“超プロ”K氏の金融講座
このページは、舩井幸雄が当サイトの『舩井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介していた経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。
「安全性も高く、治療の効果は明らかだ!」
3月17日、中国の科学技術省は記者会見の席上、日本で製造されているインフルエンザ治療薬<アビガン>が今回の新型肺炎の治癒に効いていることを大々的に明らかにしたのです。
武漢と深センでの感染者に投与したところ、感染者が短期間で陽性から陰性になり、発熱などの症状も軽くなったということです。あれだけの患者が出て苦しんできた中国ですが、現在感染拡大は峠を越えたということで、国内においてほとんど新しい感染者は増えていないということです。
逆に今では海外から帰国した人から新しい感染者が出てきているケースだけが見受けられる、と発表しています。3月10日、習近平国家主席は武漢を訪問しましたが、これは中国共産党が新型肺炎の問題に関して解決のメドが立ってきたとの自信を持ってきたからでしょう。その自信の根拠の一つとして新型肺炎の治癒に効果的な薬の存在があることは明らかだと思います。
●新型肺炎の治癒に期待できる薬はすでにある
<アビガン>は日本の富士フィルムの子会社である富山化学が製造してきたインフルエンザ薬で、エボラ出血熱にも効果があると言われています。
<アビガン>は日本で200万人分の備蓄があります。副作用として生殖機能に対しての異常が起こるケースがあると言われています。妊娠中の女性に投与されると奇形児ができたり、男性でも<アビガン>を使うことで使用期間中は生殖機能の異常(精子の異常)が起こる可能性が指摘されています。このため、<アビガン>の使用については慎重に取り扱うべきとの報告がなされているわけです。現在は緊急事態ですので、<アビガン>は日本でも重症患者に対してだけ投与されているようですが、日本での今回の新型肺炎に対しての<アビガン>の臨床結果の報告は8月になるということです。
いずれにしても、中国での<アビガン>の使用で明らかに効果があることが確認されているわけですから、日本でもいい結果が出てくることは必至でしょう。この場合、副作用について議論となるでしょうが、今回の新型肺炎で重症となるケースはほとんど高齢者に偏っていますので、女性の高齢者は子供を産むわけではありませんし、男性の高齢者も一般的には子供を作ることに関与しないと思われるわけです。そういう意味では早急に今回の新型肺炎の治癒薬として<アビガン>の使用が広く認められることとなると思われます。
一方3月18日、東京大学医科科学研究所の井上純一郎教授は緊急記者会見、新型肺炎に感染した患者の治癒に急性膵炎の薬<ナファモスタット>に効果があると発表しています。今後国内の患者に対して臨床試験を行うということです。
すでに今回の新型肺炎に効果が認められている薬として米国のギリアドサイエンス社が製造販売している抗ウイルス薬<レムデシベル>があります。この<レムデシベル>については2月24日、WHOの高官は「今回の新型肺炎に治療薬として最も期待ができる」と発言しています。この<レムデシビル>については5月にも臨床試験の結果が発表になります。この<レムデシビル>も<アビガン>と同じくエボラ出血熱に効果があると言われている薬です。
これらの薬のいいところは、現在すでに承認され、使われている薬だということです。通常薬を開発しても、その効果や危険性を図るために長い臨床期間が必要となります。副作用や効果などを長年に渡って調べて、副作用が少ないことと効果があることが確認されてから使用許可となるわけです。ですから新薬の開発となると、今からでは通常数年かかることとなります。今回のようなに急激に感染爆発が起こったケースにおいては、緊急を要しますので、新薬開発まで待っている時間がないわけです。
ところが、今回治療効果があると言われるこの<アビガン>も<ナファモスタット>も<レムデシビル>も既存の薬で、新型肺炎でない他の病気に対して使われてきた薬です。ですから今回の新型肺炎に対しての使用もハードルが低いわけです。臨床もすばやく行うこととなりますし、その使用許可もあっという間に出されることでしょう。そうなると効果があれば一気に治癒の患者が激増し、死者は急減することとなります。
現在新型肺炎の蔓延は恐ろしいスピードで進み、欧米諸国ではロックダウン状態(人々の動きを封鎖する)となっています。日本でも徐々に新型肺炎の感染が広がっていますが、専門家委員会の意見ですと、現在は「かろうじて持ちこたえている」ということですが、「感染爆発が起こる危険性もある」ということです。中国に極めて近い、ということ、感染初期の段階でも中国からの訪日を禁止しなかったこと、そして日本全土で行動制限も大規模に実施していないこと、を考えれば、この新型肺炎の問題に対しては、日本は世界を見渡しても、比較的うまく対処している方だと思います。その上に日本にはかような効果的な薬が開発されているわけです。
有望な薬があって、国内での実用化が近いということは極めて大きなことです。如何なる疫病であろうが、治療薬があれば怖くありません。新型肺炎がかように恐れられているのは治療薬がないからです。イタリアの例をみれば医療崩壊しているのは明らかですし、かようなことがいつ世界のどこで起こるかわからないわけです。それを世界の人々は心配していますし、日本人も心配が絶えないわけです。かように現在の世界を見ても、日本国内の雰囲気をみても、悲観一色で、この新型肺炎の問題で、どうにもならなくなってしまう、という焦燥感に包まれています。東京オリンピックの開催はほぼ不可能となっていますし、サービス業を中心に経済活動が全く停止状態になっているわけです。
