船井幸雄注目の “本物”に携わる人たち

このページでは、舩井幸雄が注目していた、医療、経営、農業、未来予測、占星術などあらゆる分野で活躍する“本物”と言っていい方々を紹介します。それぞれの方に毎月１回、３回ずつコラムを書いていただき、順番にいろいろな方を紹介させていただきます。

2020.10.10（第117回）

★今回の執筆者★
（株）本物研究所　販売店　ハッピーカムカム　代表　櫻井　本子さん（1回目）
（櫻井さんの詳しいプロフィールはページ下にあります。）

神と仏に導かれての人生航路

私の産まれた岡山県真庭市は、山また山で自分でもビックリするほど。細～い川をさかのぼると小さな集落が川辺にポツンポツンとあります。中学高校にはそんな所から街まで何里もある道を自転車通学しました。
昭和４１年の３月、高校の卒業式を控えていた私は、自宅の縁側で何気なく腰かけて外を眺めていました。
山奥の３月はまだ雪が残っていたはずなので何故その日、その時間に縁側にいたのか？　不思議なのですが。

その時、家の前の道を一人のおじいさんが通りかかりました。
「お嬢さん何してるの？」
私は「私ね、高校の卒業式を待ってるよ」とこたえました。
「その後は？」
「私、洋裁が好きだから神戸の洋裁店に住み込みで洋裁を習うの」
「東京でお家のお手伝いしながら習い事をしたい人を探しているんだけど行きませんか？」
とそのおじいさんが言うと、私は
「はい！行きます。よろしくお願い致します」
と即答したのです。
私にとってそのおじいさんは神様だったのです。

何故か？
昭和３６年、私が中学２年の時に、とある先生（私にとっては最初の人生においてのメンター）が私の頭に優しく手をおいて「貴女は高校卒業して東京に行ったなら、どこどこにいる菊池○○○君を訪ねなさい」と言いました。そして
「神と仏は我が心にあり。神、仏に従ってすすめば、山あり谷あり苦難はあれど超えられます。その先にはきっと幸せの道が開かれます。誰の道でもありません。貴女だけの道です」と言われていたのです。

その時は「私、親戚も知人もいない東京に、まして大好きな祖母が脳梗塞で不自由な体。私が看病してるのに……」と思っていました。
ところが祖母は私が高校２年の時亡くなりました。

縁側で声をかけてきたおじいさん神様はお隣に街から来た電気屋さん。
お隣に行っている間に私は母のいる畑に飛んで行って言いました。
「私東京に行くわ！」

その足でバイクで山越えして、叔父のところ（母の実家）に行きました。神戸の洋裁店にお断りを入れて貰うためです。
叔母に言われました。
「もとこはなんたってお嬢さん。生き馬の目を抜く程の都会から３日坊主で帰ってくるわ」と。
私は絶対、３日は辛抱出来ると心で思い「おばちゃん、私には神様と仏様が付いててね。修業しなさいって言われたの」。我ながら立派な台詞。笑(^^)
母は「亭主だったら事をおこせば離婚すれば他人。でももとこと正親（私の弟）は私の子供。他人にはなれないよ。世間様に顔向け出来ないことをすれば腹、かっ切るからそのつもりで」。
父は「洋裁を頑張るのはよいけど、亭主より稼ぎが良い人にはなるなよ。
亭主の家計のちょっとした助けになる位にしておけよ」と言いました。
祖父からは「暦を見て４月になってからだともとこの運勢は良くない。３月の内に行くのが良い」
と言われ、４月の予定を早めました。

上京するとき、私は神様に２つの誓いをしました。
１つ目は、東京には親戚も知人もいないので、ご縁を頂いた人を全て財産と思うことです。
２つ目は、東京で結婚して子供は大学に行かせる、でした。笑

後日、東京でお世話になった家の方に「可愛い孫娘を東京に出すのだから、普通なら日を延ばすところを早めるとは凄い家族だ」と、ここで１つの信頼を得ました。
夜間の洋裁学校に１年通う内に、その家庭に２人目のベビーが誕生。そして仕事は多忙となり、私が次の課程に進む事は厳しくなりました。
ここで父の言葉を思い出し洋裁学校に通うのを諦め、家の仕事と近くの編み物教室に通いました。
自分の我を通したところで上手くいくとは限りません。
でも人が喜ぶことはすぐできます。
父の教えは神の言葉だったのですね。
４年半お世話になり、櫻井精米店に嫁ぎました。

Profile:　櫻井　本子（さくらい　もとこ）

櫻井　本子さん

（株）本物研究所　販売店　ハッピーカムカム　代表
1947年
岡山県真庭市余野下に生まれる
1965年
岡山県立勝山高等学校卒業
1965年3月
押阪忍（フリーアナウンサー）とご縁を持つ
就職と同時に織田文化服装学院入学
1967年卒業
1970年結婚（櫻井精米店）
1985年櫻井梱包運送開業
2000年梱包運送をリタイア
2000年ハッピーカムカム開業
お針遊びで余生満喫
現在に至る