を味わえません。意識を広げ、深めていくと、きっと後悔や不安が少なくなり、より一層「いまここ」に集中しながら日々の取り組みに集中できるように思います。
 仕事のパフォーマンスはぐんと高まっていくことでしょう。
 そして、仕事の楽しみ、豊かさをより実感できるようになるでしょう。
 そうなると、より一層、生きる喜びをより深く味わえるようになる気がします。

 本物時代の仕事と働き方。
 概念の域を超え、そろそろ実践モードに入っていくときが来ているのかもしれません。

感謝



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Profile:佐野 浩一(さの こういち)
佐野 浩一(さの こういち)

1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。

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