若き経営者の奮闘録

13年間の教師生活から一変して入ったビジネス界。義父・船井幸雄からさまざまな教えを受けながら、日々学び、成長していく(株)本物研究所社長・佐野浩一の経営者としての奮闘録をお届けします。

2009.01
達人の素直さと謙虚さに学ぶ
  昨年、ソフトバンクホークスの王貞治監督が退任されました。王さんは、現役時代、通算868本塁打の世界記録を樹立し、二度の三冠王に輝きました。監督としても二度の日本一、通算1300勝という金字塔(きんじとう)を打ち立てた方。あえてその凄さを説明する必要もありません。
 その王さんが、次のようなことをお話されたそうです。
 「これでいいと考えず、これまでひたすら学んできた。学ぶ相手とは、自分以外のすべての人だ」と…。
 王さんは、チームメイトであろうとライバルであろうと、または年齢や経験の上下など一切関係なく、すべてを学ぶ対象として考えておられたということです。
 「自分の技術が正しいと思ったことはない」。
 ここに王さんの姿勢がすべて表現されているように思います。王さんは、きっと「オレのいうとおりにすれば必ず打てる」とは、決していわなかった…のではないでしょうか。
 「だから、自然と生き方が謙虚で、おごりがなくなる」と、野球評論家の豊田泰光氏は、王さんのことをそう語っておられます。

 一方、株式会社船井総合研究所の小山政彦社長は、人の話を聴く達人です。相手が誰であろうと、まず机上にノートを広げられ、こちらの話すポイントをメモされます。話を聴きながら、時折、「あなたのいいたいことは、〜ということでいい?」と復唱し確認します。基本的に全面肯定の姿勢を貫かれるのです。
 そこで、ここからがポイントです。
 「なるほど、まったくそのとおりだと思う。でも、実際はどうなんだろう?」「周囲はそれでいいの?」「自分の考えは伝わっているのか?」と、自問自答する機会を与えてくれます。私もいつもこれで考えを深めさせてもらっています。小山流ヒアリング。いやコーチングの真髄。
 小山社長は、船井会長がずっと伝えてこられた素直であり謙虚である生き方を、仕事を通しても実践されています。
 今回は、素直と謙虚の達人のお二人を紹介させていただきました。私も大いに学び、実践していきたいと考えています。

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Profile:佐野浩一

1964年大阪生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、13年間中高一貫教育校の英語教員として従事。2001年4月、(株)船井事務所に入社。2003年4月、船井幸雄グループ・(株)本物研究所を設立し、代表取締役社長に就任。商品の「本物」、技術の「本物」、生き方、人づくりの「本物」を研究、開発し、広く啓蒙、普及活動を行なっている。

ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる2005年10月に『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる
(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)を出版。




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