若き経営者の奮闘録
13年間の教師生活から一変して入ったビジネス界。義父・船井幸雄からさまざまな教えを受けながら、日々学び、成長していく(株)本物研究所社長・佐野浩一の経営者としての奮闘録をお届けします。
辞書で引くと、名詞では「冒険(的事業)」「投機」「かけた物や金」。さらに動詞では、「危険にさらす」「かける」「思い切ってする」「大胆にも〜する」「危険を冒してやってみる」などという意味が並んでいます。
一般に“ベンチャー企業”というと、何やら立ち上げて間もない新進気鋭の若い企業というイメージが先行しています。一時は、IT関連事業を立ち上げる企業そのものを指すイメージが浸透した向きもありました。
しかし、実際は、経営者やそこで働く社員が「ベンチャー企業」だと自社をとらえているか否かに、どうやらその定義があるようにも思えます。たとえば、“日経ベンチャー”という雑誌は、好きでよく読むものの一つですが、そこにはもう創業何十年という企業経営者も登場し、まさしく英語の原義どおり、ベンチャースピリットの数々を披露されています。気持ちが前に進まないとき、自身の実行推進力が停滞しているとき、熱く自社の歴史と未来を語るすばらしい経営者の皆さんから、多くの勇気をいただくことがあります。
人は幾度となく失敗や過ちを繰り返し、成長していくものですが、企業においても同様のことがいえそうです。さらには、経営者が人である限り、その人間の成長の軌跡そのものが、経営する企業の成長と考えられます。失敗や過ちを含め、自らに関わるすべての事象は、そのまま自身の内面や実力を映し出したもの。そうとらえると、立ち止まってはいられない衝動にかられます。何も行動を起こさない結果生まれるリスクより、新たなリスクを承知のうえで行動実践することにより得られる成果を選びたいと思います。
思えば、これまで船井会長は、“ベンチャースピリット”を脈々と太く貫いてきました。書籍に書かれてきたことがら、講演で発表されてきたことがら、これまでの経営実践そのもの、そして船井総合研究所を軸に生んでこられたグループ関連会社の数々。これぞ、ベンチャースピリットだと痛感します。
私自身も、そのベンチャースピリットを見習い、自ら描く未来の姿へ向けて、数々の挑戦を継続したい……。
7月のある日、心をかすめた思索の一部をまとめさせていただきました。
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1964年大阪生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、13年間中高一貫教育校の英語教員として従事。2001年4月、(株)船井事務所に入社。2003年4月、船井幸雄グループ・(株)本物研究所を設立し、代表取締役社長に就任。商品の「本物」、技術の「本物」、生き方、人づくりの「本物」を研究、開発し、広く啓蒙、普及活動を行なっている。
2005年10月に『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』
(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)を出版。