船井幸雄注目の “本物”に携わる人たち

このページでは、舩井幸雄が注目していた、医療、経営、農業、未来予測、占星術などあらゆる分野で活躍する“本物”と言っていい方々を紹介します。それぞれの方に毎月１回、３回ずつコラムを書いていただき、順番にいろいろな方を紹介させていただきます。

皆さん、こんにちは。
滝沢泰平（たきさわ たいへい）と申します。

僕は現在、八ヶ岳南麓の山梨県北杜市というエリアを拠点に活動しています。

ここ八ヶ岳に移り住んで8年が過ぎ、都会から田舎暮らしに切り替えてからは10年が経ちました。

その経緯についての詳細は、昨年に出版した「宇宙学校 アースリングコミュニティ」（きれい・ねっと）にすべて書いておりますので、そちらを是非ご一読いただけたら幸いです。

さて

「八ヶ岳って最近よく耳にするよ」

と言う人も増えてきましたが、全国的にはまだまだ知名度も低く、八ヶ岳を知らない方も大勢いると思います。

初対面の人に

「八ヶ岳に住んでいます」

と伝えると、どうやら人里離れた山深い森の中で、自給自足の原始的な生活をしているようにも思われます。

ちなみに僕が住んでいる場所は、標高だとちょうど1,000mの位置にありますが、海抜0mに近い都会からすると、それは確かにお山の頂上に住んでいるようなイメージかもしれません。

でも、八ヶ岳の周囲は360度、3,000m近い様々な高山に囲まれており、標高1,000m以上の場所にJRの駅も街もあり、コンビニまで車で5分、スーパーも5分、徒歩圏内にも飲食店があったり、普通の都会暮らしと生活は大きく変わりません。

ただ、見上げると空は広くて近く、夜は星々が美しく、遠くにはパノラマで雄大な山脈が広がっており、自宅周辺も森に囲まれています。

自宅の敷地からは湧水が湧いており、春には山菜、秋には天然キノコを採ることができます。

自然も豊かですが、生活も便利な

「高原都市」

と呼ばれる場所であり、ここで現在は仲間たちと4町歩（約12,000坪）の田んぼと、2町歩（約6,000坪）の畑を管理し、農をベースにした自給自足の循環コミュニティを運営しています。

その名も

「キブツ八ヶ岳」

という名前のコミュニティ。

“キブツ”とは、ヘブライ語で“共同体”を意味するものであり、イスラエルの砂漠に300箇所ほどあるオアシス型の農村コミュニティであるキブツをモデルに、日本型のコミュニティ社会の雛形作りを実践中であります。

「コミュニティ」
「エコビレッジ」

などと聞くと、1つの敷地にいくつもの住居があり、一般社会から隔離された共同生活をしている集団のようなイメージもありますが、キブツ八ヶ岳は、八ヶ岳南麓という漠然としたエリアの中で、それぞれが独立した生活をしながら緩く繋がっているコミュニティネットワークです。

八ヶ岳に住所、拠点を持つメンバー（キャスト）が約100人。

標高700mの割と街の中心に住む人、
標高800mの地元農村集落に紛れて生活する人、
標高1,000mの別荘エリアで都会と二拠点生活をする人、
標高1,200mの山の麓で静かに暮らす人、

住む場所も暮らし方も人ぞれぞれ。

仕事も人それぞれであり、一般企業にお勤めの方もいれば、主婦で子育て中のママもたくさん、フリーランスで様々なスキルを持つメンバーや農業従事者や木こりも。

衣食住全般の活動をコミュニティでプロデュースしており、

機織り工房（綿もコミュニティ農園で自家栽培）
藍染工房（藍もコミュニティ農園で自家栽培）
陶芸工房（八ヶ岳エリア最大の登り窯）

があり、古くなったペンションをリノベーションして、10世帯近くが入れるシェアハウスも3棟以上あります。

皆が好きな場所に住み、生活に必要な“円”の収入源を得るために仕事をしながらも、皆で農業を一緒に取り組んだりし、コミュニティに必要な環境を少しずつ整えていっています。

片足は一般社会、片足はコミュニティに足を突っ込んだ

「半コミュニティ半X」

という二足の草鞋を履いた暮らし方。

これは何も今に始まったことではなく、昭和の頃の日本でも、小規模な地域コミュニティが田舎も都会も色濃く存在しており、地域の仲間で子育てをしたり、地域の仲間で農業をしたり、近いエリアのみんなで助け合う社会が当たり前であったと思います。

昭和、平成を経て、時代は移り変わり、田舎は隣の家が次々に空き家となり、都会は隣人の名前も顔もわからない分離の社会へと変わってしまいました。

そして、仕事場に行っても、仕事上だけの人間関係の付き合い、家族といえども、価値観がバラバラで、普段の生活の中でも孤独を感じる人が年々増えているようです。

そんな中のコロナ禍は、この分離社会にとどめを刺すような出来事であり、今は家や都会を飛び出し、同じ価値観を持つ仲間との繋がりを求めて、地方のコミュニティへ参加する人々が多くなっています。

キブツ八ヶ岳は

「地球人としての自覚をもって、循環社会のモデル構築に関する事業を行い、
持続可能なコミュニティ活動の推進を目的とする。」

という理念の中、以下に掲げる10個の活動をしています。

（1）自然栽培による農業の普及支援
（2）山林保全・水資源保全・土壌環境保全への支援
（3）コミュニティ会員の健康増進と憩い学びの場の提供によるマッチングの推進
（4）子どもの教育・食育への貢献
（5）八ヶ岳エリアへの移住・拠点づくり支援
（6）伝統的なものづくり活動及び革新的な芸術活動への支援
（7）地域の食材を生かした加工品の創造・発掘の支援
（8）持続可能なエネルギー開発の研究支援
（9）地域の観光開発の持続化・発展の支援
（10）先端的なIT技術の研究開発・普及の支援

まだまだ2021年に始まったばかりの新しいコミュニティであり、これから本格的に動き出すプロジェクトも多いですが、次回は、キブツ八ヶ岳の特徴の1つである、お米を基軸にしたコミュニティ通貨についてをお伝えできればと思います。

Profile:　滝沢　泰平（たきさわ　たいへい）

滝沢　泰平さん

やつは株式会社代表取締役
八ヶ岳ピースファーム株式会社代表取締役
一般社団法人キブツ八ヶ岳代表理事

「半農半Ｘ」から「半コミュニティ半Ｘ」の生き方へ。
八ヶ岳南麓にて自給自足できる循環型社会のモデルづくりを目指す。
月間１００万アクセスのＷＥＢサイト「天下泰平」ブログ執筆者。

著書に『レインボーチルドレン』『これから10年「世界を変える」過ごし方』(ヒカルランド)『宇宙学校』(きれい・ねっと)などがある。

天下泰平 〜滝沢泰平 公式ブログ〜
http://tenkataihei.com

やつは -八ヶ岳Life Shop
https://www.yatsuha.com