ところが新型肺炎の治療薬ができればどうでしょうか? いくら恐れようが、薬を投与すれば治るとなれば恐れることなどありません。日本ではもう少しでかような状態が訪れる可能性が高いわけです。特効薬が現れれば、今回の新型肺炎も普通の季節性のインフルエンザと変わらないわけです。
●事実関係の認識は大切
新型肺炎のニュースが連日報道され普通のインフルエンザの怖さが忘れられていますが、日本では季節性のインフルエンザでも年間300人から多い時は3000人近い死者が出ています。平均すると日本の年間のインフルエンザによる死者は1000人ぐらいです。現在新型肺炎による日本での死者はわずか38人に過ぎません(3月22日現在)。未知のものを恐れるのは当然ですし、イタリアでの感染爆発の状態をみれば、そら恐ろしくなるのも当然かもしれません。しかしここでは日本における現状と事実関係をしっかり認識しておく必要があると思います。現在の東京都内の感染者は100人を超えたところですから、東京の1000万人の人口を考えれば感染者は今のところ、10万人に一人程度です。宝くじも容易に当たらないわけですから、普通の人は今のところ簡単に新型肺炎に感染する状態ではありません。楽観しすぎるのも問題でしょうが、事実関係は認識すべきです。
そしてもう少しすれば、日本発で新型肺炎の特効薬が出来る可能性があるわけです。人類の歴史をみれば数々の困難があったことが事実です。しかし人類はどんな疫病も克服してきたわけです。そして今回のケースでは世界に比べて日本は比較的うまくやっているわけです。薬ももう少しで出来るところです。
あなたはこんな状態なのに、将来を悲観し続けるのですか? 朝倉慶が夢物語を言っているわけではありません。報道されている事実を網羅して紹介しているだけに過ぎません。
かような情勢下、私は一貫して主張してきたように、日本株は買うべきと思います。日本株はあまりにも安すぎます。どんな株も安すぎます。この新型肺炎の問題が来年までおさまらないで続いていくということを想定している株価となっています。そうならないとは言えませんが、薬ができて一気に解決する可能性も十分あるわけです。私はいずれこの問題が解決する方に賭けたいと思います。人類の英知と明るい未来に投資したいと思っています。
「悪いニュースで忘れてならないのは、われわれはもっと悪い状態を克服してきたことだ」
世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェット氏は述べています。そして投資の心得として「皆が貪欲な時は臆病に、皆が臆病な時こそ貪欲であれ」と指摘しています。さらにバフェット氏は「現金は王様というが、それ自体は価値を生むことはなく、長い目でみれば購買力は削られていく」として株式投資の効用を説いているのです。「今こそ株式投資」と思わずにはいられません。
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★『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売。その後 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が同年5月30日に発売。さらに2009年11月には、船井幸雄と朝倉氏の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)が発売され、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を、2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』 (徳間書店)を発売、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』を発売、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。
★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
★(株)ASK1: http://www.ask1-jp.com/
経済アナリスト。
株式会社アセットマネジメントあさくら 代表取締役。 舩井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を舩井幸雄にレポートで送り続けてきた。
実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。
著書『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。2009年11月に舩井幸雄との初の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を発売。2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』(徳間書店)を、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。
★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
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